投手補強のためにカブスがヘイワード放出を検討中?
2017.11.9 17:30 Thursday
先発ローテーションの軸であるジェイク・アリエタとクローザーのウェイド・デービスがフリーエージェントとなり、投手の補強が急務となっている今オフのカブス。投手を獲得できるのであればトレードの対価としてゴールドグラブ賞5度の名手、ジェイソン・ヘイワードを放出する可能性もあるようだ。
MLB.comのフィル・ロジャースはカブスが投手補強に動くうえでの最適なトレード相手としてジャイアンツを挙げている。ジャイアンツは今オフ、長打力不足の解消を最優先課題としているが、外野の守備力の向上も課題の一つ。4年連続5度目のゴールドグラブ賞を受賞したヘイワードはまさにうってつけの存在というわけだ。カブスがジャイアンツから獲得する投手として、ロジャースは先発右腕のジェフ・サマージャとクローザーのマーク・マランソンの名前を挙げている。
もちろん、現時点でこのようなトレード話が進展しているわけではなく、ロジャースが双方のチーム事情を考慮したうえで提示したトレード案の一つにすぎない。トレードを成立させるうえで最大の障壁がヘイワードの大型契約であり、向こう6年間で1億4750万ドルという契約が残っているうえに、来季までは全球団に対するトレード拒否権が含まれている。カブスにヘイワード放出の意思があろうとも、ヘイワード自身がトレードを承諾しない限りトレードは成立しないのだ。また、ヘイワードの外野守備は超一流だが、今季も打率.259、11本塁打、OPS.715という物足りない成績に終わるなど、その打撃力は大型契約に見合ったものとは言えない。放出に際してはカブスがある程度の金額を負担することになるだろう。
ただし、サマージャとマランソンも2人合わせて1億740万ドルの契約が残っており、金額的に全く釣り合っていないわけではない。ジャイアンツは守備面での衰えが顕著なディナード・スパンを来季はセンターからレフトへコンバートする予定であり、現時点ではセンターのポジションが空席となっている。主にライトを守ってきたヘイワードだが、センターを守れるだけの守備力を持ち合わせており、レフトにスパン、センターにヘイワード、ライトにハンター・ペンスが入る布陣が実現しても不思議ではない。また、カブスの野手は若手の台頭によりやや人材がダブついており、ヘイワードの放出は戦力の整理という点でも大きな意味を持ちそうだ。
一方、ジャイアンツはサマージャとマランソンを放出したとしても、球団内に穴埋めのオプションを持っている。サマージャの穴埋め候補としては2014年ドラフト1巡目指名の24歳右腕、タイラー・ビーディがおり、マランソンに代わるクローザーとしては今季マランソン不在時に代役を務めたサム・ダイソンがいる。
実現可能性はともかく、ヘイワード、サマージャ、マランソンを軸としたトレードが両球団の補強ポイントにマッチしていることは間違いない。ロジャースが提案するこのトレードが今後実現に向けて動き出していくのか。オフシーズンは始まったばかりだが、今後の動向が楽しみだ。
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