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【戦評】後半戦好調のカブスがついに地区首位へ浮上

2017.7.24 15:41 Monday

 後半戦のチーム打率.294と56得点はいずれもリーグ3位、19本塁打はリーグ最多タイ、チーム防御率3.56はリーグ4位と投打に勢いが出てきたカブスが、宿敵カージナルスとの3連戦に勝ち越し。ブリュワーズを勝率の差で上回ってゲーム差なしの地区首位に浮上した。後半戦に入って9試合で8勝1敗は、好調のドジャースやナショナルズすらを上回り、メジャートップの成績である。

 3連戦の初戦こそ8回表に大量9失点を喫して4-11で大敗し、後半戦開幕からの6連勝がストップしてしまったものの、第2戦は2本塁打で先制された直後の8回裏に3点を奪って逆転勝ち。勢いが出る勝ち方で3連戦の最終戦を迎えた。

 第3戦はホゼ・キンターナ(カブス)とマイケル・ワカ(カージナルス)の両先発で始まった。初回、カージナルスは先頭のマット・カーペンターが相手のエラーで出塁すると、二死後にジェッド・ジョーコの左中間を破る二塁打の間に本塁を狙ったが、カブス野手陣が連係プレイで先制点を阻止。しかし、カージナルスは続く2回表、レフト前ヒットで出塁したヤディアー・モリーナを一塁に置いて、ランドール・グリチックがセンター左へ12号先制ツーランを叩き込んだ。

 カブスは3回裏、先頭のアディソン・ラッセルが左中間への二塁打で出塁すると、二死後にジェイソン・ヘイワードがライトへのタイムリー二塁打を放って1点差。さらにクリス・ブライアントがライト線にポトリと落ちるタイムリーを放って試合を振り出しに戻した。

 ところが4回表、モリーナが二盗に失敗して二死走者なしとなったところでポール・デヨングが左中間へ12号ソロを放ち、カージナルスが勝ち越しに成功。しかし、カブスもその裏、カイル・シュワーバーがライトスタンドへ豪快な15号同点ソロを突き刺した。

 その後、試合が動いたのは6回裏。先頭のブライアントがレフトフェンス直撃の二塁打を放って出塁すると、一死後にウィルソン・コントレラスがレフトスタンド最前列に飛び込む15号ツーランを放ち、カブスが2点を勝ち越し。キンターナが6回3失点で降板すると、7回をヘクター・ロンドン、8回をカール・エドワーズJr.、9回をウェイド・デービスが無失点に抑え、宿敵相手の3連戦の勝ち越しを決めた。

 貯金が今季最大の5となったカブスのジョー・マドン監督は「我々は今まで走っていなかった。前半戦の間はずっと歩いていたんだ。ようやく少しずつ走り始めたね」とチームの復調に手応えを感じている様子。後半戦の先発防御率は2.41、9試合で7度のクオリティ・スタートと先発投手陣が安定したピッチングを続けていることが、チームの安定した戦いに繋がっている。新加入のキンターナが2戦2勝、防御率2.08と期待通りの活躍を見せていることも、チームにとっては明るい材料だ。

 一方のカージナルスはロード10連戦のうち9試合で一時リードを奪いながら、結局勝てたのは4試合だけ。勝負どころでの失点が目立ち、ズルズルと負けを重ねる状況が続いている。すでにパイレーツにも追い抜かれて地区4位へ後退。地区首位と4.5ゲーム差とはいえ、ポストシーズン進出は極めて厳しくなったと言わざるを得ない。

 「前半戦とは全然違うよ」とコントレラスが語るように、本格復調の気配が漂ってきたカブスと、「良いチーム相手に良い戦いをしてきたよ」というマイク・マシーニー監督の言葉が強がりにしか聞こえなくなりつつあるカージナルス。7月末のトレード期限に向けて、両チームは対照的な動きを取ることになりそうだ。


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