【戦評】パクストンまたも快投 球団史上初の月間6勝
2017.7.31 16:00 Monday

フェリックス・ヘルナンデスが全盛期を過ぎてから絶対的なエースと呼べる存在がいなかったマリナーズ。どうやらエース不在の日々は終わりを告げたようだ。
ヘルナンデスに代わる新たなエースの名はジェームズ・パクストン。7月はここまで5戦5勝。早くも自身初の2桁勝利に到達した速球派左腕である。前回登板となった日本時間7月25日のレッドソックス戦では7回、被安打4、奪三振10、無四球、無失点の快投。そのパクストンが日本時間7月31日のメッツ戦でも安定したピッチングを見せた。
初回は一死からホゼ・レイエスにヒットを打たれたものの、ヨエニス・セスペデスのセンターフライで二塁へのタッチアップを狙ったレイエスをジャロッド・ダイソンが刺してダブルプレイ。2回はヒットと四球で一死一、二塁のピンチを背負ったものの、カーティス・グランダーソンをライトライナー、トラビス・ダーノウを空振り三振に抑えた。3回は2安打で二死一、二塁となったが、ジェイ・ブルースをショートゴロに打ち取り、この回も無失点。4回は先頭のウィルマー・フローレスにヒットを打たれたものの、その後の3人から2三振を奪うなど、後続をしっかり抑えた。5回は二死からレイエスに死球を与えたが、セスペデスを空振り三振に斬って取り、無失点を継続。6回は先頭のブルースにヒットを打たれながらも、4回同様にその後の3人から2三振を奪うなど後続を抑え、結局6回まで三塁を一度も踏ませず、メッツ打線をゼロに封じ込めた。
「パクストンは素晴らしい1ヶ月だった」とスコット・サービス監督。「7月は6勝0敗でチームを牽引してくれた。今日はベストのピッチングではなかったけど、速球がよく走っていて、要所をきちんと抑えていたね」と毎回のように走者を出しながらも6イニングを無失点で乗り切ったパクストンのピッチングに一定の評価を与えた。
打線は初回にネルソン・クルーズが21号スリーランを放って先制点を叩き出すと、その後も効果的に加点し、パクストンに十分な援護点をプレゼント。4月下旬に戦力外となり、マリナーズ傘下のマイナー球団でプレイしていたレオニス・マーティンは、メジャー復帰後の初試合で今季初本塁打を含む2安打の活躍を見せた。
パクストンが記録した月間6勝はマリナーズ史上初の快挙。月間6勝&40奪三振をクリアした左腕はメジャー史上7人目(8度目)となった。7月は6先発で6勝0敗、防御率1.37という素晴らしい成績をマーク。月間MVPは5先発で3勝1敗、防御率1.04をマークしたクリス・セール(レッドソックス)との争いになると思われるが、月間6勝のインパクトを考えるとパクストンの初受賞が濃厚だろう。
新エースの好投により、マリナーズは再び勝率5割復帰。勝率5割のラインでの一進一退の戦いが続いているが、ワイルドカード圏内まではまだ3.5ゲーム差。パクストンがエース級のピッチングを続けていけば、おのずと16年ぶりのポストシーズン進出が見えてくるはずだ。
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