English Español 韓国語
  • マリナーズがジーン・セグーラと契約延長へ

    2017.6.7 18:34 Wednesday

     マリナーズが5年総額7000万ドルでジーン・セグーラとの契約延長に向けて動いている。

     ダイヤモンドバックスに加入した昨季大ブレイクを果たし、リーグ最多の203安打を記録して打率.319、20本塁打、33盗塁の好成績をマークしたセグーラ。昨季は二塁手としての出場が大半だったが、タイワン・ウォーカー、ケテル・マーテイとのトレードでミッチ・ハニガー、ザック・カーティスとともにマリナーズに加入した今季は本来のポジションである遊撃に復帰。昨季に続いて安定した打棒を発揮し、打率.341はリーグトップとなっている。

     今季のセグーラは開幕直後に右ハムストリングの張りで故障者リスト入りし、6月2日に右足首痛で再び故障者リスト入り。当初は復帰まで数週間を要すると見られていたものの、スコット・サービス監督によると戦列復帰に近付いているようだ。

     2015年オフに初めて年俸調停権を得たセグーラの年俸は2016年が260万ドル、今年が620万ドル。報道通りに5年契約が締結されれば、調停3年目とFA権取得後の4年間をカバーすることになり、2023年まで契約が残っているロビンソン・カノーと少なくとも2022年まで二遊間コンビを組むことになる。

     他にもネルソン・クルーズは2018年、フェリックス・ヘルナンデスは2019年、カイル・シーガーは2021年まで契約が残っており、マリナーズの「勝負モード」はあと数年続くことになりそうだ。

  • サム・ダイソンがジャイアンツへ

    2017.6.7 18:10 Wednesday

     ジャイアンツは後日指名選手または金銭とのトレードで、レンジャーズからサム・ダイソンと金銭を獲得した。

     昨季は73試合で38セーブをマークしてチームの地区優勝に大きく貢献し、第4回WBCにも参加してアメリカの初優勝に貢献したダイソンだったが、今季は開幕から絶不調。ここまで4度のセーブ機会を全て失敗し、被本塁打は昨季の5本をすでに上回る6本。奪三振数(7)を上回る四球(12)を与え、1勝6敗、防御率10.80と昨季の好成績が嘘のような大不振に苦しんでいた。

     ジャイアンツは安定感を欠くブルペンを立て直すためにダイソンを獲得。今季開幕からの不調が一時的なものであり、昨季のような安定感を取り戻してくれることを期待しているようだ。

     レンジャーズのジョン・ダニエルズGMによるとダイソンに対して複数の球団からトレードのオファーがあった模様。そのうちのいくつかの球団はダイソン同様に不振に陥っている選手とのトレードを提案してきたが、レンジャーズ側がマイナーの若手選手との交換を希望し、ジャイアンツとのトレードが実現するに至った。

  • 【戦評】シャーザーが圧巻の投球!7回14Kで今季7勝目

    2017.6.7 17:48 Wednesday

     ナ・リーグ東部地区で独走状態のナショナルズとナ・リーグ西部地区で激しい首位争いを繰り広げているドジャースが激突し、「ポストシーズン前哨戦」との声もある3連戦の第2戦。初戦を制したナショナルズはエース右腕のマックス・シャーザーで連勝を狙う。一方、本拠地ドジャー・スタジアムでの連敗は避けたいドジャースは開幕から安定した投球を続けているブランドン・マッカーシーに先発のマウンドを託した。

     試合は初回から動く。1回表、先頭の1番トレイ・ターナーが内野安打で出塁すると、すかさず二盗、三盗を決めて無死三塁のチャンスを作る。2番ブライアン・グッドウィンは三塁へのファウルフライに倒れたものの、3番ブライス・ハーパーがレフトへの犠牲フライを放ち、ナショナルズが1点を先制した。その裏、ドジャースは1番チェイス・アトリーがライト前ヒットで出塁し、2番コリー・シーガーの二塁ゴロをダニエル・マーフィーが弾いて無死一、二塁。3番ヤスマニ・グランダルは空振り三振に倒れたが、4番エイドリアン・ゴンザレスがライト前へタイムリーヒットを放ち、あっという間にドジャースが同点に追い付いた。しかし、シャーザーは5番コディ・ベリンジャー、6番クリス・テイラーを2者連続の空振り三振に斬って取り、計3奪三振と決して悪くないスタートを切る。

     シャーザーは2回裏に7番ローガン・フォーサイス、8番ヤシエル・プイーグ、9番マッカーシーから3者連続三振を奪い、なんとこれで5者連続三振。3回裏には2つの四球を与えたものの、ベリンジャーの振り逃げを含む3つの三振を奪い、3回まで9奪三振とハイペースで三振を積み重ねていく。

     シャーザーの快投に応えたいナショナルズ打線は4回表、先頭の3番ハーパーがライト線へのエンタイトル・ツーベースで出塁すると、4番ジマーマンの二塁ゴロの間にハーパーは三塁へ。ここで5番マーフィーが守備のミスを取り返す犠牲フライを放ち、ナショナルズが1点を勝ち越した。

     その後もシャーザーの好投は続き、4回裏に2三振、5回裏から7回裏まで各1三振を奪い、今季最多となる14奪三振を記録。打たれたヒットは僅か3本、7回1失点(自責点0)の見事なピッチングを見せ、2桁奪三振は早くも今季6度目となった。

     不安を抱えるナショナルズのリリーフ陣だが、この日は8回裏をオリバー・ペレスが2三振を含む三者凡退と完璧に抑え、最後を新人クローザーのコーダ・グローバーが締めて2-1で試合終了。マーフィーの犠牲フライで勝ち越した1点を守り抜き、ナショナルズがドジャースとの「ポストシーズン前哨戦」に連勝した。

     ドジャースは失策絡みで何度かチャンスを作ったものの、得点圏で10打数1安打に終わり、あと一本が出なかった。マッカーシーは7回3安打2失点と好投したが、打線の援護がなく、今季3敗目(5勝)。「彼らしいピッチングをしていたね」とシャーザーの好投を称えた。一方、シャーザーは今季7勝目(3敗)を挙げ、グローバーは8セーブ目をマークした。

     なお、3連戦の最終戦となる明日の試合はスティーブン・ストラスバーグ対クレイトン・カーショウという好マッチアップが予定されている。

  • 【戦評】ロイヤルズが驚異の粘り アストロズ連勝ストップ

    2017.6.7 15:55 Wednesday

     リリーフ陣の好投が味方の大逆転劇を呼び込んだ。

     本拠地カウフマン・スタジアムに11連勝中のアストロズを迎えている一昨年のワールドシリーズ王者・ロイヤルズ。4連戦の初戦を落として迎えた日本時間6月7日の第2戦。この試合はデービッド・ポーリーノ(アストロズ)、ジェイク・ジュニス(ロイヤルズ)の若手右腕対決となった。

     序盤から試合を優位に進めたのは11連勝中のアストロズ。3回表に3番ホゼ・アルトゥーベの犠牲フライなどで3点を先制すると、4回表には2番ジョシュ・レディックのタイムリーツーベース、5番カルロス・ベルトランの8号ツーランなどで4点を追加し、4回終了時点で7-2と大量5点をリード。ロイヤルズの先発・ジュニスを3.2回7失点でKOした。

     しかし、ここからロイヤルズのリリーフ陣がアストロズに追加点を許さない。5月29日に昇格後、3試合連続で無失点に抑えていた2番手ケビン・マッカーシーが2.1回を2安打無失点で切り抜けると、防御率9点台という大不振に喘いでいた3番手トラビス・ウッドも2回を無失点に抑え、味方の反撃に望みを託す。

     すると4点ビハインドの8回裏、一死からの3連打で1点を返すと、3回裏に今季1号本塁打を放った9番アレックス・ゴードンが四球を選んで二死満塁のチャンスを迎える。ここでアストロズのA.J.ヒンチ監督はこの回3人目の投手としてクローザーのケン・ジャイルズを投入。同点阻止、そして12連勝に向けて勝負を賭ける。

     打席には1番ウィット・メリーフィールド。昨日の試合で19試合連続安打がストップしてしまったものの、現在ロイヤルズで最も好調な打者の1人だ。スライダーの3連投であっという間にカウント0-2と追い込まれてしまったが、「打てないと思ったから見送ったんだ。そうしたらボールだったんだ」と試合後に振り返った外角への99.6マイルのフォーシームを見送り、カウント1-2。そして5球目。真ん中付近に入ってきた甘いスライダーを見逃さなかった。打球はレフトの左を襲い、走者一掃の同点タイムリーツーベース。一塁走者のゴードンが前のめりになりながら生還し、ロイヤルズがついに同点に追い付いた。

     9回表、ロイヤルズは4番手マイク・マイナーが二死から7番ユリエスキー・グリエルにヒットを許したものの、無失点に抑え、これでリリーフ陣は5.1回無失点という見事なパフォーマンス。あとは味方のサヨナラ劇を待つのみとなる。

     9回裏、アストロズはジャイルズが続投。3番ロレンゾ・ケインを三塁ゴロ、4番エリック・ホズマーを二塁ゴロに打ち取り、3球でツーアウトを取ったものの、5番サルバドール・ペレスにライト前ヒットを打たれて二死一塁。そして、ここで打席に入った6番マイク・ムスターカスがカウント0-1からの2球目、甘く入ったスライダーを見事に捉え、15号サヨナラツーランを豪快にライトスタンドへと叩き込んだ。

     試合後、ロイヤルズのネッド・ヨスト監督は「2-7になったときもベンチの雰囲気は悪くなかった。試合が決まったなんて思ってなかったよ」と語り、見事な逆転劇を演じたチームに満足げ。リリーフ陣の頑張りに打線が応え、まさにチーム一丸となって手にした会心の勝利となった。一方、敗戦投手となったジャイルズは「必要なときに自分の投球ができなかった。僕がチームを負けさせてしまったんだ。全部僕のせいだ。今日は勝てたはずの試合だった。打線はしっかり仕事をした。僕のせいだよ」とガックリ肩を落としていた。

     ロイヤルズの劇的な逆転勝利により、アストロズの連勝は11でストップ。明日の第3戦ではロイヤルズが今季好調のジェイソン・バルガスで連勝を狙う一方、アストロズはエース左腕のダラス・カイケルに連敗阻止を託す。

  • 【戦評】首位攻防3連戦の初戦をレッドソックスが制す

    2017.6.7 12:53 Wednesday

     久しぶりにヤンキースとレッドソックスによる首位争いが繰り広げられているア・リーグ東部地区。日本時間6月7日からヤンキー・スタジアムにて首位攻防の3連戦が始まった。レッドソックスが3連勝すれば首位が入れ替わるこの3連戦。大事な初戦のマウンドはドリュー・ポメランツ(レッドソックス)と田中将大(ヤンキース)に託された。

     1回表、レッドソックス打線は本調子でない田中を攻め立て、1番ムーキー・ベッツと2番アンドリュー・ベニンテンディの連打で無死一、三塁のチャンスを作る。ここで3番ザンダー・ボガーツがしっかり右方向へゴロを転がし、レッドソックスが幸先よく1点を先制する。一方のポメランツは3番アーロン・ジャッジにライトへのヒットを許したものの、3三振を奪う上々の立ち上がりを見せた。

     2回裏、ヤンキースは一死から6番アーロン・ヒックスが四球を選んで出塁すると、続く7番ディディ・グレゴリウスがライトへのヒットを放ち、ベッツの悪送球が絡んでヒックスが生還。1-1の同点に追い付く。

     同点に追い付いてもらった田中だが、3回表こそ三者凡退に抑えたものの、4回表、先頭の3番ボガーツを四球で歩かせると、4番ミッチ・モアランドと5番ハンリー・ラミレスに連続本塁打を許し、一挙3失点。続く5回表にも二死から2番ベニンテンディにソロ本塁打を浴び、結局、今日の田中は5回を投げて3本塁打を含む5安打5失点。またしても先発の役割を果たすことができず、防御率は6.55へと悪化した。

     ヤンキースはその後、5回裏に9番クリス・カーターがソロ本塁打を放って3点差に迫ると、6回裏には併殺打の間に1点を返して2点差。さらに8回裏には振り逃げの間に1点を返し、ついに1点差に迫る。

     しかし、最終回はレッドソックスの守護神クレイグ・キンブレルの前に1番ブレット・ガードナー、2番ゲーリー・サンチェス、3番ジャッジが三者連続三振に倒れ、万事休す。キンブレルは振り逃げの間に1点こそ与えたものの、アウトを全て三振で奪い、1.1回5奪三振の見事なリリーフでリーグトップの17セーブ目をマークした。

     5回5失点の田中はこれで5先発連続の黒星となり、5勝6敗と負けが先行。速球に威力がなく変化球に頼らざるを得ない場面が目立っており、不振は深刻だ。一方のポメランツは5回2失点(自責点1)の好投で6勝目(3敗)。3番手として登板したジョー・ケリーは今季最速タイとなる102.2マイル(約164.5km/h)を叩き出し、球場を沸かせた。なお、この勝利により2位レッドソックスは首位ヤンキースとのゲーム差を1に縮めている。

  • ドジャースが投手補強へ動く?

    2017.6.7 11:59 Wednesday

     ここまでメジャートップのチーム防御率3.22を記録しているドジャース。しかし、ポストシーズン進出、そしてワールドシリーズ制覇に向けて、投手陣のさらなるアップグレードを目指す可能性があるようだ。

     ドジャースの先発投手陣には実力派がズラリと名を連ねる一方で、コンディションに不安を抱えている投手が非常に多い。リッチ・ヒルは今季すでに2度の故障者リスト入りを経験し、前田健太、ブランドン・マッカーシー、リュ・ヒョンジンも1度ずつ故障者リスト入り。5月の月間最優秀投手に選出されたアレックス・ウッドも左胸鎖関節の炎症で故障者リスト入りしている。また、昨季鮮烈なデビューを果たしたフリオ・ウリアスは制球難に苦しみ、現在はマイナー中で調整中だ。これらの投手たちは実力こそあるものの、決して計算できる投手ではなく、先述の6人を合わせてもシーズン200投球回以上は僅か1度しかない(2014年のマッカーシー)。今後、複数の先発投手を同時に欠くという事態も十分に考えられるだけに、大黒柱クレイトン・カーショウを支える一流先発投手の獲得に動く可能性はある。

     また、カーショウは来年3月に30歳を迎える。ペドロ・マルティネス(元レッドソックスなど)が最後のサイ・ヤング賞を獲得したのが28歳のシーズンであるように、今後はカーショウにも衰えや成績悪化の恐れがつきまとう。昨季のポストシーズンでは大車輪の働きを見せたカーショウだが、カーショウ頼みの投手陣ではポストシーズンを勝ち抜けないことはすでに証明された。カーショウが選手生活のピークにいるうちにワールドシリーズ制覇を成し遂げるためには、やはりカーショウとダブル・エースを形成できるような投手の獲得が不可欠だろう。

     ドジャースが一流投手の獲得を可能にするだけの若手有望株や資金的余裕を抱えていることも投手補強を後押しする。今年7月のトレード市場ではダルビッシュ有(レンジャーズ)やジェイソン・バルガス(ロイヤルズ)、さらにはゲリット・コール(パイレーツ)、クリス・アーチャー(レイズ)、アービン・サンタナ(ツインズ)、ソニー・グレイ(アスレチックス)といった有力投手獲得の可能性が取り沙汰されることになりそうだ。

     さらに、信頼できるリリーフ左腕が不足していることもあり、トニー・ワトソン(パイレーツ)やブラッド・ハンド(パドレス)の獲得に動く可能性もある。ワトソンにはアストロズやナショナルズが興味を示しているという噂もあり、トレード市場が7月末のデッドラインに向けてどのように動いていくのか、今後の動きから目が離せない。

  • 【速報】ジェネットが史上17人目の1試合4本塁打

    2017.6.7 11:13 Wednesday

     日本時間6月7日のレッズ対カージナルス戦で史上17人目となる大記録が飛び出した。

     「5番・レフト」で先発出場したスクーター・ジェネットは1回裏の第1打席でカージナルス先発のアダム・ウェインライトから先制タイムリーを放つと、3回裏の第2打席で4号グランドスラム、4回裏の第3打席で5号ツーラン、6回裏の第4打席で6号ソロ、8回裏の第5打席で7号ツーランを放ち、2012年5月8日のジョシュ・ハミルトン(当時レンジャーズ)以来メジャー史上17人目となる1試合4本塁打を達成。レッズの選手としては初の快挙となった。

     また、同時に史上15人目となる1試合10打点以上を記録。1試合10打点は今年4月30日にアンソニー・レンドン(ナショナルズ)が記録しており、今季2人目となった。ジェネットは昨日のカージナルス戦で決勝2点タイムリーツーベースを放ち、19打数連続無安打のスランプから脱出したばかり。今年3月にウエーバーでブリュワーズからレッズへ放出された男が、誰も予想しなかった大爆発を見せた。

     試合はジェネットの歴史的な活躍もあってレッズが13-1と大勝。5連敗のカージナルスを抜いてナ・リーグ中部地区3位に浮上した。

  • コローンDL入りでニューカム昇格の可能性?

    2017.6.7 10:59 Wednesday

     今季12先発で2勝7敗、防御率7.78と苦しんでいるバートロ・コローン(ブレーブス)。チームはこの現役最年長選手を故障者リストへ登録することを決断した。

     昨日のフィリーズ戦で3.2回8失点と滅多打ちを喰らったコローンは、左腹斜筋痛のために今日、10日間の故障者リストに登録された。ブライアン・スニッカー監督は「彼は腹斜筋の治療を受けている。大きな問題ではないと思うよ。彼本来のピッチングではなかったし、何かあるんじゃないかと思っていたんだ」と語り、長期離脱にはならないことを示唆。チームは故障者リスト入りの期間を利用してコローンが心身ともに本来の姿を取り戻してくれることを期待しているようだ。

     コローンの枠を埋めるために、AA級ミシシッピからリリーフ右腕のジェイソン・ハーシュが昇格。コローンは日本時間6月11日のメッツ戦に先発する予定だったが、その試合ではAAA級グウィネットからマット・ウィスラーを昇格させて今季初先発を任せるようだ。また、同日はダブルヘッダーが予定されており、もう一方の試合では若手有望株のショーン・ニューカムあるいはルーカス・シムズが先発に抜擢される可能性が出てきた。両者とも今季は開幕からAAA級グウィネットでプレイしており、23歳の左腕・ニューカムは11先発で防御率2.97、23歳の右腕・シムズは11先発で防御率4.13をマーク。どちらが抜擢されてもメジャー初登板初先発となる。

     「選手を守るために決断しなければならないときもあるんだ」と語り、ベテラン右腕の故障者リスト入りを決断したスニッカー監督。その右腕と20歳以上離れた若手有望株にメジャー初登板初先発の機会を与えるのか。スニッカー監督の次なる決断に注目したい。

  • 第2回中間発表 ジャッジが全体トップに

    2017.6.7 10:20 Wednesday

     日本時間6月7日、第88回オールスター・ゲームのファン投票第2回中間発表(ア・リーグ)が行われ、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が故障離脱中のマイク・トラウト(エンゼルス)を抜いて全体トップに浮上した。

     ジャッジは外野手部門1位の125万1543票を獲得し、外野手部門2位のトラウト(115万5356票)を上回った。なお、現時点で100万票を超えたのはこの2人のみとなっている。外野手部門以外にトップが入れ替わったのは二塁手部門と三塁手部門。二塁手部門ではホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)が99万8107票を集め、前回トップのスターリン・カストロ(ヤンキース)を抜いてトップに浮上。また、三塁手部門では今季なかなか調子が上がらないマニー・マチャド(オリオールズ)が3位に後退し、前回2位のミゲル・サノー(ツインズ)と前回3位のホゼ・ラミレス(インディアンス)がそれぞれ1つずつ順位を上げた。

     捕手部門はサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)、一塁手部門はミゲル・カブレラ(タイガース)、遊撃手部門はフランシスコ・リンドーア(インディアンス)、指名打者部門はネルソン・クルーズ(マリナーズ)がトップの座をキープ。外野手部門では前回4位のマイケル・ブラントリー(インディアンス)が前回3位のムーキー・ベッツ(レッドソックス)を抜いてファン投票選出圏内に名を連ねている。

     一塁手部門はトップのカブレラですら47万5826票にとどまっており、2位のヨンダー・アロンゾ(アスレチックス)とは4万票ほどしか離れていない。圧倒的な実績を誇るカブレラだが、今季はここまで打率.274、5本塁打、OPS.811と冴えない数字が並んでおり、他の選手の活躍次第では今後順位が大きく入れ替わる可能性もありそうだ。

     投票締め切りは日本時間6月30日(金)午後12時59分。どの選手が夢の球宴への切符を手にするのか、今後の順位変動に注目だ。

  • チャップマンの復帰は6月中旬頃の予定

    2017.6.7 09:45 Wednesday

     野球にとって「守護神」はチームを勝利に導く重要な存在だ。ヤンキースには以前まで球界最多652セーブの記録をもつマリアノ・リベラがいたが、2013年を最後に引退し、現在はアロルディス・チャプマンがその役を務めている。しかし、日本時間5月15日に左肩の負傷で故障者リスト入りしているものの6月中旬に復帰するメドが立ったという。

     チャップマンは今季、カブスから出戻りという形でヤンキースに復帰し14試合に登板して1勝7セーブ 防御率3.55の成績を残していた。8セーブ機会で7回のセーブ成功とその成功率は88%だ。数字だけをみると昨年の87%とほぼ変わらない。彼がいない間はデリン・ベタンセスが守護神を担っている。

     チャップマン本人によると日本時間6月10日に2Aのトレントン・サンダーでリハビリ登板を果たす予定。体の状態も良いようで彼は通訳を通じ「調子はとてもよいよ」と話している。

     復帰時期は日本時間6月17日からのアスレチックス戦からとのこと。10日間の故障者リスト入りをしながらも約1ヶ月の間、戦列を離れていたチャップマンは再び守護神としてチームに復帰する予定だ。現在、ヤンキースは東地区1位であり彼が帰ってくれば2012年以来の地区優勝に向けて大きな力となることだろう。

  • 球速ランキングに異変?最速王は誰だ

    2017.6.6 19:03 Tuesday

     2015年から集計が始まったStatcastによる各種データ。MLB公式サイトからStatcastのリーダーボードへと飛び、「Fastest Pitches」の項目を選択すると各シーズンの球速トップ50を確認することができる。過去2年はアロルディス・チャップマン(現ヤンキース)の独擅場。しかし、今季はその球速ランキングに異変が起きている。

     チャップマンがエンジン全開になる前に故障離脱してしまったこともあり、今季の球速トップ50には様々な名前が並んでいる。昨季までは「チャップマン・フィルター」を使ってチャップマンをランキングから排除しなければ他の投手の名前が出てこなかっただけに、様々な名前が並ぶランキングを見るのは非常に新鮮な感覚だ。

     日本時間6月6日時点で今季最速の投球はジョー・ケリー(レッドソックス)が4月28日のカブス戦でアンソニー・リゾーに投じた102.1マイル(約164.3km/h)のツーシームとなっている。他にチャップマンが102マイル以上のフォーシームを2球投げており、今季のメジャーリーグで102マイル以上の投球はこの3球だけ。ちなみに、101マイル以上まで範囲を広げると投手別の投球数は以下のようになる。

     

    チャップマン 14球(最速102.1マイル)
    ケリー 9球(最速102.2マイル)
    トレバー・ローゼンタール(カージナルス) 9球(最速101.7マイル)
    フェリペ・リベロ(パイレーツ) 5球(最速101.6マイル)
    フランキー・モンタス(アスレチックス) 4球(最速101.3マイル)
    エニー・ロメロ(ナショナルズ) 2球(最速101.5マイル)
    デリン・ベタンセス(ヤンキース) 1球(最速101.0マイル)

     

     やはり流石チャップマンといった結果になってしまうのだが、「Average Pitch Veocity」、要するに球種別の平均球速ランキングを見ると話が少し変わってくる。こちらのランキングではチャップマンのフォーシームは平均98.2マイルで7位。チャップマンより上の顔ぶれは以下のようになっている。

     

    1位 ローゼンタール フォーシーム(平均99.2マイル)
    2位 ケリー ツーシーム(平均98.9マイル)
    3位 ノア・シンダーガード(メッツ) フォーシーム(平均98.7マイル)
    4位 ライン・スタネック(レイズ) フォーシーム(平均98.5マイル)
    5位 ケリー シンカー(平均98.4マイル)
    6位 ホゼ・アルバラード(レイズ) フォーシーム(平均98.3マイル)

     

     ケリーが2球種でランクイン。また、ローゼンタールのフォーシームが平均球速ランキングではトップに立っている。そして、基本的に救援投手ばかりがランキングに名を連ねる中、シンダーガードのフォーシームが平均球速3位にランクインするという衝撃の結果となっている。

     チャップマンがまだ本領を発揮しておらず、昨季台頭してきた新世代の速球王マウリシオ・カブレラ(ブレーブス)も今季まだメジャーでは1球も投げていないため、暫定的なものにはなってしまうが、今季のメジャーリーグの「最速王」は先発投手がシンダーガード、救援投手がローゼンタールまたはケリーということになりそうだ。

     今後、シーズン終了までに「Fastest Pitches」と「Average Pitch Velocity」のランキングがどのように変化していくのか。Statcast導入によってより身近になった球速ランキングにもぜひ注目してみてほしい。

  • 【戦評】サマージャ復活!10奪三振無四球で今季2勝目

    2017.6.6 18:03 Tuesday

     ナ・リーグ西部地区の「本命」ドジャースの対抗一番手と目されながら、開幕から不甲斐ない戦いが続くジャイアンツ。大黒柱のマディソン・バムガーナーがバイク事故で長期離脱し、昨季18勝のジョニー・クエイトもなかなか調子が上がらない中、左のエース・バムガーナー、右のエース・クエイトに続く「3番目の男」がいよいよその類稀なる才能を本格開花させようとしている。

     その男の名はジェフ・サマージャ。エース級のポテンシャルを持つと評価されながら、2012年の先発転向後、5年連続2桁敗戦で白星先行は僅か1度(2016年:12勝11敗)とポテンシャルをフルに開花させることができずにいる本格派右腕だ。今季は初登板となった4月6日のダイヤモンドバックス戦で3本塁打を浴び、5.1回6失点でKOされると、そこから開幕4連敗。4月は5先発で0勝4敗、防御率6.32という惨憺たる成績に終わってしまった。

     しかし、5月3日のドジャース戦で8回3安打11奪三振1失点(自責点0)という見事なピッチングを見せると、徐々に風向きが変わり始める。この試合を含め、とにかく四球を与えないのだ。5月は結局6先発で1勝どまりだったものの、40.2回を投げて49個の三振を奪った一方、与えた四球は僅か1つだけ。月間K/BB49.00という驚異的な数字をマークした(K/BBは四球1つに対する奪三振の数を表し、今季の現時点でのメジャー平均は2.54)。

     そして迎えた今日のブリュワーズ戦。サマージャは立ち上がりに連打を浴び、犠牲フライにエラーが絡んで2点を失ったものの、2回から6回まで1人の走者も許さない完璧なピッチングを披露。試合終盤にはやや疲れが見え始めたが、追加点は許さず、7.2回6安打10奪三振2失点(自責点1)という見事なピッチングで今季2勝目(7敗)をマークした。

     約1ヶ月ぶりとなる2桁奪三振を記録した一方、もちろん今日も与えた四球はゼロ。これで5月以降は59奪三振に対して僅か1四球、その間K/BB59.00という奇跡的な数字をマークしている(シーズン通算のK/BBは8.55でリーグ1位)。「彼は素晴らしいピッチングを見せてくれたね」とジャイアンツのブルース・ボウチー監督。「彼のコマンドは優秀で、球速も素晴らしい。優れたチェンジアップとカットボールも持っている。あまり得意としていなかった球場で上手くやってくれたよ」

     サマージャは「俺はとても興奮しやすい男で、とにかく強いボールを投げたいんだ。でも、強いボールを投げたいところへ投げるためには身体を正しく使わなきゃいけないということを学ぶのに時間が掛かってしまった」と語る一方、デーブ・リゲッティ投手コーチとともに取り組んだメカニクスの調整についても語り、「今はそれをしっかり実行できているんだ」と自身のピッチングに手応えを感じている様子。

     タイ・ブラックが必死でバムガーナーの穴を埋めており、あとはクエイト、マット・ムーア、マット・ケインといった「実績組」が本来のピッチングを取り戻すだけ。大黒柱不在で苦しい先発投手陣を引っ張っていくことが、覚醒しつつあるサマージャに与えられた使命である。

  • 【戦評】アストロズ11連勝 2位と14ゲーム差に

    2017.6.6 15:24 Tuesday

     アストロズの本拠地ミニッツメイド・パークでは、試合開始時やアストロズの選手が本塁打を放った際に左中間スタンド後方を蒸気機関車が走る。その蒸気機関車さながらに「アストロズ特急」が止まらない。

     本拠地でのオリオールズ3連戦、敵地でのツインズ3連戦とレンジャーズ3連戦をいずれもスイープして10連勝で敵地カンザスシティに乗り込んだアストロズ。4連戦の初戦はアストロズがマイク・ファイヤーズ、ロイヤルズが開幕5連敗中のイアン・ケネディの先発で始まった。

     試合が動いたのは2回表。一死から7番ブライアン・マッキャンがレフトへのツーベースを放ち、続く8番ユリエスキー・グリエルが四球を選んで一死一、二塁のチャンスを作る。ここで打席には日米通算2000安打まであと5本に迫っている9番・青木宣親。カウント3-1からのツーシームを捉えた痛烈な打球がライトの右を襲い、二塁からマッキャンが生還。1番ジョージ・スプリンガーもセンター前タイムリーで続き、アストロズが2点を先制した。4回表には7番マッキャンが真ん中に入った甘いツーシームを逃さず捉え、ライトへの7号ツーランで4-0。10連勝中の勢いそのままに、アストロズが試合を優位に進めていく。

     ロイヤルズは4回裏に7番ブランドン・モスのタイムリーツーベースと8番アルシデス・エスコバーのタイムリー内野安打で2点を返し、7回裏には新人の2番ホルヘ・ボニファシオが8号ソロを放って1点差に迫る。さらに8回裏には二死から6番マイク・ムスターカスがライトへのツーベースを放って同点のチャンスを作ったものの、アストロズの4番手ウィル・ハリスが7番モスから空振り三振を奪い、アストロズ1点リードのまま試合は9回へ。

     9回表、ロイヤルズのネッド・ヨスト監督は9回裏の逆転を信じて守護神ケルビン・ヘレーラを投入したが、これが大誤算。途中出場の6番アレックス・ブレグマンにライトへのヒットで出塁を許すと、味方のエラーが絡んで無死一、二塁のピンチを背負ってしまう。ここで8番グリエルが甘く入ったスライダーをレフトスタンドへ豪快に叩き込んで勝負あり。ア・リーグ西部地区首位を快走するアストロズが中部地区最下位のロイヤルズに力の差を見せつけた試合となった。

     試合後、アストロズのA.J.ヒンチ監督は「言うまでもなく、グリエルがヘレーラから打った一発が大きかったね」と試合を決めたグリエルの一発を称賛。一方、開幕から6連敗となったロイヤルズの先発ケネディは「1番から9番まで、あの打線は休むヒマを与えてくれないんだ」とアストロズ打線に完敗といった様子。なお、この試合でロイヤルズのウィット・メリーフィールドの19試合連続安打がストップした。

     11連勝となったアストロズはこれで42勝16敗となり、勝率は.724へと上昇(シーズン117.3勝ペース)。試合のなかった2位エンゼルスとの差は14ゲームに広がり、ア・リーグ西部地区には早くも「終戦」の雰囲気が漂い始めている。

  • 状況改善に自信を見せるモゼリアックGM

    2017.6.6 13:08 Tuesday

     21世紀の常勝軍団・カージナルスが苦しんでいる。4月を12勝12敗の勝率.500で終え、5月2日からの11試合で6連勝を含む9勝2敗と一気に勢いに乗って地区首位へ浮上したところまでは良かったのだが、その後の19試合で5勝14敗と急失速。3つの借金を抱え、地区3位に低迷している。「赤い鳥」が再浮上するためには何が必要なのか。

     好調マイク・リーク(5勝4敗、防御率2.64)を中心にメジャー屈指の安定感を発揮している先発投手陣に対し、カージナルスの救援投手陣は開幕から不安定な投球が続いている。開幕直後に安定感を欠いたオ・スンファン(23試合、13セーブ、防御率2.77)は徐々に本来の姿を取り戻し、昨季絶不調に陥ったトレバー・ローゼンタール(22試合、防御率2.53)も頼れるセットアッパーとして復活。しかし、左のセットアッパーであるケビン・シーグリスト(24試合、防御率4.79)や4年契約で加入したブレット・シーセル(28試合、防御率4.05)はなかなか調子が上がらず、開幕直後にチーム内で最も安定していたマット・ボーマン(28試合、防御率4.91)も打ち込まれる試合が増えつつある。

     「出れば打たれる」状態が続いていたジョナサン・ブロクストン(20試合、防御率6.89)を5月31日にリリースし、敗戦処理の仕事すらままならなかったミゲル・ソコロビッチ(15試合、防御率8.68)もDFAを経てマイナー送りとするなど、ブルペン再建に着手してはいるものの、思うような成果は得られていない。サム・トゥイバイララ(10試合、防御率3.27)、ジョン・ブレビア(3試合、防御率0.00)といったフレッシュな戦力を上手く活用することが必要だろう。また、ここにきて調子を落としているマイケル・ワカ(2勝3敗、防御率4.67)をブルペンに回し、AAA級で安定したピッチング(5勝1敗、防御率2.08)を見せているルーク・ウィーバーを抜擢するオプションも今後、検討されるかもしれない。

     打線は主力選手の復調待ちといった状況で、特に打線の核となるべきマット・カーペンター(打率.213、9本塁打、OPS.752)、デクスター・ファウラー(打率.225、8本塁打、OPS.747)あたりの調子が上がってこないことには話にならない。スティーブン・ピスコッティ(打率.243、3本塁打、OPS.754)、アレドミス・ディアス(打率.257、5本塁打、OPS.688)ら若手打者にも元気がなく、ジェッド・ジョーコ(打率.311、8本塁打、OPS.898)が孤軍奮闘している状況だ。

     また、正二塁手のコルテン・ウォン(打率.278、1本塁打、OPS.792)が故障者リストから復帰間近ということもあり、ジョニー・ペラルタ(打率.189、0本塁打、OPS.434)の処遇にも注目が集まっている。複数ポジションを守れるうえに打撃でもまずまずの結果を残している新人ポール・デヨング(打率.290、1本塁打、OPS.742)をロースターに残す場合にはペラルタのDFAないしリリースが現実味を帯びてくる。さらに、Aアドバンス級での再調整を続けているランドール・グリチック(打率.222、4本塁打、OPS.653)を正左翼手としてメジャーに復帰させる場合、チームトップのOPSを記録しているトミー・ファム(打率.295、5本塁打、OPS.913)がスタメンから外れることになり、このあたりの選手起用に関してもマイク・マシーニー監督は頭を悩ませることになりそうだ。

     余剰戦力となっていたマット・アダムス(打率.292、1本塁打、OPS.735:在籍時のみの成績)をブレーブスへ放出するなど、戦力の整備を進めているカージナルス。ジョン・モゼリアックGMは自身が整えたロースターに自信を持っており、現時点では外部からの補強に動くつもりはないようだ。外野手不足により緊急昇格したマグネウリス・シエラ(打率.375、0本塁打、OPS.804)が結果を残したように、マイナー組織もそれなりには充実しており、球団内部の戦力で十分に補えると判断しているのかもしれない。

     伏兵ブリュワーズに先を行かれ、宿敵カブスも徐々に調子を上げる中、モゼリアックGMはいつまで主力選手の復調を待ち続けるのか。先発投手陣の頑張りをフイにし続けるブルペンを立て直すプランはあるのか。「現在と未来」を両立させ、常勝軍団を築いてきたモゼリアックGMの次なる一手に注目したい。

  • レッドソックスの苦労人 ロビー・スコット

    2017.6.6 11:43 Tuesday

     ロビー・スコット。この男の名前を聞いたことはあるだろうか。熱心なレッドソックスファンなら今季何度もこの男の名前を耳にしていることだろう。しかし、他球団のファン、ましてやナ・リーグの球団を応援しているファンの中にはこの男の名前を一度も聞いたことがないという人も多いかもしれない。

     ロバート・ジョン・スコット。フロリダ州マイアミ生まれの27歳。2011年にフロリダ州立大学で16試合にリリーフ登板し、9.1回を投げて防御率4.82という冴えない成績に終わったサウスポーはドラフト指名を得ることができず、独立リーグでプレイすることを決めた。独立リーグで7試合に登板し、11回を投げて無失点、19個の三振を奪ったパフォーマンスが評価され、2011年8月10日にレッドソックスと契約。ここからスコットのマイナー生活が始まった。

     AA級以下のレベルではスコットのピッチングは十分に通用し、2014年にはAA級で1先発を含む35試合に登板して8勝2敗3セーブ、防御率1.96の好成績をマーク。ところが、翌年AAA級に初昇格したスコットは13試合で防御率7.67、被打率.341と滅多打ちを喰らい、プロ入り後初めて大きな壁にぶち当たる。

     しかし、この時スコットは新たなチャレンジの真っ最中だった。好成績を残した2014年シーズン終了後、アリゾナ秋季リーグに参加していたスコットは、マリナーズ傘下で投手コーチを務めていたアンドリュー・ローレイン(2017年WBCイスラエル代表の投手コーチ)と出会う。「腕を下げることを考えたことはあるか?」と尋ねられたスコットは「一度もないです」と答えた。「よし、君のチームの投手コーディネーターに明日連絡するよ」とローレインは言った。

     長年レッドソックスで投手コーディネーターを務めているラルフ・トレウエルは、数日後にスコットら若手有望株を視察するためにアリゾナ秋季リーグを訪問する予定だった。そして、トレウエルとの議論の末、スコットの挑戦が始まる。

     2015年から2016年にかけてAAA級ポータケットの投手コーチ、ボブ・キッパーのもとで腕を下げた投球をマスターしたスコットは2016年、AAA級で32試合に登板して防御率2.54、被打率.202の好成績をマーク。9月2日には27歳にして初のメジャー昇格を勝ち取った。「簡単なプロセスではなかったよ。一夜のうちに解決するようなことではなかったからね」とスコットは振り返る。

     今季、スコットはここまで23試合に登板して防御率1.42、WHIP0.63、被打率.122の好成績をマーク。開幕ロースターの最後の1枠を勝ち取り、ロビー・ロスJr.、フェルナンド・アバッドに次ぐ「リリーフ左腕3番手」からスタートしたスコットは、ジョン・ファレル監督の信頼を勝ち取り、すでに「リリーフ左腕1番手」の座を手中に収めている。試合終盤、ロビンソン・カノー(マリナーズ)やクリス・デービス(オリオールズ)といった左の強打者に打順が回ってくる際には真っ先にスコットの名前が呼ばれるのだ。

     Statcastのデータによると、今季左打者に対して10度以上の打球がある全投手の中で左打者による初速72.7マイルは最も低い数字。速球の優れたコマンドが成功の要因であることは間違いないが、カーブは左打者に対して被打率.083(12打数1安打)、29度のスイングで12度の空振りと非常に効果的に機能している。投手コーチ補佐のブライアン・バニスターも「打者にとってはかなりやりにくい相手だろうね」と語る。

     ドラフト指名漏れの「落ちこぼれ」からブルペンに欠かせない「リリーフ左腕1番手」へと登り詰めたスコットのサクセス・ストーリー。その物語はまだ始まったばかりだ。

  • 第2回中間発表 ジマーマンがトップに浮上

    2017.6.6 10:36 Tuesday

     日本時間6月6日、第88回オールスター・ゲームのファン投票第2回中間発表(ナ・リーグ)が行われ、一塁手部門でライアン・ジマーマン(ナショナルズ)がアンソニー・リゾー(カブス)を抜いてトップに浮上した。

     全体トップは外野手部門1位のブライス・ハーパー(ナショナルズ)で変わらず、145万9235票を獲得。二塁手部門1位のダニエル・マーフィー(ナショナルズ)もすでに114万9130票を集め、現時点で100万票を超えたのはこの2人のみとなっている。一塁手部門以外にトップが入れ替わった部門はなく、捕手部門はバスター・ポージー(ジャイアンツ)、三塁手部門はクリス・ブライアント(カブス)、遊撃手部門はコリー・シーガー(ドジャース)がトップの座をキープ。外野手部門の2位チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)と3位ジェイソン・ヘイワード(カブス)も前回発表時から変わっていない。

     一塁手部門では前回5位だったエリック・テームズ(ブリュワーズ)が圏外(=6位以下)に落ち、マット・カーペンター(カージナルス)が5位にランクイン。二塁手部門では前回4位のコルテン・ウォン(カージナルス)と同5位のDJレメイヒュー(ロッキーズ)が入れ替わり、レメイヒューが4位に浮上した。同様に三塁手部門でも前回4位のジェッド・ジョーコ(カージナルス)と同5位のアンソニー・レンドン(ナショナルズ)が入れ替わり、レンドンが4位に浮上。遊撃手部門では今季好調のザック・コザート(レッズ)がアディソン・ラッセル(カブス)を抜き、前回の3位から2位に浮上している。

     外野手部門では前回6位のマット・ケンプ(ブレーブス)がカイル・シュワーバー(カブス)を抜いて5位に浮上。ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)やデクスター・ファウラー(カージナルス)らが順位を上げ、アダム・デュバル(レッズ)が新たに13位に名を連ねた一方、ライアン・ブラウン(ブリュワーズ)らが順位を落とし、前回15位のカルロス・ゴンザレスは圏外(=16位以下)に転落した。

     投票締め切りまでまだ3週間以上の期間が残されており、どの選手がファン投票で選出されるのか、今後の順位変動から目が離せない。

  • 第9週のMVPはスプリンガーとボルケス

    2017.6.6 10:07 Tuesday

     第9週(5月29日~6月4日)の週間最優秀選手が発表され、ア・リーグはジョージ・スプリンガー(アストロズ)、ナ・リーグはエディンソン・ボルケス(マーリンズ)が選出された。

     スプリンガーは打率.500(30打数15安打)、5本塁打、9打点、OPS1.565の大暴れでチームの10連勝に大きく貢献。安打、本塁打、OPSなどの部門でリーグトップの数字をマークした。「チームについてはとても満足している。この1ヶ月、チームの状態はとても良い。それに貢献することができて嬉しいよ」とスプリンガー自身もチーム状況に手応えを感じている様子。5月31日のツインズ戦では4打数4安打2本塁打2四球の大活躍で、A.J.ヒンチ監督は「信じられない1週間だったね」とスプリンガーの活躍を手放しで称賛した。

     ボルケスは6月3日のダイヤモンドバックス戦で今季メジャー初となるノーヒッターを達成。5月29日のフィリーズ戦でも6回1失点と好投して今季初勝利をマークしており、2先発で2勝0敗、防御率0.60と文句なしのパフォーマンスだった。ボルケスは「子供のとき、野球選手として、まずはメジャーリーガーになりたかった。そして、ノーヒッターを達成したり、オールスターに出場したりしたかった。夢が叶ったんだよ」と語り、ホゼ・フェルナンデスとヨーダノ・ベンチュラに捧げたノーヒッターを振り返っていた。

  • ナ・リーグ一塁手部門は大混戦!?

    2017.6.5 19:23 Monday

     日本時間7月12日にマイアミのマーリンズ・パークで開催される第88回オールスター・ゲーム。すでにファン投票は開始されており、日本時間5月31日にナ・リーグの第1回中間発表が行われた。得票数トップは90万79票を集めたブライス・ハーパー(ナショナルズ・外野手1位)。今回は激戦が予想されるナ・リーグ一塁手部門の行方を占ってみる。

     第1回中間発表で暫定スタメンの座を得たのはバスター・ポージー(ジャイアンツ・捕手)、アンソニー・リゾー(カブス・一塁手)、ダニエル・マーフィー(ナショナルズ・二塁手)、クリス・ブライアント(カブス・三塁手)、コリー・シーガー(ドジャース・遊撃手)、ハーパー、チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ・外野手2位)、ジェイソン・ヘイワード(カブス・外野手3位)の8名。各ポジションでカブス勢が上位につける中、ハーパー以外にポージー、シーガー、ブラックモンがファン投票選出圏内に名を連ねた。

     マーフィーやブライアントがすでに60万を超える票を得ている一方で、一塁手部門トップのリゾーは約45万票、遊撃手部門トップのシーガーは約40万票。この2部門では2位以下の選手にも幅広く票が入っており、熾烈な争いが繰り広げられていることが窺える。特に一塁手部門は好成績を残している選手も多く、最後の最後まで激しい争いが続きそうだ。では、一塁手部門の有力選手をチェックしていこう。

    アンソニー・リゾー(カブス)

     第1回中間発表では一塁手部門最多の45万2620票を獲得。昨季もファン投票でオールスターに選出されており、現在のナ・リーグで最も人気のある一塁手と言っても過言ではないだろう(チームの人気を差し引く必要はあるかもしれないが)。今季は5月に打率.194のスランプに陥るなど、ここまで打率.236とあまり元気がない。しかし、三振(28)以上の四球(32)を選ぶなど、打撃の質自体は決して悪くなく、極端に低いBABIP(.221)が上向くにつれて打率も上昇するはずだ。

    ライアン・ジマーマン(ナショナルズ)

     全盛期の強打を失い、不良債権化したはずの男が今季まさかの復活。両リーグ断トツの打率.374をマークするなど、打撃各部門で好成績をマークし、第1回中間発表では一塁手部門2位となる35万9055票を獲得した。一時は打撃3部門を独占し、4月は打率.420、11本塁打の好成績で月間MVPを受賞。その勢いは衰えつつあるとはいえ、5月も打率3割をクリアしており、6月も3試合で6安打と決して「春の珍事」ではなさそうだ。

    フレディ・フリーマン(ブレーブス)

     チーム状況も影響して打点こそ伸び悩んでいるものの、出場37試合で打率.341、14本塁打、OPS1.209という驚異的な打棒を見せていたフリーマン。しかし、5月17日のブルージェイズ戦で受けた死球によって左手首を骨折し、痛恨の戦線離脱。前半戦での戦列復帰はほぼ絶望という状況になっている。第1回中間発表では一塁手部門3位の28万6389票を獲得していたが、試合に出場していないだけに、今後急激に得票数が伸びることはないだろう。なお、チームは穴埋め要員としてカージナルスからマット・アダムスを獲得。今のところ、アダムスは期待に応える活躍を見せている。

    ポール・ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)

     走攻守3拍子揃った、一塁手には珍しいオールラウンドプレイヤー。昨季は24本塁打、32盗塁を記録し、今季もここまで13本塁打、12盗塁と「30-30」を狙えるペースで数字を積み上げている。ゴールドグラブ賞2回を誇る一塁守備に対する評価も高く、性格面も文句なし。打率.306、OPS.999と昨季やや物足りなかった打撃成績でも盛り返しており、第1回中間発表の一塁手部門4位(20万5828票)からさらなるランクアップも期待できそうだ。

    エリック・テームズ(ブリュワーズ)

     開幕直後の球界を席巻した「逆輸入スラッガー」。4月13日から5試合連続本塁打を記録するなど、開幕直後に本塁打を量産し、4月は打率.345、11本塁打の好成績をマーク。5月は打率.221と失速したものの、出塁率.375と優れた選球眼に狂いはなし。OPSも「10割超え」をキープしている。直近5試合で2本塁打とやや当たりが戻りつつあり、今後の活躍次第では第1回中間発表の一塁手部門5位(17万244票)からの大幅ランクアップも夢ではないだろう。

    ウィル・マイヤーズ(パドレス)

     昨季ついに開花し、初のオールスター出場を果たしたパドレスの看板選手。今季は4月10日のロッキーズ戦でサイクルヒットを達成するなど開幕から絶好調だったが、5月に入って打率.214と失速。ここまで打率.260、12本塁打、OPS.803とやや物足りない成績に落ち着いてしまった(それでもOPSは昨季を上回っているが)。16四球に対して70三振と打撃が粗くなっている点も心配。2年連続のオールスター出場に向けて6月以降の巻き返しに期待したい。

    ブランドン・ベルト(ジャイアンツ)

     昨季は最終枠の投票でオールスター初出場。自己最多の41二塁打、82打点、104四球、OPS.868を記録して一皮剥けた感もあったが、今季はここまで打率.234と低調なシーズンを送っている。本塁打は自己最多を更新するペースで放っており、自身初の20本塁打が現実味を帯びつつあるが、この調子では2年連続のオールスター出場はかなり難しいと言わざるを得ないだろう。

    マーク・レイノルズ(ロッキーズ)

     打者天国コロラドで輝きを取り戻した長距離砲。ダイヤモンドバックス時代の2009年には44本塁打、24盗塁、223三振というダイナミックな成績を残し、シーズン223三振は現在も歴代最多記録となっている。昨季は自己最高の打率.282を記録し、今季はマイナー契約でロッキーズと再契約。イアン・デズモンドの故障離脱もあって開幕ロースター入りを勝ち取り、5月5日から4試合連続本塁打を記録するなど、ここまで打率.295、14本塁打、OPS.901と昨季以上の好成績をマークしている。

    ジョーイ・ボットー(レッズ)

     メジャー最高級の選球眼を持つ男。打率.326、OPS.985を記録しながら「昨季のパフォーマンスに満足できなかった」とWBC出場を辞退して臨んだ今季は、打率こそ.286と物足りないものの、14本塁打、OPS.985を記録し、31三振に対して42四球と流石の数字をマーク。DRS-14まで悪化した一塁守備でも今季はDRS+5と本来の姿を取り戻している。昨季は内野フライを1本も打たなかったが、今季はすでに1本。2009年から8年連続で2本以下だが、今季はどうなるか。

    ジャスティン・ボーア(マーリンズ)

     今季急成長を遂げたマーリンズの正一塁手。昨季までは左投手を苦手としており、なかなかフルでの出場機会を得られずにいたが、今季はここまで打率.350、5本塁打、OPS1.197と苦手の左投手を完全に克服。シーズントータルでも打率.295、16本塁打、OPS.959の好成績をマークし、16本塁打はすでに昨季を上回っている。5月以降だけで12本塁打とここにきて調子を急激に上げており、地元開催でのオールスターに選出される可能性も十分にありそうだ。

  • 第9週の最優秀ブルペンはマーリンズ

    2017.6.5 16:00 Monday

     MLB公式サイトでは今季から週ごとに独自の計算方法で「週間最優秀ブルペン」を選出している。5月が終わり6月に突入した開幕第9週の最優秀ブルペンにはマーリンズが選出された。

     計算方法は至ってシンプル。以下のルールに従ってポイントを加減していくだけである(合計100ポイントで優秀だと考えられている)。
    ・1アウト=+1.5ポイント
    ・1奪三振=+1.5ポイント
    ・1セーブ=+5ポイント
    ・1被安打=-2ポイント
    ・1自責点=-4ポイント
    ・1非自責点=-2ポイント
    ・1与四球=-1ポイント
    ・1セーブ失敗=-5ポイント

     第9週のマーリンズは24.2回(=74アウト)で33奪三振、3セーブを記録し、被安打10、自責点4、与四球10、セーブ失敗1回で合計124.5ポイントを獲得。最近10試合で8勝2敗と好調なチームを安定したブルペンが支えている。最近7試合に限ればジャーリン・ガルシア、デービッド・フェルプス、A.J.ラモス、ニック・ウィットグレン、ブラッド・ジーグラーの5人が無失点。ダスティン・マゴーワンも防御率1.50と安定している。

     若きエース、ホゼ・フェルナンデスをボート事故で失ったマーリンズは今季、ジーグラー、田澤純一らを補強して弱体化した先発投手陣を強力ブルペンで支える方針を選択した。開幕から不安定な戦いが続いていたものの、ここにきてブルペンが安定。ナショナルズが独走しているナ・リーグ東部地区を、6月以降はマーリンズが盛り上げてくれるかもしれない。

    各週の最優秀ブルペン
    第1週 ロッキーズ(98ポイント)
    第2週 レッズ(119.5ポイント)
    第3週 アストロズ(132.5ポイント)
    第4週 エンゼルス(100.5ポイント)
    第5週 インディアンス(125ポイント)
    第6週 エンゼルス②(80.5ポイント)
    第7週 アストロズ②(106ポイント)
    第8週 ドジャース(126ポイント)
    第9週 マーリンズ(124.5ポイント)
    (丸印は受賞回数)

  • 【戦評】ベニンテンディがスランプ脱出の2ホーマー

    2017.6.5 15:22 Monday

     開幕前、各媒体で球界ナンバーワン・プロスペクト(若手有望株)に挙げられ、「新人王間違いなし」との声さえあったアンドリュー・ベニンテンディ(レッドソックス)。昨年8月にメジャーへ昇格し、34試合で打率.295、OPS.835と結果を残した若き好打者は、今年4月も打率.333、OPS.870の好成績をマークし、一時は4番に据えられていた。

     ところが、5月10日から昨日までの73打数で打率.123、OPS.358、長打は二塁打1本のみというスランプに陥り、先月末に4番を外され、開幕時の打順である2番に戻されていた。「大本命」に挙げられていた新人王レースでも猛打爆発のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)に水をあけられる苦しい展開。しかし、球界ナンバーワン・プロスペクトはこのまま終わるようなヤワな人間ではなかった。

     敵地ボルティモアでのオリオールズ4連戦の最終戦。「2番・レフト」で先発出場したベニンテンディは1点ビハインドの3回表に右中間へ今季6号となる同点ソロを放つと、7回表にはライトスタンドへこの日2本目となる7号ソロ。9回表にもダメ押しとなるタイムリーヒットを放ち、この日は2本塁打を含む3安打3打点の大活躍でチームを勝利に導いた。

     レッドソックスの先発クリス・セールはベニンテンディの活躍にも助けられ、6回6安打9奪三振3失点で今季7勝目をマーク。「言うまでもなく、俺たちは彼の活躍を必要としていた。今日は彼がスランプから立ち直るために大きな一日になったね」とベニンテンディのスランプ脱出を歓迎した。ア・リーグ東部地区の「本命」と見られながらもやや出遅れた感のあったレッドソックスだが、今日の勝利によって首位ヤンキースまで2ゲーム差。球界ナンバーワン・プロスペクトの復調とともに、「本命」の快進撃が幕を開けるかもしれない。

« Previous PageNext Page »