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【戦評】カージナルス 連日の延長戦を制したが…

2017.6.22 17:03 Thursday

 延長11回に7点を取って大勝した前日に続き、今日も延長戦を制したカージナルス。しかし、対戦相手はメジャー最低勝率のフィリーズであり、今月8勝のうち5勝がフィリーズ戦という有様だ。「フィリーズにばかり勝っていても無意味だ」というような厳しい意見も聞こえ始めてきたカージナルスだが、この連勝は浮上のきっかけとなるのだろうか。

 直近5先発のうち4試合で5回持たずに降板しているマイケル・ワカが先発したこの試合。ゲッツーを取れば無失点という場面で二塁グレッグ・ガルシアがゲッツー性のゴロをエラーするという手痛いミスが出て、初回にいきなり3点を先制されてしまう。ワカはその後もピリッとしない投球が続き、4回には再びゲッツーを取れば無失点という場面でガルシアに送球ミスが飛び出して2失点。苦しむワカの足を守備陣が引っ張ってしまうという最悪の形で、カージナルスは5点のビハインドを背負う展開となる。

 一方の打線は、フィリーズ先発の新人ニック・ピベッタに4回までゼロに抑えられていたものの、5回表に6番トミー・ファムの8号ソロ、6回表に4番ジェッド・ジョーコの11号ツーランが飛び出して2点差。さらに8回表に代打ホゼ・マルティネスの4号ソロ、9回表には6番ファムにこの日2本目となる9号ソロが飛び出して、本塁打攻勢でなんとか同点に追い付いた。

 そして、延長10回表。先頭のマルティネスが二塁打で出塁すると、ボークで無死三塁と勝ち越しのチャンスを得る。しかし、ここで1番マット・カーペンターが見逃し三振。フィリーズは2番デクスター・ファウラーを敬遠してゲッツーを狙う策をとったが、なんとエドゥブレイ・ラモスが一塁への牽制を悪送球。カージナルスが労せずして勝ち越しに成功する。その後、5番ヤディアー・モリーナにタイムリーが飛び出して7-5。その裏の攻撃を守護神オ・スンファンが1点で凌ぎ、カージナルスがなんとか延長戦をモノにした。

 「本塁打でしか点が取れない打線」と「投手陣の足を引っ張る守備」の改善を目指して春季キャンプに取り組んでいたはずのカージナルス。しかし、この試合では6年ぶりにポストシーズンに進出できなかった昨季と同じような野球が展開された。メジャー最低勝率のフィリーズ相手だから勝てたものの、こんな野球はポストシーズン進出を目指すチーム相手には通用しない。実際、今月上旬の7連敗のあと、フィリーズ3連戦をスイープして盛り返すかと思われたカージナルスは、その後のブリュワーズ、オリオールズとの7連戦で2勝しかできなかったのだ。なかなか歯車が上手く噛み合わない今季のカージナルス。まだ地区優勝を狙える位置にいるとはいえ、現在のチーム状況を考えると地区優勝を狙えるチームであるとは思えない。7月末のトレード・デッドラインで買い手に回るのか、それとも売り手に回るのか。買い手に回ってポストシーズン進出を目指すためには、向こう1ヶ月の戦いが非常に大切になってくるに違いない。


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