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  • 王者・ナショナルズ バーチャルの優勝リングセレモニーを開催へ

    2020.5.20 13:40 Wednesday

     昨年のワールドシリーズでアストロズを撃破し、球団史上初の世界一に輝いたナショナルズは、日本時間5月25日にメジャーリーグ史上初となるバーチャルのチャンピオン・リング・セレモニーを開催することを決定した。ナショナルズ公式サイトのほか、MASNとMLBネットワーク、さらにはナショナルズの公式Facebookと公式YouTubeチャンネルでも放送される予定となっている。

     ナショナルズのマーク・D・ラーナー・オーナーは「ついに2019年のワールドシリーズ王者のリングを選手、スタッフ、そしてファンの皆様と共有することができます。これ以上の興奮はありません。リングにはワシントン・ナショナルズの様々な歴史が盛り込まれており、その職人技は他の追随を許しません」とのコメントを発表。今回のバーチャル・セレモニーには、昨年の優勝メンバーも複数登場する予定だ。

     また、セレモニーの開催と同時に、支援を必要としている人々へのサポートを行う機会を提供することも発表された。首都ワシントンD.C.周辺の地域では、約1割の人々が食事の面で支援を必要としており、ナショナルズは寄付を呼び掛けている。寄付金は税金控除の対象となり、また、集まった全額が食事の支援を行う団体へ寄付されることになっている。寄付を行った人々は、メッセージを選択してセレモニーの一部に参加することができるという。

     さらに、カーリー・W・プロダクションが制作した2019年ポストシーズンのドキュメンタリー映像「Improbable」も配信される。このドキュメンタリーは2部構成となっており、第1部は日本時間5月24日、第2部はチャンピオン・リング・セレモニーの直前、日本時間5月25日に放送される予定だ。ドキュメンタリーはナショナルズ公式サイトとMASNで視聴可能となっている。

     昨年のナショナルズは、5月25日の時点で21勝31敗の借金10、首位から10ゲーム差の地区4位に低迷していたものの、その後の快進撃でワイルドカードを獲得。ポストシーズンでは、ブリュワーズ、ドジャース、カージナルス、アストロズを次々に撃破し、球団史上初となるワールドシリーズ制覇を成し遂げた。

  • 3度目のタイガース加入 メイビンのキャリアを振り返る

    2020.5.20 13:00 Wednesday

     2月にキャメロン・メイビンがタイガースのキャンプ施設のクラブハウスに足を踏み入れたとき、メジャーリーグ公式サイトでタイガースの番記者を務めるジェイソン・ベックは「タイガースが3度獲得した選手はこれまでにいるのだろうか」という点に興味を持った。調査の結果、微妙なところではあるものの、ベックは「ノー」という答えにたどり着いた。

     タイガースはオマー・インファンテを3度獲得している。1999年4月にインターナショナルFAとして契約し、2012年7月にマーリンズからトレードで獲得。2016年12月にはフリーエージェントとしてマイナー契約を結んだが、2017年はメジャーでプレーしなかった。ベックが「インファンテも該当する」と断言できないのはこれが原因である。

     ブラッド・オースマスもタイガースに3度在籍しているが、3度目は監督としてだった。ラモン・サンティアゴも同様(3度目はコーチ)。よって、メイビンが今年タイガースでプレーすれば、3つの期間にわたってタイガースの選手としてプレーした史上初の選手になるというわけだ。

     メイビンは2005年のドラフトでタイガースから全体10位指名を受けてプロ入り。2007年に20歳でメジャーデビューを果たしたが、同年オフにミゲル・カブレラを含む大型トレードでマーリンズへ放出された。

     マーリンズで伸び悩んだメイビンは3年後の2010年オフ、リリーフ投手2人とのトレードでパドレスへ放出。移籍1年目の2011年はレギュラーに定着して40盗塁をマークしたが、2015年4月に今度はクレイグ・キンブレルを含む大型トレードでブレーブスへ放出された。

     ブレーブスでは正中堅手として10本塁打、23盗塁とまずまずの働きを見せたが、2015年オフに再びリリーフ投手2人とのトレードでタイガースへ放出。古巣に復帰した2016年は94試合のみの出場ながら打率.315、OPS.801をマークし、同年オフにビクトル・アルカンタラとのトレードでエンゼルスへ移籍した。

     エンゼルスでは低調なパフォーマンスに終始し、2017年8月にウエーバーでアストロズへ放出。シーズン終了後にフリーエージェントとなり、マーリンズと契約したが、同年7月にマリナーズへトレードされ、2年連続でシーズン途中の移籍を経験することになった。

     昨年はジャイアンツと契約したものの、開幕前に解雇され、次はインディアンスと契約。しかし、メジャー昇格を果たせないまま金銭トレードでヤンキースへ移籍し、82試合に出場して自己最多の11本塁打を放つ活躍を見せた。

     そして、シーズン終了後にフリーエージェントとなり、今年2月に古巣タイガースと契約。3度目のタイガース在籍となる今年は「1番・ライト」での起用が予想されている。度重なる移籍で様々な経験を積んできたメイビンが、若手の多いチームを牽引する活躍を見せてくれることを期待したい。

  • カージナルス・金廣鉉 異例のメジャー1年目に適応中

    2020.5.20 11:50 Wednesday

     今年からカージナルスに加わった金廣鉉(キム・グァンヒョン)は、自身のメジャー1年目がこのようなシーズンになるとは想像していなかったはずだ。オープン戦で好投し、先発ローテーションの一員として開幕を迎える予定だったが、新型コロナウイルスの影響によりシーズン開幕の見通しが立たない状況が続いている。しかし、キムはセントルイスにキャッチボールのパートナーがいることに感謝しているという。

     球界の動きがストップしたことにより、キムと通訳のクレイグ・チョイは異例の状況のなかで不慣れな生活を強いられている。キャンプ施設を離れたあと、2人はセントルイスのマンションへ移り、世界的なパンデミックのなかで新たな街での生活に適応中だ。チョイは「困難な状況にいるのは自分たちだけではありません。医療スタッフのような他の人々も大変な時間を過ごしています」とネガティブな感情を持たないように努めている。

     現在キムは週1回のブルペン・セッションを含めて投球練習を週5回行い、スプリント・ランニングにも週2回のペースで取り組んでいる。また、マイク・シルト監督やマイク・マダックス投手コーチとも定期的に連絡を取っているようだ。

     さらに、シーズン開幕に向けてできる限りの準備をしておきたいと考え、同僚のアダム・ウェインライトにアドバイスを求めたという。キムは「本拠地と敵地でスタジアムの形状や風向きがピッチングにどんな影響を与えるか知りたかったんだ。ウェイノ(=ウェインライトの愛称)はとても勤勉な男だから、現在のような時期でもコンディションを維持する方法を知っている」とベテラン右腕への信頼を口にした。

     キムとチョイは、開幕延期によって生まれた時間を利用してミズーリ州の運転免許の試験に合格した。また、ゲームや映画でリラックスしているほか、ニュースを見て球界の最新の動向をチェックしているという。ただし、古巣のSKワイバーンズが1勝10敗と低迷しているため、韓国プロ野球の情報をチェックすることには乗り気でないようだ。

     当初は韓国に戻ることも考えたというが、球界の動きが再開したときにアメリカへの入国が困難になる可能性があったため断念。また、オールスター・ブレイクには家族がアメリカにやってくる予定だったが、それも実現しない可能性が高い。現在は毎日ビデオ通話で家族と連絡を取っており、キムは「寂しいけれど、みんなが無事でいてくれるのは良かった。彼らと話すのはとても楽しいよ」と語った。

  • マーリンズの「球団史上最高の控え選手」にイチローが選出

    2020.5.20 10:50 Wednesday

     各球団の「オールタイム・チーム」を決める企画のなかで、メジャーリーグ公式サイトでマーリンズの番記者を務めるジョー・フリサロは「球団史上最高の控え選手」にイチローを選出した。イチローは2015年1月にマーリンズと契約(当時41歳)。マーセル・オズーナ、クリスチャン・イェリッチ、ジャンカルロ・スタントンという強力な若手外野手トリオの控えとして、2017年まで3年間マーリンズでプレーした。

     イチローが契約した当時のマーリンズは、外野のレギュラーが固定されていることもあり、主力クラスの外野手を必要としているわけではなかった。しかもナ・リーグには指名打者制がなく、2014年にヤンキースで143試合に出場して打率.284、15盗塁をマークしたイチローが「外野4番手&代打の切り札」という役割に回るのは確実。イチローがマーリンズにフィットするかどうかを疑問視する声も決して少なくなかった。

     しかし、フリサロは「イチローとの契約はマーリンズにとって有意義だった」と断言する。イチローは2016年にメジャー通算3000安打を達成し、日米通算の安打数ではピート・ローズを上回った。また、2015年のシーズン最終戦では初めてメジャー初登板。当時、イチローは「高校では投手をしていたし、日本のオールスター・ゲームで投げたこともあった。でもメジャーのマウンドに立つことで夢の1つが今日叶った。(登板を)二度と頼まないけどね」と話していた。

     イチローは本拠地マーリンズ・パークのみならず、敵地でもファンから大きな歓声を浴びた。また、イチローが野球に取り組む姿勢から多くのことを学んだマーリンズの選手も少なくない。個人成績だけを見れば、イチローより優れた数字を残した選手は他にもいるが、フリサロはチームに与えた影響の大きさを評価してイチローを「球団史上最高の控え選手」に選出した。

     イチローはマーリンズで過ごした3年間で51本の代打安打を記録。これはウェス・ヘルムズの56本に次いで球団史上2位の数字となっている。

  • 1987年ナ・リーグMVPの再投票 グウィンが8位から1位へ

    2020.5.19 18:15 Tuesday

     「最下位のチームの選手はMVPに相応しいのだろうか?」という問いに対し、1987年にようやく「YES」という答えが出た。ナ・リーグ東地区の最下位に終わったカブスからアンドレ・ドーソンがMVPに選出されたのだ。しかし、ドーソンは本当にMVPに相応しかったのだろうか。メジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンドは、1987年ナ・リーグMVPの再投票に関する特集記事を公開した。

     1987年のドーソンは、153試合に出場して打率.287、49本塁打、137打点、OPS.896を記録。49本塁打と137打点はともに両リーグ最多であり、オジー・スミスとジャック・クラークのカージナルス・コンビを抑えてMVPに選出された。しかし、ドーソンの強打はなかなかチームの勝利にはつながらなかった。

     メジャーリーグ公式サイトのライター17人が現在の価値基準で1987年ナ・リーグMVPの再投票を行った結果、ドーソンは1位票を1票も獲得できず、トップ5にすら入ることができなかった。四球が32と少なかったため、出塁率は.328に過ぎず、総合指標のWAR(FanGraphs版)も3.5どまり。これでは本塁打と打点の二冠王でもMVPになるのは難しいと言わざるを得ない。

     実際の投票でドーソン以外に1位票を獲得したのは、スミス(2位)、クラーク(3位)、ティム・ウォラック(エクスポズ:4位)の3人。守備の名手として知られるスミスは、0本塁打ながら打率.303、75打点、43盗塁、出塁率.392の好成績を残し、再投票では3位となった。クラークも出塁率.459と長打率.597(ともにリーグ1位)を評価され、5位にランクイン。しかし、ウォラックは打率.298、26本塁打、123打点ながら37四球で出塁率.343に過ぎず、再投票では10位に終わった。

     再投票でスミスとクラーク以外にトップ5に名を連ねたのは、トニー・グウィン(パドレス:1位)、エリック・デービス(レッズ:2位)、ティム・レインズ(エクスポズ:4位)の3人だ。実際の投票で7位だったレインズは、打率.330、18本塁打、50盗塁、出塁率.429、OPS.955の好成績をマーク。同9位だったデービスは、抜群の身体能力を遺憾なく発揮し、打率.293、37本塁打、100打点、50盗塁、OPS.991という驚異的なパフォーマンスを見せた。

     そして、実際の投票で8位だったグウィンは、両リーグ1位の218安打&打率.370を記録し、56盗塁、出塁率.447、OPS.958とその他の部門でも好成績をマーク。走攻守すべての面においてバランスよく優れた成績を残し、メジャーリーグ公式サイトのライター陣からの支持を集めた。ただし、パドレスもナ・リーグ西地区の最下位に低迷。つまり、最下位のチームからMVPが選出されることに問題はなく、当時の価値基準でドーソンがMVPに選ばれたのも間違いではなかったと言えそうだ。

  • 2020年代のエース候補 フラハティとビューラー

    2020.5.19 11:35 Tuesday

     20世紀初頭のクリスティ・マシューソンとモーデカイ・ブラウンに始まり、サンディ・コーファックスとボブ・ギブソン、トム・シーバーとスティーブ・カールトン、ロジャー・クレメンスとペドロ・マルティネスのように、時代はいつも「二大エース」によって彩られてきた。そして、メジャーリーグ公式サイトのマット・ケリーが「2020年代の二大エース」の候補に挙げるのがジャック・フラハティ(カージナルス)とウォーカー・ビューラー(ドジャース)の2人である。

     現在24歳のフラハティは2017年9月1日にメジャーデビュー。その6日後、現在25歳のビューラーもメジャーデビューを果たした。昨年までの両者の通算成績は

    フラハティ
    67試合(うち66先発) 368.2イニング 防御率3.20
    WHIP1.06 奪三振率10.6 WAR7.0(FanGraphs版)

    ビューラー
    62試合(うち53先発) 329イニング 防御率3.12
    WHIP1.04 奪三振率10.3 WAR7.9(FanGraphs版)

    と非常に似通ったものとなっている。また、成績予想システム「ZiPS」では、今年のフラハティの比較対象にクレメンス、今年のビューラーの比較対象にはシーバーが挙げられており、両者の今後3年間の成績予想は以下のようになっている。

    フラハティ
    100先発 570イニング 防御率3.06
    WHIP1.04 奪三振率11.2 WAR14.9

    ビューラー
    86先発 500イニング 防御率3.20
    WHIP1.06 奪三振率10.9 WAR12.4

     フラハティは、ビューラーのように最速100マイルに迫るような速球はないものの、威力抜群のスライダーが打者をねじ伏せる最大の武器となっている。昨年はスライダーで被打率.185を記録し、空振り率は約45%という高水準。コンスタントに95マイル前後を計測する速球にこのスライダーを交えられると、打者は手も足も出ない。このスライダーこそが、今後3年間の成績予想でフラハティがビューラーを上回る最大の理由になっていると考えられる。

     一方、名投手クレイトン・カーショウからエースの座を奪いつつあるビューラーは、平均96.5マイルの速球に威力のあるカーブ、スライダー、カッターを交え、まさに「本格派」というピッチングを展開する。力だけで相手打線を圧倒できる数少ない投手の1人であり、打撃や守備においてチームの戦力が充実していることを考えると、今後も長きにわたって球界を代表するエースとして活躍することだろう。

     ビューラーは2015年にトミー・ジョン手術を受けており、2018年には肋骨の損傷による故障者リスト入りも経験。一方のフラハティはメジャー昇格後、一度も戦列を離れていない。この点も「ZiPS」の成績予想に反映されていると見られる。故障さえなければ、名門球団カージナルスとドジャースのエースとして、レギュラーシーズンのみならず、ポストシーズンでの投げ合いが何度も実現するに違いない。

  • 通算437セーブの「K-Rod」がメジャー復帰を目指す

    2020.5.19 10:20 Tuesday

     シーズン62セーブ(2008年)のメジャー記録保持者であるフランシスコ・ロドリゲスがメジャー復帰を目指していることが明らかになった。「MLB Trade Rumors」のジェフ・トッドによると、「K-Rod」の愛称で知られるロドリゲスは、ベネズエラ人ジャーナリストのギジェルモ・アルカイに対してメジャー復帰の可能性を模索していることを打ち明けたという。現在38歳のロドリゲスは、タイガースでプレーした2017年を最後にメジャーの舞台から姿を消している。

     ロドリゲスがメジャー復帰を目指すのは、将来のアメリカ野球殿堂入りに向けて通算セーブ数を積み上げるためだと見られている。エンゼルス時代には歴代最多の62セーブを記録した2008年を含む3度のセーブ王に輝き、ブリュワーズとタイガースでプレーした2014~2016年の3シーズンで合計126セーブを記録(平均42セーブ)。通算437セーブは歴代4位の数字となっている。

     歴代1位のマリアーノ・リベラと同2位のトレバー・ホフマンはともに通算600セーブを超えており、ロドリゲスがこの両者を上回るのは現実的ではない。しかし、同3位のリー・スミス(通算478セーブ)までは残り41セーブと十分に手が届く範囲であり、ロドリゲスはスミスを超えることができれば殿堂入りのチャンスがあると考えているのかもしれない(スミスは2019年にベテランズ委員会の選考により殿堂入り)。

     ただし、タイガースでプレーした2017年に28試合で2勝5敗7セーブ、防御率7.82という成績に終わっているように、現在38歳のロドリゲスにとって、セーブを積み上げるどころか、再びメジャーのマウンドに立つことさえも決して容易なことではない。実際、2017年6月にタイガースを解雇されたあと、ナショナルズと契約したものの、メジャー昇格を果たせないまま10日足らずで解雇され、2018年はフィリーズと契約したが、開幕前に解雇となった。

     2018年は独立リーグで44試合に登板して2勝1敗27セーブ、防御率2.76を記録したものの、メジャー復帰には至らず。昨年はメキシカン・リーグで10試合に登板しただけだった(防御率4.32)。ロドリゲスが再びクローザーとしてメジャーのマウンドに立つようなことがあれば、それは奇跡と呼べるだろう。

  • 47歳のコローンが現役続行に意欲 メッツ復帰を希望

    2020.5.19 09:45 Tuesday

     新型コロナウイルスの影響により2020年のレギュラーシーズンの開幕が遅れているなか、2018年シーズンを最後にメジャーの舞台を離れている47歳のベテラン右腕バートロ・コローンがメジャー復帰を目指しているようだ。コローンはESPNのマーリー・リベラに対して「もしメジャーリーグのチームが年寄りを欲しがっているなら、僕は獲得可能だよ!」と語り、現役続行への意欲を示した。

     メジャーリーグ公式サイトのマット・モナガンは、コローンがメジャー復帰を希望していることを伝えており、「私に言わせてみれば、これは非常に良い売り文句だ」と述べた。

     メジャー21シーズンで13度の2ケタ勝利を含む通算247勝をマークしたコローンは、中南米出身選手による歴代最多勝記録を更新。現時点でメジャー最後のシーズンとなっている2018年は、レンジャーズで28試合(うち24先発)に登板して146.1イニングを投げ、7勝12敗、防御率5.78、81奪三振という成績だった。

     全盛期のような球威はもはや残っていないものの、キャリア後半に磨きをかけた制球力は健在で、2018年も与四球率1.54をマーク。同年4月15日のアストロズ戦では、7回まで打者21人をパーフェクトに抑え、8回途中1安打1失点という快投を披露した。ダグアウトでガムのサンドウィッチを作ったり、時速101マイルのピッチャー返しをお腹で受け止めたりと、ファンを喜ばせるエンターテイナーぶりも健在だった。

     コローンによると、2014年から3年間在籍して合計44勝を挙げたメッツでプレーすることが第1希望だという。大きなヘルメットを被り、スイングの際にヘルメットを落として球場を沸かせ、2016年にはメジャー初本塁打を記録するなど、メッツ時代のコローンは実力の伴ったエンターテイナーとしてファンに愛される存在だった。

     なお、コローンは今季メキシカン・リーグでプレーする予定となっていた。しかし、「バットボーイとしてでもいいからメジャーリーグの一員でいたい」と語ったように、あくまでも目標はメジャーの舞台に戻ることである。

  • ボンズ父子は「30-30」を各5度達成 パワー&スピードの選手たち

    2020.5.18 14:10 Monday

     メジャーリーグでは打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」よりも30本塁打&30盗塁の「30-30」について語られることのほうが多い。1922年のケン・ウィリアムスから始まり、昨年のロナルド・アクーニャJr.とクリスチャン・イェリッチまで、「30-30」は過去に64度達成されており、そのうち「40-40」は4度。「50-50」を達成した選手はいない。ここでは本塁打と盗塁の2部門に着目し、パワーとスピードを兼ね備えた選手を振り返る。

     ミスター「30-30」と言うべき存在なのが、バリー・ボンズの父親として知られるボビー・ボンズだ。1969年に32本塁打&45盗塁で自身初の「30-30」を達成すると、1973年、1975年、1977年、1978年にも「30-30」を達成。メジャー最初の10度のうち、実に5度がボビー・ボンズによるものだった。1973年には39本塁打&43盗塁で「40-40」達成まであと一歩に迫り、キャリア通算では332本塁打&461盗塁を記録した。

     バリー・ボンズも父ボビーと同じく5度の「30-30」を達成しており、通算762本塁打&514盗塁をマーク。通算300本塁打&300盗塁の「300-300」を達成した選手はボンズ父子を含めて過去に8人いるが、両部門で400を超えているのはバリー・ボンズただ1人である。バリー・ボンズは1996年に史上2人目となる「40-40」を達成(初の達成者は1988年のホゼ・カンセコ)。1990年には史上2人しかいない「30-50」も達成している(もう1人は1987年のエリック・デービス)。

     「30-30」を複数回達成した選手は少なくなく、ボンズ父子の各5度を筆頭に、アルフォンゾ・ソリアーノが4度、ハワード・ジョンソンが3度、ウィリー・メイズ、ロン・ガント、サミー・ソーサ、ジェフ・バグウェル、ラウル・モンデシー、ブラディミール・ゲレーロ、ボビー・アブレイユ、イアン・キンズラー、ライアン・ブラウンが各2度を記録。ちなみに、マイク・トラウトは2012年に30本塁打&49盗塁で史上初のルーキーでの達成者となったが、まだ2度目を達成することはできていない。

     デービスとバリー・ボンズが「30-50」を達成している一方、「50-30」を達成した選手は過去に1人もいない。シーズン50本塁打以上での最多盗塁は2007年のアレックス・ロドリゲス(54本塁打)と1955年のメイズ(51本塁打)による24盗塁であり、シーズン30盗塁以上での最多本塁打は1997年のラリー・ウォーカー(33盗塁)による49本塁打となっている。ウォーカーは本塁打をあと1本打っていれば、史上唯一の「50-30」達成者となるところだった。

     また、本塁打王と盗塁王を同時に獲得した選手は、メジャーリーグの長い歴史のなかでわずか3人だけ。1903年のジミー・シェッカード(9本塁打&67盗塁)と1909年のタイ・カッブ(9本塁打&76盗塁)はベーブ・ルース登場によって本塁打が増加する以前の選手であり、1932年のチャック・クライン(38本塁打&20盗塁)が最後の達成者となっている。昨年37盗塁で盗塁王となったアクーニャJr.はリーグ5位タイの41本塁打を放っており、クライン以来の快挙達成を期待したいところだ。

     ブラウンとトラウトが「30-30」を達成した2012年以降、5年間にわたって「30-30」の達成者はいなかったが、2018年にホゼ・ラミレスとムーキー・ベッツ、昨年はアクーニャJr.とイェリッチが達成。フランシスコ・リンドーア、トレバー・ストーリーらも含め、パワーとスピードを兼ね備えた選手は再び増加傾向にあり、史上5人目の「40-40」や史上初の「50-50」が達成される日も、そう遠くはないのかもしれない。

  • 10年前のドラフトを「やり直し」 MLB公式サイトが特集

    2020.5.18 12:25 Monday

     2010年のドラフトはブライス・ハーパー、ジェイムソン・タイオン、マニー・マチャドの「ビッグ3」が注目を集めていた。そのドラフトから10年が経過し、「成功組」と「失敗組」がハッキリと分かれ始めている。メジャーリーグ公式サイトのジム・キャリスは、2010年のドラフトでプロ入りした選手を対象として、プロ入り後の活躍を踏まえ、2010年のドラフトを「やり直す」特集記事を公開した。

     2010年のドラフトでは、全体1位指名権を持っていたナショナルズが迷わずハーパーを指名し、全体2位のパイレーツはタイオン、全体3位のオリオールズはマチャドを獲得。タイオンは2度のトミー・ジョン手術を受けるなど故障に苦しんでいるが、ハーパーとマチャドは合計10度のオールスター・ゲーム選出を果たし、それぞれ総額3億ドル以上の大型契約を得たように球界を代表するスター選手となった。

     また、「ビッグ3」以外の選手のなかにも、クリスチャン・イェリッチ、クリス・セール、ジェイコブ・デグロム、アンドレルトン・シモンズ、J・T・リアルミュートなど優秀な選手は多数存在する。これらを踏まえ、キャリスが2010年のドラフトの1巡目指名を「やり直した」結果が以下の通りである。なお、18巡目でブルージェイズに指名されたクリス・ブライアントや31巡目でアスレチックスに指名されたアーロン・ジャッジといった、契約しなかった選手は対象外となっている。

    1位 ナショナルズ:クリスチャン・イェリッチ
    (実際は1巡目・全体23位でマーリンズが指名)
    (実際の指名選手:ブライス・ハーパー)

    2位 パイレーツ:クリス・セール
    (実際は1巡目・全体13位でホワイトソックスが指名)
    (実際の指名選手:ジェイムソン・タイオン)

    3位 オリオールズ:ジェイコブ・デグロム
    (実際は9巡目でメッツが指名)
    (実際の指名選手:マニー・マチャド)

    4位 ロイヤルズ:マニー・マチャド
    (実際は1巡目・全体3位でオリオールズが指名)
    (実際の指名選手:クリスチャン・コローン)

    5位 インディアンス:ブライス・ハーパー
    (実際は1巡目・全体1位でナショナルズが指名)
    (実際の指名選手:ドリュー・ポメランツ)

    6位 ダイヤモンドバックス:アンドレルトン・シモンズ
    (実際は2巡目でブレーブスが指名)
    (実際の指名選手:バレット・ルー)

    7位 メッツ:J・T・リアルミュート
    (実際は3巡目でマーリンズが指名)
    (実際の指名選手:マット・ハービー)

    8位 アストロズ:ケビン・キアマイアー
    (実際は31巡目でレイズが指名)
    (実際の指名選手:デライノ・デシールズ)

    9位 パドレス:ノア・シンダーガード
    (実際は1巡目・全体38位でブルージェイズが指名)
    (実際の指名選手:カーステン・ウィットソン)

    10位 アスレチックス・ウィット・メリフィールド
    (実際は9巡目でロイヤルズが指名)
    (実際の指名選手:マイケル・チョイス)

    11位 ブルージェイズ:アダム・イートン
    (実際は19巡目でダイヤモンドバックスが指名)
    (実際の指名選手:デック・マクガイア)

    12位 レッズ:ヤスマニ・グランダル
    (実際と同じ指名)
    (実際の指名選手:ヤスマニ・グランダル)

    13位 ホワイトソックス:ジェームス・パクストン
    (実際は4巡目でマリナーズが指名)
    (実際の指名選手:クリス・セール)

    14位 ブリュワーズ:ニコラス・カステヤーノス
    (実際は1巡目・全体44位でタイガースが指名)
    (実際の指名選手:ディラン・コビー)

    15位 レンジャーズ:エディ・ロサリオ
    (実際は4巡目でツインズが指名)
    (実際の指名選手:ジェイク・スコール)

    16位 カブス:ジョク・ピーダーソン
    (実際は11巡目でドジャースが指名)
    (実際の指名選手:ヘイデン・シンプソン)

    17位 レイズ:コリー・ディッカーソン
    (実際は8巡目でロッキーズが指名)
    (実際の指名選手:ホゼ・セール)

    18位 エンゼルス:コール・カルフーン
    (実際は8巡目でエンゼルスが指名)
    (実際の指名選手:ケイレブ・カワート)

    19位 アストロズ:マット・ハービー
    (実際は1巡目・全体7位でメッツが指名)
    (実際の指名選手:マイク・フォルティネビッチ)

    20位 レッドソックス:マーク・キャナ
    (実際は7巡目でマーリンズが指名)
    (実際の指名選手:コルブリン・ビテック)

    21位 ツインズ:ロビー・レイ
    (実際は12巡目でナショナルズが指名)
    (実際の指名選手:アレックス・ウィマーズ)

    22位 レンジャーズ:ドリュー・ポメランツ
    (実際は1巡目・全体5位でインディアンスが指名)
    (実際の指名選手:ケリン・デグラン)

    23位 マーリンズ:ジェイムソン・タイオン
    (実際は1巡目・全体2位でパイレーツが指名)
    (実際の指名選手:クリスチャン・イェリッチ)

    24位 ジャイアンツ:マイク・フォルティネビッチ
    (実際は1巡目・全体19位でアストロズが指名)
    (実際の指名選手:ゲーリー・ブラウン)

    25位 カージナルス:ブランドン・ワークマン
    (実際は2巡目でレッドソックスが指名)
    (実際の指名選手:ザック・コックス)

    26位 ロッキーズ:デライノ・デシールズ
    (実際は1巡目・全体8位でアストロズが指名)
    (実際の指名選手:カイル・パーカー)

    27位 フィリーズ:アレックス・クラウディオ
    (実際は27巡目でレンジャーズが指名)
    (実際の指名選手:ジェシー・ビドル)

    28位 ドジャース:ジェッド・ジョーコ
    (実際は2巡目でパドレスが指名)
    (実際の指名選手:ザック・リー)

    29位 エンゼルス:アーロン・サンチェス
    (実際は1巡目・全体34位でブルージェイズが指名)
    (実際の指名選手:キャム・ベドロージアン)

    30位 エンゼルス:エバン・ギャティス
    (実際は23巡目でブレーブスが指名)
    (実際の指名選手:シェビー・クラーク)

    31位 レイズ:ドリュー・スマイリー
    (実際は2巡目でタイガースが指名)
    (実際の指名選手:ジャスティン・オコナー)

    32位 ヤンキース:アダム・デュバル
    (実際は11巡目でジャイアンツが指名)
    (実際の指名選手:シト・カルバー)

  • 新型コロナウイルス感染のハウが退院 自宅療養へ

    2020.5.18 11:25 Monday

     2週間前に新型コロナウイルスの症状が発生し、集中治療室に入っていることが報じられていたアート・ハウ(アストロズ、アスレチックス、メッツの元監督)がヒューストンの病院から退院したことが明らかになった。今後は自宅療養を行う予定だ。メジャーリーグ公式サイトでアストロズの番記者を務めるブライアン・マクタガートが伝えている。

     現在73歳のハウは、5月3日に寒気や倦怠感といった初期症状を認識し、自宅で隔離生活を送っていたものの、症状は改善せず、救急車でヒューストンのメモリアル・ハーマン病院へ運ばれた。集中治療室に入っていることが報じられていたが、日本時間5月18日、集中治療室を出て、今後は自宅で2週間の隔離生活を送る予定であることをハウ自身が明らかにした。

     ハウは「この5日間くらいはとても長かったよ。ようやく少しずつ体調が良くなってきた。まだ味覚障害は残っていて、普段通りの食事をすることはできないけれど、自宅に戻れるのはありがたいことだ。このまま体調が良くなってくれることを願うよ」とコメント。「人によって症状が異なるし、それに対処していかなくてはならない。本当に未知のウイルスという感じだね」と新型コロナウイルスの恐ろしさについて語った。

     ハウによると、自宅療養の期間中は酸素のレベルを上げ、発熱のない状態を維持する必要があるという。「先週の火曜日に発熱したのが病院へ運ばれた理由なんだ。それまでは体温を維持できていたけれど、突然何も食べられなくなって、これはマズいと思った。そのあと一気に体調が悪化したような気がするよ」と自身の経験を振り返った。

     ハウは自身の感染経路をハッキリと認識していないという。しかし、「あなた方の仲間のことを考えてほしい。これはとても重要なことだ。今回のウイルスはクレイジーなんだ」と語り、すべての人々が今回のパンデミックについて真剣に考えるべきであるとメッセージを発信した。

     ハウはパイレーツ、アストロズ、カージナルスで合計11シーズンにわたって内野手としてプレーし、通算891試合に出場。1989年から5年間アストロズ、1996年から7年間アスレチックス、2003年から2年間メッツで監督を務め、通算1129勝1137敗(勝率.498)をマークした。

  • 各ポジションの通算最多打点記録保持者たち

    2020.5.17 14:35 Sunday

     日本時間5月17日、メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガンは、各ポジションの通算最多打点記録保持者を特集する記事を公開した。ここではその顔触れをチェックしてみよう。

     ハリガンの特集記事では、該当ポジションで通算出場試合数の3分の2以上に出場した選手が対象となっている。また、外野手はポジションにかからわず、通算出場試合数の3分の2以上に外野手として出場していれば対象となり、外野のなかで最も出場試合数が多いポジションに振り分けられている。よって、「そのポジションでの出場時に記録した打点数」ではないことにご注意いただきたい。

     各ポジションの通算最多打点記録保持者は以下の通り(打点が公式記録となった1920年以降が対象)。

    捕手
    ヨギ・ベラ 1430打点
    (現役最多:ヤディアー・モリーナ 916打点)

    一塁手
    アルバート・プーホルス 2075打点
    (現役最多:同上)

    二塁手
    ジェフ・ケント 1518打点
    (現役最多:ロビンソン・カノー 1272打点)

    三塁手
    エイドリアン・ベルトレイ 1707打点
    (現役最多:エバン・ロンゴリア 1015打点)

    遊撃手
    カル・リプケンJr. 1695打点
    (現役最多:エルビス・アンドルース 629打点)

    左翼手
    バリー・ボンズ 1996打点
    (現役最多:ライアン・ブラウン 1128打点)

    中堅手
    ウィリー・メイズ 1903打点
    (現役最多:マット・ケンプ 1010打点)

    右翼手
    ハンク・アーロン 2297打点
    (現役最多:ニック・マーケイキス 1031打点)

    指名打者
    デービッド・オルティス 1768打点
    (現役最多:大谷翔平 123打点)
    ※該当する現役選手は大谷とヨルダン・アルバレスのみ

    投手
    レッド・ラフィング 273打点
    (現役最多:アダム・ウェインライト 71打点)

     ちなみに、通算出場試合数の3分の2以上という条件にこだわらず、純粋に「そのポジションで出場したときに記録した打点数」を見た場合、最多記録保持者は以下のようになる(1920年以降が対象。リサーチにはBaseball-ReferenceのPlay Indexを使用しているため、1972年以前の数値には不完全な部分がある。カッコ内は現役最多)。

    捕手:イバン・ロドリゲス 1290打点(モリーナ 904打点)
    一塁手:ルー・ゲーリッグ 1800打点(プーホルス 1372打点)
    二塁手:ケント 1389打点(カノー 1235打点)
    三塁手:ベルトレイ 1594打点(ロンゴリア 960打点)
    遊撃手:リプケン 1328打点(アンドルース 613打点)
    左翼手:ボンズ 1892打点(ブラウン 834打点)
    中堅手:メイズ 1816打点(アダム・ジョーンズ 848打点)
    右翼手:アーロン 1532打点(マーケイキス 1002打点)
    指名打者:オルティス 1568打点(エドウィン・エンカーナシオン 530打点)
    投手:ラフィング 189打点(ウェインライト 68打点)

  • ごく短期間にトップクラスの輝きを放った「ガラスの右腕」

    2020.5.17 13:45 Sunday

     2000年以降、1試合18奪三振以上を記録した投手はわずか4人しかいない。2001年5月8日のランディ・ジョンソン(対レッズ、20奪三振)、2015年5月13日のコリー・クルーバー(対カージナルス、18奪三振)、2016年5月11日のマックス・シャーザー(対タイガース、20奪三振)の3人はいずれもサイ・ヤング賞の受賞経験があり、多くのメジャーリーグ・ファンに知られた存在だ。この3人と比べると、残りの1人はあまり知られていない存在と言えるかもしれない。

     その男の名はベン・シーツ。2004年5月16日、当時ブリュワーズに在籍していたシーツはブレーブス打線から18個の三振を奪い、3安打1失点で完投勝利をマークした。最後の9個のアウトのうち、実に8個が三振。最後は5連続三振で試合を締めくくった。

     1999年のドラフト全体10位指名でブリュワーズに入団したシーツの知名度が急上昇したのは、2000年のシドニー五輪がきっかけだった。キューバとの決勝戦で3安打完封をマークし、アメリカの金メダル獲得の立役者となったのだ。しかし、メジャーデビューからの3年間(2001~2003年)はいずれも11勝をマークしたとはいえ防御率4点台。それほど目立つ存在ではなかった。

     ところが、メジャー4年目の2004年は、4月10日のアストロズ戦で自身初の2ケタ奪三振をマークすると、5月16日には前述の1試合18奪三振を記録。6月13日のアストロズ戦では「イマキュレイト・イニング」(1イニングで三者連続3球三振)を達成した。最終的には34先発(5完投)で237イニングを投げ、12勝14敗、防御率2.70、264奪三振をマーク。地区最下位というチーム状況もあり、勝ち星は伸びなかったが、K/BBは8.25(1900年以降で当時歴代6位)という高水準であり、現在の評価基準であればサイ・ヤング賞の有力候補となってもおかしくなかった(実際の投票ではわずか1ポイントで8位タイ)。

     キャリアハイのシーズンを過ごしたシーツは、翌年4月に4年3850万ドルでブリュワーズとの契約を延長。当時の球団史上最高額の契約だった。しかし、2005年から4年連続で3点台の防御率をマークし、2ケタ勝利も3度記録したものの、相次ぐ故障により規定投球回到達は1度だけ。2008年に198.1イニングを投げて3完封を含む13勝9敗、防御率3.09、158奪三振をマークしたのが最後の輝きとなった。

     ただし、その2008年も故障によりポストシーズンでは登板できず、2009年は全休となった。2010年はアスレチックスで4勝9敗、防御率4.53に終わり、2011年はトミー・ジョン手術により再び全休。ブレーブスでプレーした2012年は9先発にとどまり、この年限りでユニフォームを脱いだ。

     メジャー10年間での通算成績は94勝96敗、防御率3.78、1325奪三振。2004年に放った輝きは間違いなくトップクラスだっただけに、2005年以降の相次ぐ故障が惜しまれる。余談だが、「ガラスのエース」だったシーツは、広島や阪神で活躍したアンディ・シーツのいとこである。

  • 元アスレチックス監督のハウ 新型コロナ感染で集中治療室へ

    2020.5.17 12:45 Sunday

     メジャーリーグ公式サイトのマニー・ランダワは、アストロズ、アスレチックス、メッツの3球団で監督を務め、1976年から1982年までアストロズで内野手としてプレーしたアート・ハウが新型コロナウイルスに感染して集中治療室に入っていることを伝えた。ハウがヒューストンの「KPRC-TV」に語ったところによると、5月3日に初期症状を認識し、その後の数日間、症状が改善せず、救急車で病院へ運ばれたという。

     ハウは「寒気がして、葉っぱが震えるような感じで身体全体が震えていたんだ。検査を受けて陽性反応が出て、その翌日には自宅で隔離された。その後も同じように寒気が続いて、味覚を失って、全身のだるさを感じていた」とこれまでの過程を説明。その一方で「人生で一度も経験したことがないことだったよ。でも、今は少し良くなってきたと思っている」と徐々に快方へ向かっていることを明らかにした。

     ハウは現在73歳。1974年にパイレーツでメジャーデビューし、アストロズでプレーした1976年からの7年間のうち、1977~1982年の6年間は毎年100試合以上に出場した。現役最後の2年間はカージナルスでプレーし、1985年限りで引退。その後、1989年から1993年までアストロズの監督を務めて392勝418敗(勝率.484)、1996年から2002年までアスレチックスの監督を務めて600勝533敗(勝率.530)を記録し、2000年と2002年にはアメリカン・リーグ西部地区で地区優勝を果たした。

     特に、2000年からの3年間は296勝189敗(勝率.610)という強さを発揮し、3年連続でポストシーズンに出場(2001年はワイルドカード)。その実績を評価され、2003年から2004年までメッツでも監督を務めた(137勝186敗、勝率.424)。

     アストロズは「アストロズ・ファミリーは、元選手かつ元監督のアート・ハウのスピーディな回復を祈っています」、アスレチックスは「元監督のアート・ハウにポジティブな気持ちを送ります」と球団公式Twitterで発信し、新型コロナウイルスと戦うハウへエールを送った。

  • 最強チーム決定戦第2弾の開催が決定 64チームが頂点を目指す

    2020.5.16 15:55 Saturday

     シミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット」の第2弾の開催が決定した。全30球団の「オールタイム・チーム」にニグロリーグ選抜と現役U-25選抜を加えた32チームで競われた第1弾では、メジャー最多の世界一27度を誇るヤンキースが優勝。第2弾では、1998年のヤンキースや2001年のマリナーズのように単年シーズンの単独チームによって「最強チーム」を決める戦いが行われる。

     今大会では、第1弾と同様にシミュレーション・ソフト「Out of the Park Baseball 21」を使用。全30球団から2年ずつ、合計60チームが選出され、そこに1994年のモントリオール・エクスポズとニグロリーグの3チーム(1931年のホームステッド・グレイズ、1935年のピッツバーグ・クロフォーズ、1942年のカンザスシティ・モナクス)を加えた合計64チームが頂点を目指す。

     なお、ニグロリーグの3チームを除くチームは第二次世界大戦後から選出。また、同一チームから近い年代を2つ選出するのは避けられており、たとえば1954年、2010年、2012年、2014年に世界一となったジャイアンツからは、1954年と2012年が選ばれた。

     参加する全64チームのなかには、ワールド・チャンピオンが34チームもあり、レギュラーシーズン100勝以上も18チーム。各チームのロースターには、その年のMVPが23人、サイ・ヤング賞が14人、最優秀監督賞が17人、殿堂入り選手が92人含まれている。

     第1弾で優勝したヤンキースからは、ともに世界一となった1961年と1998年が登場。ただし、1970年のオリオールズ(108勝)や1995年のインディアンス(144試合で100勝)といった強敵もおり、勝ち上がるのは容易ではない。また、メジャー歴代最多タイの116勝をマークした2001年のマリナーズにも注目だ。

     ナ・リーグに目を向けると、1975年レッズの「ビッグ・レッド・マシン」が、最強二枚看板を擁する2001年ダイヤモンドバックスと対戦する可能性がある。「ビリー・ゴートの呪い」を打ち破った2016年のカブス、「ベイビー・シャーク」のリズムに乗って世界一となった2019年のナショナルズなど、近年のワールド・チャンピオンも参戦する。

     今大会の開催期間は5月21日から6月9日まで(現地時間)。参加する全64チームのロースターはこちら(https://www.mlb.com/news/mlb-dream-bracket-2-rosters)で確認できるので、事前にチェックしておくと、今大会をより楽しめるはずだ。

  • MVPを受賞できなかった名選手 ジーター、グウィンらが選出

    2020.5.16 12:50 Saturday

     MVPやサイ・ヤング賞を受賞するためには、選手自身の活躍はもちろん、タイミングも非常に重要となる。過去の名選手のなかには、アウォード受賞に相応しい活躍を見せながらも、最後までアウォードと縁のなかった選手も存在する。メジャーリーグ公式サイトのアンソニー・カストロビンスは、過去のスター野手のなかからMVPを受賞できなかった名選手を15人ピックアップし、紹介している。

     1位に選ばれたのは、ヤンキースのスター遊撃手として長年にわたって活躍したデレク・ジーターだ。5度のワールドシリーズ制覇を経験し、オールスター・ゲームMVPとワールドシリーズMVP(ともに2000年)を受賞しているジーターだが、レギュラーシーズンMVPとは最後まで縁がなかった。MVP投票では、3位以内に3度(1998年、2006年、2009年)ランクイン。最も惜しかったのが2006年で、ジャスティン・モーノーに14ポイント差の2位に終わった。

     2位はジャイアンツ一筋22年のキャリアで通算511本塁打を放ったメル・オット。オットが活躍した時代には、まだサイ・ヤング賞がなく、カストロビンスは「サイ・ヤング賞が当時存在していれば、オットはMVPを受賞できていたかもしれない」と述べている。

     3位は2度の本塁打王を含む通算512本塁打を放ったエディ・マシューズ。2度の本塁打王のシーズンにそれぞれMVP投票2位となっているが、1953年はロイ・キャンパネラ、1959年はアーニー・バンクスに敗れ、受賞はならなかった。

     4位のアル・ケーライン、5位のトニー・グウィン、6位のウェイド・ボッグス、7位のエディ・マレーはいずれも通算3000安打以上。8位のロベルト・アロマー、9位のジョニー・マイズ、10位のマイク・ピアッツァ、11位のオジー・スミスもアメリカ野球殿堂入りを果たしている名選手だ。

     12位から15位には、近年までプレーしていた選手が並んでおり、マニー・ラミレスが12位、エイドリアン・ベルトレイが13位、デービッド・オルティスが14位、ジム・トーメイが15位にランクイン。その他、トップ15圏外の選手としては、エドガー・マルティネス、マーク・マグワイア、デーブ・ウィンフィールドらの名前が挙げられている。

  • 球団史上最高の右翼手は誰だ!? MLB公式サイトの番記者が選出

    2020.5.15 17:20 Friday

     メジャーリーグ公式サイトでは、レギュラーシーズンの開幕延期によって試合がない期間を利用し、各球団の「オールタイム・チーム」を決定する企画を実施している。捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、左翼手、中堅手に続く第8弾として、各球団の番記者が球団史上最高の右翼手を決定するファン投票をTwitterで実施中(それぞれの番記者のツイートから投票可能)。ファン投票の結果とは別に、それぞれの番記者が球団の歴代右翼手のなかからトップ5を選出して紹介している。

    アメリカン・リーグ東部地区

    オリオールズ
    【1位】フランク・ロビンソン(1966-71)
    移籍1年目の1966年に打率.316、49本塁打、122打点で三冠王。レギュラーシーズンとワールドシリーズの両方でMVP。
    【2位】ケン・シングルトン(1975-84)
    【3位】ニック・マーケイキス(2006-14)
    【4位】マーブ・レッテンマンド(1968-73)
    【5位】レジー・ジャクソン(1976)

    レッドソックス
    【1位】ドワイト・エバンス(1972-90)
    ゴールドグラブ賞8度は球団歴代最多。ストライキによる短縮シーズンの1981年は22本塁打で本塁打王(4人がタイ)。
    【2位】ムーキー・ベッツ(2014-19)
    【3位】ジャッキー・ジェンセン(1954-59,61)
    【4位】トロット・ニクソン(1998-2007)
    【5位】トニー・コニグリアロ(1964-67,69-70,75)

    ヤンキース
    【1位】ベーブ・ルース(1920-34)
    1927年の60本塁打を筆頭に在籍15年間で10度の本塁打王。7度のワールドシリーズで15本塁打を放ち、4度の世界一。
    【2位】ポール・オニール(1993-2001)
    【3位】デーブ・ウィンフィールド(1981-90)
    【4位】ロジャー・マリス(1960-66)
    【5位】レジー・ジャクソン(1977-81)

    レイズ
    【1位】スティーブン・スーザJr.(2015-17)
    2017年に右翼手としては球団歴代2位となる30本塁打を記録(1位は2019年オースティン・メドウズの33本塁打)。
    【2位】マット・ジョイス(2009-14)
    【3位】オースティン・メドウズ(2018-現在)
    【4位】ベン・グリーブ(2001-03)
    【5位】ウィル・マイヤーズ(2013-14)

    ブルージェイズ
    【1位】ホゼ・バティースタ(2008-17)
    在籍10年間で記録した288本塁打は球団歴代2位、766打点は同3位、OPS.878は同4位の数字。2度の本塁打王。
    【2位】ジェシー・バーフィールド(1981-89)
    【3位】ジョー・カーター(1991-97)
    【4位】ショーン・グリーン(1993-99)
    【5位】アレックス・リオス(2004-09)

    アメリカン・リーグ中部地区

    ホワイトソックス
    【1位】マグリオ・オルドニェス(1997-2004)
    在籍8年間で打率.307、OPS.889の好成績をマーク。1999年から4年連続で「打率3割・30本塁打・100打点」を達成。
    【2位】ジャーメイン・ダイ(2005-09)
    【3位】フロイド・ロビンソン(1960-66)
    【4位】アレックス・リオス(2009-13)
    【5位】アビサイル・ガルシア(2013-18)

    インディアンス
    【1位】マニー・ラミレス(1993-2000)
    長打率.592は球団歴代1位の数字。長打率とOPSは1999年から2年連続リーグ1位で、1999年には147試合で165打点。
    【2位】シューレス・ジョー・ジャクソン(1910-15)
    【3位】エルマー・フリック(1902-10)
    【4位】ロッキー・コラビト(1955-59,65-67)
    【5位】秋信守(2006-12)

    タイガース
    【1位】アル・ケーライン(1953-74)
    1955年に打率.340で歴代最年少首位打者。オールスター・ゲーム選出18度、ゴールドグラブ賞10度、通算3007安打。
    【2位】ハリー・ハイルマン(1914,16-29)
    【3位】サム・クロフォード(1903-17)
    【4位】カーク・ギブソン(1979-87,93-95)
    【5位】ジム・ノースラップ(1964-74)

    ロイヤルズ
    【1位】ダニー・タータブル(1987-91)
    移籍1年目の1987年に自己最多の34本塁打。1991年には打率.316、31本塁打、OPS.990の好成績でオールスター・ゲーム選出。
    【2位】ジャーメイン・ダイ(1997-2001)
    【3位】アル・コーウェンズ(1974-79)
    【4位】ジム・アイゼンライク(1987-92)
    【5位】ジェフ・フランクーア(2011-13)

    ツインズ
    【1位】トニー・オリーバ(1962-76)
    1964年に史上初のルーキー首位打者となり、これを含めて首位打者3度。この年を含め、リーグ最多安打も5度記録。
    【2位】ボブ・アリソン(1958-70)
    【3位】マイケル・カダイアー(2001-11)
    【4位】トム・ブラナンスキー(1982-88)
    【5位】マックス・ケプラー(2015-現在)

    アメリカン・リーグ西部地区

    アストロズ
    【1位】ジョージ・スプリンガー(2014-現在)
    160本塁打とOPS.849はキャリアの大部分を右翼手としてプレーした選手としては球団歴代1位の数字。
    【2位】テリー・プール(1977-90)
    【3位】リチャード・ヒダルゴ(1997-2004)
    【4位】ハンター・ペンス(2007-11)
    【5位】ケビン・バス(1982-89,93-94)

    エンゼルス
    【1位】ティム・サーモン(1992-2006)
    1993年に31本塁打を放ち、満票で新人王を受賞。この年を含め、シーズン30本塁打以上5度、通算299本塁打を記録。
    【2位】ブラディミール・ゲレーロ(2004-09)
    【3位】コール・カルフーン(2012-19)
    【4位】レジー・ジャクソン(1982-86)
    【5位】ボビー・ボンズ(1976-77)

    アスレチックス
    【1位】レジー・ジャクソン(1967-75,87)
    本塁打と打点の二冠に輝いた1973年にMVPを受賞。1975年にも本塁打王。269本塁打は球団歴代3位の数字。
    【2位】ホゼ・カンセコ(1985-92,97)
    【3位】ビング・ミラー(1922-26,28-34)
    【4位】エルマー・バロ(1940-43,46-56)
    【5位】トニー・アーマス(1977-82)

    マリナーズ
    【1位】イチロー(2001-12,18-19)
    2001年にMVPと新人王をダブル受賞。この年から10年連続で打率3割、200安打、オールスター・ゲーム選出、ゴールドグラブ賞。
    【2位】ジェイ・ビューナー(1988-2001)
    【3位】ミッチ・ハニガー(2017-現在)
    【4位】レオン・ロバーツ(1978-80)
    【5位】ホゼ・ギーエン(2007)

    レンジャーズ
    【1位】フアン・ゴンザレス(1989-99,2002-03)
    1996年と1998年にMVPを受賞。本塁打王2度、打点王1度。372本塁打と1180打点は球団歴代1位の数字。
    【2位】ルーベン・シエラ(1986-92,2000-01,03)
    【3位】ネルソン・クルーズ(2006-13)
    【4位】ジェフ・バローズ(1972-76)
    【5位】秋信守(2014-現在)

    ナショナル・リーグ東部地区

    ブレーブス
    【1位】ハンク・アーロン(1954-74)
    右翼手としてスタメン出場2134試合は球団歴代ダントツ。在籍21年間で3600安打、733本塁打、2202打点を記録。
    【2位】デービッド・ジャスティス(1989-96)
    【3位】ジェイソン・ヘイワード(2010-14)
    【4位】ゲーリー・シェフィールド(2002-03)
    【5位】トミー・ホームズ(1942-51)

    マーリンズ
    【1位】ジャンカルロ・スタントン(2010-17)
    球団記録の59本塁打、132打点をマークした2017年に本塁打、打点の二冠を獲得し、MVPを受賞。在籍8年間で267本塁打。
    【2位】ゲーリー・シェフィールド(1993-98)
    【3位】マーク・コッツェイ(1997-2000)
    【4位】フアン・エンカーナシオン(2002-05)
    【5位】ジェレミー・ハーミッダ(2005-09)

    メッツ
    【1位】ダリル・ストロベリー(1983-90)
    252本塁打は球団歴代1位の数字。1983年に新人王、1988年に本塁打王、1984年から7年連続オールスター・ゲーム選出。
    【2位】マイケル・コンフォート(2015-現在)
    【3位】ラスティ・スタウブ(1972-75,81-85)
    【4位】ロン・スワボダ(1965-70)
    【5位】カーティス・グランダーソン(2014-17)

    フィリーズ
    【1位】ボビー・アブレイユ(1998-2006)
    在籍9年間で打率.303、195本塁打、254盗塁、出塁率.416、OPS.928を記録。1999年から7年連続で「20-20」以上を達成。
    【2位】ジョニー・キャリソン(1960-69)
    【3位】チャック・クライン(1928-33,36-39,40-44)
    【4位】ギャビー・クラバス(1912-20)
    【5位】ジェイソン・ワース(2007-10)

    ナショナルズ
    【1位】ブラディミール・ゲレーロ(1996-2003)
    1999年からの4年間でオールスター・ゲーム選出4度、シルバースラッガー賞3度。2002年には39本塁打、40盗塁を記録。
    【2位】ブライス・ハーパー(2012-18)
    【3位】ラリー・ウォーカー(1989-94)
    【4位】ラスティ・スタウブ(1969-71)
    【5位】ジェイソン・ワース(2011-17)

    ナショナル・リーグ中部地区

    カブス
    【1位】サミー・ソーサ(1992-2004)
    3度のシーズン60本塁打以上はメジャー史上唯一。本塁打王2度、打点王2度。1998年に自己最多の66本塁打でMVPを受賞。
    【2位】アンドレ・ドーソン(1987-92)
    【3位】ビル・ニコルソン(1939-48)
    【4位】カイカイ・カイラー(1928-35)
    【5位】フランク・シュルト(1904-16)

    レッズ
    【1位】フランク・ロビンソン(1956-65)
    1956年に38本塁打で新人王。打率.323、37本塁打、124打点、22盗塁、OPS1.015をマークした1961年にはMVPを受賞。
    【2位】ケン・グリフィー(1973-81,88-90)
    【3位】ジェイ・ブルース(2008-16)
    【4位】ウォーリー・ポスト(1949-57,60-63)
    【5位】デーブ・パーカー(1983-87)

    ブリュワーズ
    【1位】クリスチャン・イェリッチ(2018-現在)
    2018年に打率.326、36本塁打、110打点、22盗塁、OPS1.000でMVPを受賞。打率、長打率、OPSは同年から2年連続リーグ1位。
    【2位】シクスト・レスカーノ(1974-80)
    【3位】ジェロミー・バーニッツ(1996-2001)
    【4位】コリー・ハート(2004-12)
    【5位】ロブ・ディアー(1986-90)

    パイレーツ
    【1位】ロベルト・クレメンテ(1955-72)
    1961年から12年連続ゴールドグラブ賞。首位打者4度、通算3000安打。「ロベルト・クレメンテ賞」にその名を残すレジェンド。
    【2位】ポール・ウェイナー(1926-40)
    【3位】デーブ・パーカー(1973-83)
    【4位】カイカイ・カイラー(1921-27)
    【5位】パッシー・ドノバン(1892-99)

    カージナルス
    【1位】スタン・ミュージアル(1941-63)
    3026試合出場、3630安打、1949得点、725二塁打、177三塁打、475本塁打、1950打点、6134塁打、1605四球はいずれも球団記録。
    【2位】イノス・スローター(1938-53)
    【3位】ブライアン・ジョーダン(1992-98)
    【4位】ジョージ・ヘンドリック(1978-84)
    【5位】J・D・ドリュー(1998-2003)

    ナショナル・リーグ西部地区

    ダイヤモンドバックス
    【1位】ジャスティン・アップトン(2007-12)
    2005年ドラフトの全体1位指名で入団。2011年には打率.289、31本塁打、21盗塁、OPS.898でMVP投票4位にランクイン。
    【2位】ヘラルド・パーラ(2009-14)
    【3位】レジー・サンダース(2001)
    【4位】J・D・マルティネス(2017)
    【5位】ダニー・バウティスタ(2000-04)

    ロッキーズ
    【1位】ラリー・ウォーカー(1995-2004)
    首位打者3度。1997年に打率.366、49本塁打、33盗塁、OPS1.172でカナダ人初のMVP。2020年にカナダ人野手初の殿堂入り。
    【2位】カルロス・ゴンザレス(2009-18)
    【3位】ブラッド・ホープ(2004-10)
    【4位】マイケル・カダイアー(2012-14)
    【5位】ライアン・スピルボーグス(2005-11)

    ドジャース
    【1位】ディキシー・ウォーカー(1939-47)
    1940年からの8シーズンで7度の打率3割を記録。1944年に打率.357で首位打者、1945年に124打点で打点王のタイトルを獲得。
    【2位】ベーブ・ハーマン(1926-31,45)
    【3位】レジー・スミス(1976-81)
    【4位】カール・フリーロ(1946-60)
    【5位】ショーン・グリーン(2000-04)

    パドレス
    【1位】トニー・グウィン(1982-2001)
    20年間のキャリアを前後10年ずつに分けても、WAR、安打、得点、塁打、二塁打の各部門で球団歴代1位と2位を独占する。
    【2位】デーブ・ウィンフィールド(1973-80)
    【3位】ブライアン・ジャイルズ(2003-09)
    【4位】ウィル・ベナブル(2008-15)
    【5位】オリー・ブラウン(1969-72)

    ジャイアンツ
    【1位】メル・オット(1926-47)
    22年間のキャリアで2876安打、打率.304、511本塁打、1860打点、OPS.947を記録。本塁打王6度、1934年には打点王も獲得。
    【2位】マイク・ティアナン(1887-99)
    【3位】ボビー・ボンズ(1968-74)
    【4位】ロス・ヤングス(1917-26)
    【5位】ジャック・クラーク(1975-84)

  • モリーナ「史上最高の捕手として覚えておいてもらいたい」

    2020.5.15 13:40 Friday

     2020年がメジャーリーガーとして最後のシーズンとなるはずだったヤディアー・モリーナ(カージナルス)だが、新型コロナウイルスの影響により、来季以降も現役を続行する意向を固めている。日本時間5月15日、ESPNのマーリー・リベラはモリーナのインタビュー記事を公開。モリーナは自身のキャリアや将来のアメリカ野球殿堂入りの可能性について語っている。

     2020年シーズンが開催されるかどうかを尋ねられたモリーナは「そう信じている。シーズンが開催されるだろうと楽観的に考えているし、それが早く実現するように神に願っているよ」と回答。ただし、従業員やファンを含むすべての人々の健康と安全が第一であることを強調した。

     以前は2020年シーズン限りで現役を引退する意向を示していたが、新型コロナウイルスの影響により、今シーズンが通常より少ない試合数で開催されることが決定的となり、「今回のパンデミックによりすべてが変わった。やり残したことがあるように感じると思う」と引退の意思を撤回。カージナルスとの再契約を最優先としつつも、「彼らが契約してくれなければ、フリーエージェントになるつもりだ」と他球団でのプレーも視野に入れている。

     カージナルスとの契約延長交渉は、新型コロナウイルスの影響によってストップしている球界が再び動き始めてから再開する予定であり、モリーナは「カージナルスと代理人のメルビン・ロマンが合意に達すると確信している」とコメント。モリーナは2022年までの現役続行を希望しているが、この発言から判断する限り、残りのキャリアもカージナルスで過ごす可能性が高そうだ。

     また、2010年のオールスター・ゲームの際に、殿堂入り選手のデーブ・ウィンフィールドが「モリーナが9番を打っているのは『イージーアウト』だからだ。(オールスターの打線のなかで)『イージーアウト』はモリーナしかいない」と発言したことがモチベーションとなっていたことも明らかにした。「確かに以前は守備的な捕手だった。でも今では、攻守両面で貢献できる選手だと思っている」とモリーナ。ウィンフィールドはその後のモリーナの活躍を見て、今日に至るまで謝罪を続けているという。

     また、将来の殿堂入りについては「自分のことを史上最高の捕手の1人だと思っている。それは数字にも表れている」と自信を見せ、残りのキャリアで成し遂げたいこととして「カージナルスで勝ち続けることだ。今年と次の2年、合計3年のなかで僕が目指すのは優勝だけだよ。他のことは考えていない」と断言。最後に、100年後にどのように覚えておいてもらいたいかを尋ねられ、「史上最高の捕手として、だね」と誇らしげに語った。

  • 各球団最高のデビューシーズン 2001年イチローも選出

    2020.5.15 12:50 Friday

     ルーキーがメジャーデビューしたシーズンで活躍したり、トレードやフリーエージェントで獲得したばかりの選手が新天地ですぐに活躍したりするのを見るのは、野球ファンにとって非常に楽しいことである。メジャーリーグ公式サイトでは、各球団の番記者が担当チームにおける「最高のデビューシーズン」を選出。ルーキーのみならず、トレードやフリーエージェントで移籍してきた選手も含め、その球団で過ごす1年目のシーズンが対象となっている。

     マリナーズ担当のグレッグ・ジョンズ記者は、2001年のイチローを選出。27歳でメジャーリーグに挑戦したイチローは、首位打者と盗塁王のタイトルを獲得しただけでなく、同一シーズンにオールスター・ゲーム先発出場、シルバースラッガー賞、ゴールドグラブ賞、新人王、MVPの5つを手にしたのは史上初の快挙だった(MVPと新人王の同時受賞は史上2人目)。ジョンズは「イチローがメジャーリーグでの最初のシーズンに成し遂げたことを超えるのは難しい」と述べている。

     現役選手では、ブルージェイズでジョシュ・ドナルドソン(現ツインズ)、インディアンスでアンドリュー・ミラー(現カージナルス)、ホワイトソックスでホゼ・アブレイユ、ナショナルズでブライス・ハーパー(現フィリーズ)、カージナルスでアルバート・プーホルス(現エンゼルス)、ロッキーズでトレバー・ストーリーが選出されている。30人の番記者が選んだ選手とその成績は以下の通り。

    アメリカン・リーグ東部地区

    オリオールズ:フランク・ロビンソン(1966年)
    155試合 打率.316 49本塁打 122打点 8盗塁 OPS1.047
    レッズからトレードで加入し、三冠王でMVP。ドジャースをスイープしたワールドシリーズでもMVPに輝いた。

    レッドソックス:テッド・ウィリアムス(1939年)
    149試合 打率.327 31本塁打 145打点 2盗塁 OPS1.045
    ルーキーらしからぬ猛打で打点王となり、MVP投票4位。64三振に対して107四球を選んだ(出塁率.436)。

    ヤンキース:ベーブ・ルース(1920年)
    142試合 打率.376 54本塁打 135打点 14盗塁 OPS1.379
    レッドソックスからの移籍を機に打者に専念し、本塁打と打点の二冠王。ルースの本塁打数を上回ったチームはフィリーズだけだった。

    レイズ:カルロス・ペーニャ(2007年)
    148試合 打率.282 46本塁打 121打点 1盗塁 OPS1.037
    伸び悩んでいた元有望株がデビルレイズ移籍を機に開花。本塁打や打点などの各部門で球団シーズン記録を塗り替えた。

    ブルージェイズ:ジョシュ・ドナルドソン(2015年)
    158試合 打率.297 41本塁打 123打点 6盗塁 OPS.939
    アスレチックスからトレードで加入し、打点王でMVP。22年ぶりのポストシーズン進出の立役者となった。

    アメリカン・リーグ中部地区

    ホワイトソックス:ホゼ・アブレイユ(2014年)
    145試合 打率.317 36本塁打 107打点 3盗塁 OPS.964
    キューバから加入し、満票で新人王を受賞。6年6800万ドルという球団史上最高額(当時)の大型契約に応える活躍を見せた。

    インディアンス:アンドリュー・ミラー(2016年)
    26試合 4勝0敗3セーブ 防御率1.55 29.0回 46三振 2四球
    シーズン途中にヤンキースからトレードで加入し、圧巻のピッチングを披露。リーグ優勝決定シリーズではMVPとなった。

    タイガース:マーク・フィドリッチ(1976年)
    31試合 19勝9敗0セーブ 防御率2.34 250.1回 97三振 53四球
    29先発で24完投を記録し、最優秀防御率のタイトルを獲得。新人王となり、オールスター・ゲームでも先発した。

    ロイヤルズ:ダニー・タータブル(1987年)
    158試合 打率.309 34本塁打 101打点 9盗塁 OPS.931
    マリナーズからトレードで加入し、当時の球団記録に迫る34本塁打を記録。3番打者として見事な活躍を見せた。

    ツインズ:トニー・オリーバ(1964年)
    161試合 打率.323 32本塁打 94打点 12盗塁 OPS.916
    史上初の新人首位打者となり、新人王を受賞。ただし、1962年に9試合、1963年にも7試合に出場しており、厳密にはメジャー3年目。

    アメリカン・リーグ西部地区

    アストロズ:ロジャー・クレメンス(2004年)
    33試合 18勝4敗0セーブ 防御率2.98 214.1回 218三振 79四球
    41歳のシーズンながら自身7度目のサイ・ヤング賞を受賞。両リーグでの受賞は史上4人目の快挙となった。

    エンゼルス:ブラディミール・ゲレーロ(2004年)
    156試合 打率.337 39本塁打 126打点 15盗塁 OPS.989
    エクスポズからの移籍1年目でMVPを受賞する大活躍。2018年新人王の大谷翔平もゲレーロには及ばなかった。

    アスレチックス:フランク・トーマス(2006年)
    137試合 打率.270 39本塁打 114打点 0盗塁 OPS.926
    終わった選手と思われていた元MVPが新天地で大暴れ。カムバック賞を受賞し、MVP投票でも4位にランクインした。

    マリナーズ:イチロー(2001年)
    157試合 打率.350 8本塁打 69打点 56盗塁 OPS.838
    不動のリードオフマンとして史上最多タイの116勝をマークしたマリナーズを牽引。MVPと新人王をダブル受賞した。

    レンジャーズ:ジョシュ・ハミルトン(2008年)
    156試合 打率.304 32本塁打 130打点 9盗塁 OPS.901
    レッズからトレードで加入し、打点王のタイトルを獲得。ホームラン・ダービー1回戦では28本ものアーチを架けた。

    ナショナル・リーグ東部地区

    ブレーブス:ロジャース・ホーンスビー(1928年)
    140試合 打率.387 21本塁打 94打点 5盗塁 OPS1.130
    在籍期間は1年だけだが、そのインパクトは強烈。打率.387、出塁率.498、長打率.632はいずれもリーグ1位だった。

    マーリンズ:イバン・ロドリゲス(2003年)
    144試合 打率.297 16本塁打 85打点 10盗塁 OPS.843
    正捕手として圧倒的な存在感を発揮し、チームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献。リーグ優勝決定シリーズではMVPに輝いた。

    メッツ:ドワイト・グッデン(1984年)
    31試合 17勝9敗0セーブ 防御率2.60 218.0回 276三振 73四球
    19歳の新人が奪三振王となり、新人王を受賞。新人記録の53本塁打を放った昨年のピート・アロンゾもグッデンには及ばない。

    フィリーズ:ロイ・ハラデイ(2010年)
    33試合 21勝10敗0セーブ 防御率2.44 250.2回 219三振 30四球
    ブルージェイズからトレードで加入し、最多勝でサイ・ヤング賞。レギュラーシーズンで完全試合、地区シリーズでノーヒッターを達成。

    ナショナルズ:ブライス・ハーパー(2012年)
    139試合 打率.270 22本塁打 59打点 18盗塁 OPS.817
    19歳でメジャーデビューし、オールスター・ゲーム選出。新人王を受賞し、MVP投票でも2ポイント(30位タイ)を獲得した。

    ナショナル・リーグ中部地区

    カブス:エド・ロイルバック(1905年)
    34試合 18勝14敗1セーブ 防御率1.42 291.2回 152三振 73四球
    防御率1.42は規定投球回以上の新人投手ではベストの数字(1900年以降)。29先発で28完投をマークした。

    レッズ:フランク・ロビンソン(1956年)
    152試合 打率.290 38本塁打 83打点 8盗塁 OPS.936
    20歳でメジャーデビューし、38本塁打を放って満票で新人王を受賞。今回の企画で2球団からの選出はロビンソンだけ。

    ブリュワーズ:ロリー・フィンガース(1981年)
    47試合 6勝3敗28セーブ 防御率1.04 78.0回 61三振 13四球
    カージナルスからトレードで加入。両リーグ最多の28セーブを挙げ、MVPとサイ・ヤング賞をダブル受賞した。

    パイレーツ:ホーナス・ワグナー(1900年)
    135試合 打率.381 4本塁打 100打点 38盗塁 OPS1.007
    打率.381、45二塁打、22三塁打、長打率.573、OPS1.007はいずれも両リーグ1位。この年は遊撃ではなく外野を守っていた。

    カージナルス:アルバート・プーホルス(2001年)
    161試合 打率.329 37本塁打 130打点 1盗塁 OPS1.013
    一塁、三塁、左翼、右翼と4つのポジションを守りながら新人離れした強打を発揮。満票で新人王に選出された。

    ナショナル・リーグ西部地区

    ダイヤモンドバックス:ランディ・ジョンソン(1999年)
    35試合 17勝9敗0セーブ 防御率2.48 271.2回 364三振 70四球
    防御率と奪三振の二冠に輝き、自身2度目のサイ・ヤング賞。チームを創設2年目でのポストシーズン進出に導いた。

    ロッキーズ:トレバー・ストーリー(2016年)
    97試合 打率.272 27本塁打 72打点 8盗塁 OPS.909
    開幕戦でのザック・グレインキーからの2発を含め、最初の6試合で7本塁打。「鮮烈デビュー」という点で最高峰の選手と言える。

    ドジャース:ジャッキー・ロビンソン(1947年)
    151試合 打率.297 12本塁打 48打点 29盗塁 OPS.810
    盗塁王のタイトルを獲得し、新人王を受賞。しかし、初の黒人メジャーリーガーとしての功績の大きさは数字だけでは計れない。

    パドレス:ケビン・ブラウン(1998年)
    36試合 18勝7敗0セーブ 防御率2.38 257.0回 257三振 49四球
    「優勝請負人」に異名に違わず、見事な活躍を披露。エースとしてチームを14年ぶり2度目のリーグ優勝へと導いた。

    ジャイアンツ:バリー・ボンズ(1993年)
    159試合 打率.336 46本塁打 123打点 29盗塁 OPS1.136
    本塁打と打点の二冠に輝き、2年連続3度目のMVP受賞。前年90敗のチームを103勝の強豪へと変貌させた(ただし地区2位)。

  • メッツが名三塁手・ライトを獲得するまでの軌跡を振り返る

    2020.5.14 16:00 Thursday

     2000年に15勝を挙げてカージナルスとのリーグ優勝決定シリーズではMVPとなり、ワールドシリーズ進出に大きく貢献した左腕マイク・ハンプトンがフリーエージェントでロッキーズへ流失した際に得た補償指名権でメッツが名三塁手のデービッド・ライトを獲得したことはよく知られているが、メッツのライト獲得までのプロセスはどこから始まっているのだろうか。メッツがライトを獲得するまでの軌跡を振り返ると、今から53年前、1967年のドラフトにたどり着いた。

     1967年6月、メッツはドラフト全体4位でジョン・マトラックを指名した。マトラックは1972年に15勝10敗、防御率2.32の好成績で新人王を受賞。この年から5年連続で2ケタ勝利をマークするなど、メッツでプレーした7年間で82勝を挙げた。

     1977年12月、メッツは四角トレードでマトラックをレンジャーズへ放出。11人もの選手が動いたこのトレードで、メッツはマトラックのほかにジョン・ミルナーも放出(パイレーツへ)し、ブレーブスからウィリー・モンタニェス、レンジャーズからトム・グリーブとカイル・ヘンダーソンを獲得した。メッツにとって大失敗に終わったこのトレードは、メジャー史上初の四角トレードだった。

     1978年12月、メッツは1年前に獲得したばかりのグリーブをキム・シーマンとセットでカージナルスへ放出し、ピート・ファルコンを獲得。ファルコンは4年間で26勝を挙げ、ファルコンがフリーエージェントでブレーブスへ流出した際にメッツは補償指名権を得た。この指名権を使い、メッツは1983年のドラフト全体20位でスタン・ジェファーソンを指名した。

     ジェファーソンは1986年にメジャーデビューを果たしたが、同年12月、メッツはパドレスとの大型トレードを敢行し、ジェファーソン、ケビン・アームストロング、ケビン・ブラウン(注:通算211勝の右腕ではない)、ショーン・エイブナー、ケビン・ミッチェル(元ダイエー)の5人を放出。アダム・ジング、ケビン・マクレイノルズ、ジーン・ウォルターの3人を獲得した。マクレイノルズはメッツの期待に応えて6年間で122本塁打を放ち、自己最多の99打点をマークした1988年にはMVP投票で3位となった。

     1991年12月、メッツはマクレイノルズ、グレッグ・ジェフリーズ、キース・ミラーの3人をロイヤルズへ放出し、ビル・ペコタとブレット・セイバーヘイゲンを獲得。主力級の野手3人を放出して元サイ・ヤング賞右腕のセイバーヘイゲンを獲得したメッツだったが、セイバーヘイゲンは相次ぐ故障により3年半で29勝どまり。決して成功とは言えないトレードだった。なお、ミラーはその後、ライトの代理人かつ最も信頼できる友人の1人として活躍することになる。

     1995年7月、メッツはセイバーヘイゲンと後日指名選手(デーブ・スワンソン)をロッキーズへ放出し、フアン・アセベドとアーニー・グーチを獲得。さらに1998年12月、グーチとトッド・ハンドリーをドジャースへ放出し、ロジャー・セデーニョとチャールズ・ジョンソンを獲得した。

     セデーニョは1999年に打率.313、66盗塁をマークする活躍を見せたが、エースの獲得を目指したメッツは同年12月にセデーニョ、オクタビオ・ドテル、カイル・ケッセルの3人をアストロズへ放出。ハンプトンとデレク・ベルを獲得した。

     そして、2000年オフにフリーエージェントとなったハンプトンがロッキーズと8年1億2100万ドルの超大型契約を結び、メッツは2001年のドラフトにおける全体38位の指名権を獲得。メッツのほか、カブスもライトを狙っていたと言われているが、カブスは全体2位でマーク・プライアーを指名したあと、2巡目まで指名権がなく、メッツは全体18位でアーロン・ハイルマン、全体38位でライトを指名することに成功した。

     その後のライトの活躍は詳しく述べるまでもないだろう。オールスター・ゲーム選出7度、シルバースラッガー賞2度、ゴールドグラブ賞2度などチームの看板選手として活躍したライトは、通算1777安打、打率.296、242本塁打、970打点、196盗塁、OPS.867という成績を残して2018年シーズン限りで現役を引退。1967年から始まる52年間の「トランザクション・ツリー」は幕を下ろした。なお、ライトの通算WAR49.2(Baseball-Reference版)は球団史上2位、野手では球団史上1位の数字となっている。

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