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  • 1試合4本塁打の歴史を振り返る

    2017.6.8 12:24 Thursday

     スクーター・ジェネット(レッズ)の1試合4本塁打に沸いた昨日のメジャーリーグ。ジェネットを含め、過去17人が達成している1試合4本塁打の歴史を簡単に振り返ってみよう。

    ①ボビー・ロウ(ビーンイーターズ:1894年5月30日)

     ロウは史上初となる1試合4本塁打を達成。うち2本は3回の1イニングで放ったものだった。ロウは決してスラッガーではなく、18年のメジャー生活で71本塁打を記録している。

    ②エド・デラハンティ(フィリーズ:1896年7月13日)

     4本塁打のうち2本がランニング本塁打という非常に珍しい記録の持ち主。歴代17度の1試合4本塁打のうち、ランニング本塁打が含まれているのはデラハンティだけである。デラハンティは16年のメジャー生活で101本塁打を記録。1893年の19本塁打が自己最多だった。

    ③ルー・ゲーリッグ(ヤンキース:1932年6月3日)

     ゲーリッグはア・リーグ史上初となる1試合4本塁打を達成。また、近代野球(1900年以降)でも初の快挙となった。この試合はヤンキースが20-13でアスレチックスに勝利。ゲーリッグは9回にもセンターへの大飛球を放ったが、スタンドへは僅かに届かなかった。ゲーリッグはこの年、34本塁打を記録。17年のメジャー生活で493本塁打を放った。

    ④チャック・クライン(フィリーズ:1936年7月10日)

     1933年に三冠王を獲得し、キャリア2度のサイクルヒットを達成したクラインは9-6でパイレーツに勝利したこの試合で4本のアーチを架けた。クラインはこの年、25本塁打を記録。17年のメジャー生活で300本塁打を放った。

    ⑤パット・シーリー(ホワイトソックス:1948年7月18日)

     シーリーはア・リーグ史上初となる延長戦での1試合4本塁打を達成。ダブルヘッダー第1戦でアスレチックス投手陣を粉砕した。シーリーのキャリアは短く、メジャー生活は7年のみ。その7年間で86本塁打を記録した。

    ⑥ギル・ホッジス(ドジャース:1950年8月31日)

     ホッジスは2回にこの日1本目の本塁打を名投手ウォーレン・スパーンから放つと、3回、6回、8回にもアーチを架け、1試合4本塁打を達成。この年32本塁打を放ったホッジスは、18年のメジャー生活で370本塁打を記録した。

    ⑦ジョー・アドコック(ブレーブス:1954年7月31日)

     アドコックは4人の投手からそれぞれ本塁打を放ち、二塁打1本と合わせて1試合18塁打を記録。これは当時のメジャー最多記録となった。シーズン16~19号本塁打を固め打ちしたアドコックは、この年23本塁打を記録。17年のメジャー生活で336本塁打を放った。

    ⑧ロッキー・コラビト(インディアンス:1959年6月10日)

     コラビトはオリオールズ投手陣から4打席連続本塁打を記録。ロウ、ゲーリッグに次ぐ史上3人目の4打席連発となった。コラビトはメジャー2年目の1956年から11年連続20本塁打以上を記録し、30本塁打以上が7度、40本塁打以上が3度。14年のメジャー生活で374本塁打を記録した。

    ⑨ウィリー・メイズ(ジャイアンツ:1961年4月30日)

     メジャーリーグが誇るレジェンドの一人であるメイズはこの試合、1回、3回、6回、8回にアーチを架け、4本塁打8打点の大暴れ。前夜に食べたスナックの影響で吐き気を催しながら試合に臨んでいたと伝えられている。メイズは22年にわたる長いキャリアの中で歴代5位となる660本塁打を記録した。

    ⑩マイク・シュミット(フィリーズ:1976年4月17日)

     フィリーズがカブスを18-16というスコアで破ったこの試合。名三塁手のシュミットにとっても記念すべき試合となった。チーム9本塁打のうち4本塁打がシュミットによるもので、5回、7回、8回、10回に4打席連続本塁打を記録し、チームの勝利に貢献。この年38本塁打を放ったシュミットは、18年のメジャー生活で548本塁打を記録した。

    ⑪ボブ・ホーナー(ブレーブス:1986年7月6日)

     2回に先制ソロを放ったホーナーは、4回にソロ、5回にスリーラン、9回にもソロを放ち、1試合4本塁打を達成。なお、ホーナーの4本塁打6打点の大活躍にもかかわらず、ブレーブスは8-11でエクスポズに敗れている。この年27本塁打を放ったホーナーは、翌年ヤクルトに入団。93試合で31本塁打を放ち、「ホーナー旋風」を巻き起こした。メジャー生活は通算10年で、218本塁打を記録した。

    ⑫マーク・ウィッテン(カージナルス:1993年9月7日)

     ダブルヘッダー第2戦、初回に満塁本塁打を放ったウィッテンは6回と7回にスリーラン、9回にツーランを放ち、1試合4本塁打と1試合12打点のメジャー最多タイ記録を同時に達成(1試合12打点は1924年にジム・ボトムリーが記録)。「史上最高のパフォーマンス」との呼び声もある。ウィッテンはこの年、自己最多となる25本塁打、99打点を記録。11年のメジャー生活で105本塁打を放った。

    ⑬マイク・キャメロン(マリナーズ:2002年5月2日)

     イチローと鉄壁の右中間を形成したキャメロンはこの試合、1回に2本塁打を放つと、3回と5回にもアーチを架け、5回までに4本塁打を記録。ルー・ピネラ監督は「人生で数多くの試合を見てきたけど、最初の5イニングで4本塁打なんて初めて見たよ」と驚きを隠せなかった。なお、ブレット・ブーンとキャメロンは同一イニングに2度の2者連続本塁打を記録。これは現在でも史上唯一の記録となっている。キャメロンは17年のメジャー生活で278本塁打を記録した。

    ⑭ショーン・グリーン(ドジャース:2002年5月23日)

     キャメロンの快挙達成から3週間。グリーンは4本塁打のほかに単打1本、二塁打1本を放ち、1試合19塁打のメジャー新記録を樹立した。この試合が始まるまで僅か5本塁打だったグリーンはこの試合をきっかけに復調し、この年42本塁打を記録。15年のメジャー生活で328本塁打を放った。

    ⑮カルロス・デルガド(ブルージェイズ:2003年9月25日)

     この年すでに37本塁打を放っていたデルガドはこの試合、1回に38号スリーランを放つと、4回、6回、8回にも本塁打を放ち、1試合4本塁打を達成。デルガドはこの日、体調不良だったと伝えられているが、試合中にはその影響を全く見せなかった。この日1本目の本塁打で通算300本塁打に到達したデルガドは、この日3本目の本塁打で自身3度目となるシーズン40本塁打にも到達。17年のメジャー生活で473本塁打を記録した。

    ⑯ジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ:2012年5月8日)

     1回、3回、7回、8回と4本のツーランを放ったハミルトン。うち2本はジェイク・アリエタ(当時オリオールズ)から放ったものだった。4回にはアリエタから二塁打を放っており、1試合18塁打はア・リーグ最多記録となっている。今年1月に再起を目指してレンジャーズとマイナー契約を結んだハミルトンだったが、4月にリリースされ、現在は無所属。通算200本塁打は2015年を最後に変わっていない。

    ⑰スクーター・ジェネット(レッズ:2017年6月6日)

     今季3本塁打だったジェネットは3回に4号満塁本塁打を放つと、4回に5号ツーラン、6回に6号ソロ、8回に7号ツーランを放ち、1回の先制タイムリーと合わせて5打数5安打4本塁打10打点の大暴れ。この時点で通算42本塁打となったジェネットだが、もちろんこれは1試合4本塁打を達成した17人の中で最少の数字。今後、ジェネットがどこまで通算本塁打数を増やしていけるか注目したい。

  • ヨエニス・セスペデスが復帰間近に

    2017.6.8 10:32 Thursday

     ナ・リーグ東部地区2位タイながら首位ナショナルズに12ゲームの大差をつけられているメッツ。そのメッツにまもなく頼れる主砲が戻ってくる。

     昨オフ、メッツと4年1億1000万ドルの大型契約を結んだヨエニス・セスペデスは今季、4月11日のフィリーズ戦で1試合3本塁打を記録するなど、出場18試合で6本塁打、10打点、OPS.992の好スタートを切った。ところが、左ハムストリングを痛めて4月28日に故障者リスト入り。セスペデスを欠いた試合でチームは16勝22敗(勝率.421)と苦戦が続いている。

     ジョン・リコGM補佐がニューヨーク・ポストに語ったところによると、ポートセントルーシーの春季キャンプ施設で調整中のセスペデスはすでに全力で走れる状態まで回復しており、違和感もなく、まもなくチームに合流できるようだ。

     当初はDHが使える敵地テキサスでのレンジャーズ戦で復帰する見込みだったが、Aアドバンス級でのリハビリ出場の際に四頭筋に痛みを感じ、復帰が先延ばしになっていた。メッツは今後、オールスター・ブレイクまでDHが使えないナ・リーグの球団との対戦が続くため、セスペデスが万全の状態となってから復帰させる方針だ。

     首位を快走するナショナルズを猛追するためにはセスペデスのバットは欠かせない。首脳陣、チームメイト、ファン、誰もが頼れる主砲の復帰を心待ちにしている。

  • 田中将大の復調を待つヤンキース

    2017.6.8 10:12 Thursday

     直近の5先発で0勝5敗、防御率10.72と極度の不振に苦しんでいる田中将大。しかし、ヤンキースは今のところ、田中を先発ローテーションから外すつもりはないようだ。

     「ローテーション通りだよ。話し合っていることはあるけど、表に出すような段階ではない」とジョー・ジラルディ監督が話せば、ラリー・ロスチャイルド投手コーチも田中の登板をスキップする計画はないことを明言した。しかしながら、ロスチャイド投手コーチは前回の対戦でノックアウトされたオリオールズ戦(日本時間6月12日)ではなく、マイク・トラウトを欠くエンゼルス戦(日本時間6月13日)に田中を回す可能性があることを示唆している。

     ジラルディ監督、ロスチャイルド投手コーチはともに田中の不調の原因がリリースポイントが安定しないことにあると考えており、すでに田中にもそれを伝え、改善に向けて動き始めている。ジラルディ監督はさらに、球速が出ていない一方で田中の身体には特に異常はないこと、スライダーやスプリッターの不安定さが不振に繋がっていることなどを付け加えた。

     本来のピッチングを取り戻すために苦心する田中将大。5年ぶりの地区優勝に向けて、首脳陣が自軍のエースとして信頼を置く右腕の復調は必要不可欠だ。

  • カージナルスがエクトル・メンドーサと契約

    2017.6.8 10:00 Thursday

     現在、ナ・リーグ中地区4位のカージナルスは新たにキューバ出身のエクトル・メンドーサとの契約に合意したと発表した。彼は23歳の右腕投手で以前は読売ジャイアンツにも所属していた。

     2014年8月に入団したメンドーサは当時、20歳。以前はキューバ国内リーグで先発や抑えをこなした経験から将来性豊かな選手として大きな期待がかけられていた。翌2015年に1軍デビューを果たすと2試合に登板して1ホールド 防御率3.00の成績を残した。そのオフには世界野球プレミア12でキューバ代表の一員としても投げていた。2016年も日本に残り、3試合でマウンドにあがるも防御率11.25と結果を残せず、その後はメジャー挑戦を目指して亡命していた。

     彼の武器は140キロ台中盤の直球をはじめ、カーブやスライダー、カットボールと多彩。カージナルスとしてはリリーフ投手として起用する見込みだという。近年、チームは3年前からキューバ出身選手の獲得に積極的でアレドミス・ディアスをはじめ、2016年に巨人に在籍したホセ・ガルシア、有望株の外野手であるジョナサン・マチャドなど数多くの選手を入団させている。

     日本では不本意な結果に終わったメンドーサ。果たして彼は新天地で活躍することができるのか、その右腕に注目が集まる。

  • マリナーズがジーン・セグーラと契約延長へ

    2017.6.7 18:34 Wednesday

     マリナーズが5年総額7000万ドルでジーン・セグーラとの契約延長に向けて動いている。

     ダイヤモンドバックスに加入した昨季大ブレイクを果たし、リーグ最多の203安打を記録して打率.319、20本塁打、33盗塁の好成績をマークしたセグーラ。昨季は二塁手としての出場が大半だったが、タイワン・ウォーカー、ケテル・マーテイとのトレードでミッチ・ハニガー、ザック・カーティスとともにマリナーズに加入した今季は本来のポジションである遊撃に復帰。昨季に続いて安定した打棒を発揮し、打率.341はリーグトップとなっている。

     今季のセグーラは開幕直後に右ハムストリングの張りで故障者リスト入りし、6月2日に右足首痛で再び故障者リスト入り。当初は復帰まで数週間を要すると見られていたものの、スコット・サービス監督によると戦列復帰に近付いているようだ。

     2015年オフに初めて年俸調停権を得たセグーラの年俸は2016年が260万ドル、今年が620万ドル。報道通りに5年契約が締結されれば、調停3年目とFA権取得後の4年間をカバーすることになり、2023年まで契約が残っているロビンソン・カノーと少なくとも2022年まで二遊間コンビを組むことになる。

     他にもネルソン・クルーズは2018年、フェリックス・ヘルナンデスは2019年、カイル・シーガーは2021年まで契約が残っており、マリナーズの「勝負モード」はあと数年続くことになりそうだ。

  • サム・ダイソンがジャイアンツへ

    2017.6.7 18:10 Wednesday

     ジャイアンツは後日指名選手または金銭とのトレードで、レンジャーズからサム・ダイソンと金銭を獲得した。

     昨季は73試合で38セーブをマークしてチームの地区優勝に大きく貢献し、第4回WBCにも参加してアメリカの初優勝に貢献したダイソンだったが、今季は開幕から絶不調。ここまで4度のセーブ機会を全て失敗し、被本塁打は昨季の5本をすでに上回る6本。奪三振数(7)を上回る四球(12)を与え、1勝6敗、防御率10.80と昨季の好成績が嘘のような大不振に苦しんでいた。

     ジャイアンツは安定感を欠くブルペンを立て直すためにダイソンを獲得。今季開幕からの不調が一時的なものであり、昨季のような安定感を取り戻してくれることを期待しているようだ。

     レンジャーズのジョン・ダニエルズGMによるとダイソンに対して複数の球団からトレードのオファーがあった模様。そのうちのいくつかの球団はダイソン同様に不振に陥っている選手とのトレードを提案してきたが、レンジャーズ側がマイナーの若手選手との交換を希望し、ジャイアンツとのトレードが実現するに至った。

  • 【戦評】シャーザーが圧巻の投球!7回14Kで今季7勝目

    2017.6.7 17:48 Wednesday

     ナ・リーグ東部地区で独走状態のナショナルズとナ・リーグ西部地区で激しい首位争いを繰り広げているドジャースが激突し、「ポストシーズン前哨戦」との声もある3連戦の第2戦。初戦を制したナショナルズはエース右腕のマックス・シャーザーで連勝を狙う。一方、本拠地ドジャー・スタジアムでの連敗は避けたいドジャースは開幕から安定した投球を続けているブランドン・マッカーシーに先発のマウンドを託した。

     試合は初回から動く。1回表、先頭の1番トレイ・ターナーが内野安打で出塁すると、すかさず二盗、三盗を決めて無死三塁のチャンスを作る。2番ブライアン・グッドウィンは三塁へのファウルフライに倒れたものの、3番ブライス・ハーパーがレフトへの犠牲フライを放ち、ナショナルズが1点を先制した。その裏、ドジャースは1番チェイス・アトリーがライト前ヒットで出塁し、2番コリー・シーガーの二塁ゴロをダニエル・マーフィーが弾いて無死一、二塁。3番ヤスマニ・グランダルは空振り三振に倒れたが、4番エイドリアン・ゴンザレスがライト前へタイムリーヒットを放ち、あっという間にドジャースが同点に追い付いた。しかし、シャーザーは5番コディ・ベリンジャー、6番クリス・テイラーを2者連続の空振り三振に斬って取り、計3奪三振と決して悪くないスタートを切る。

     シャーザーは2回裏に7番ローガン・フォーサイス、8番ヤシエル・プイーグ、9番マッカーシーから3者連続三振を奪い、なんとこれで5者連続三振。3回裏には2つの四球を与えたものの、ベリンジャーの振り逃げを含む3つの三振を奪い、3回まで9奪三振とハイペースで三振を積み重ねていく。

     シャーザーの快投に応えたいナショナルズ打線は4回表、先頭の3番ハーパーがライト線へのエンタイトル・ツーベースで出塁すると、4番ジマーマンの二塁ゴロの間にハーパーは三塁へ。ここで5番マーフィーが守備のミスを取り返す犠牲フライを放ち、ナショナルズが1点を勝ち越した。

     その後もシャーザーの好投は続き、4回裏に2三振、5回裏から7回裏まで各1三振を奪い、今季最多となる14奪三振を記録。打たれたヒットは僅か3本、7回1失点(自責点0)の見事なピッチングを見せ、2桁奪三振は早くも今季6度目となった。

     不安を抱えるナショナルズのリリーフ陣だが、この日は8回裏をオリバー・ペレスが2三振を含む三者凡退と完璧に抑え、最後を新人クローザーのコーダ・グローバーが締めて2-1で試合終了。マーフィーの犠牲フライで勝ち越した1点を守り抜き、ナショナルズがドジャースとの「ポストシーズン前哨戦」に連勝した。

     ドジャースは失策絡みで何度かチャンスを作ったものの、得点圏で10打数1安打に終わり、あと一本が出なかった。マッカーシーは7回3安打2失点と好投したが、打線の援護がなく、今季3敗目(5勝)。「彼らしいピッチングをしていたね」とシャーザーの好投を称えた。一方、シャーザーは今季7勝目(3敗)を挙げ、グローバーは8セーブ目をマークした。

     なお、3連戦の最終戦となる明日の試合はスティーブン・ストラスバーグ対クレイトン・カーショウという好マッチアップが予定されている。

  • 【戦評】ロイヤルズが驚異の粘り アストロズ連勝ストップ

    2017.6.7 15:55 Wednesday

     リリーフ陣の好投が味方の大逆転劇を呼び込んだ。

     本拠地カウフマン・スタジアムに11連勝中のアストロズを迎えている一昨年のワールドシリーズ王者・ロイヤルズ。4連戦の初戦を落として迎えた日本時間6月7日の第2戦。この試合はデービッド・ポーリーノ(アストロズ)、ジェイク・ジュニス(ロイヤルズ)の若手右腕対決となった。

     序盤から試合を優位に進めたのは11連勝中のアストロズ。3回表に3番ホゼ・アルトゥーベの犠牲フライなどで3点を先制すると、4回表には2番ジョシュ・レディックのタイムリーツーベース、5番カルロス・ベルトランの8号ツーランなどで4点を追加し、4回終了時点で7-2と大量5点をリード。ロイヤルズの先発・ジュニスを3.2回7失点でKOした。

     しかし、ここからロイヤルズのリリーフ陣がアストロズに追加点を許さない。5月29日に昇格後、3試合連続で無失点に抑えていた2番手ケビン・マッカーシーが2.1回を2安打無失点で切り抜けると、防御率9点台という大不振に喘いでいた3番手トラビス・ウッドも2回を無失点に抑え、味方の反撃に望みを託す。

     すると4点ビハインドの8回裏、一死からの3連打で1点を返すと、3回裏に今季1号本塁打を放った9番アレックス・ゴードンが四球を選んで二死満塁のチャンスを迎える。ここでアストロズのA.J.ヒンチ監督はこの回3人目の投手としてクローザーのケン・ジャイルズを投入。同点阻止、そして12連勝に向けて勝負を賭ける。

     打席には1番ウィット・メリーフィールド。昨日の試合で19試合連続安打がストップしてしまったものの、現在ロイヤルズで最も好調な打者の1人だ。スライダーの3連投であっという間にカウント0-2と追い込まれてしまったが、「打てないと思ったから見送ったんだ。そうしたらボールだったんだ」と試合後に振り返った外角への99.6マイルのフォーシームを見送り、カウント1-2。そして5球目。真ん中付近に入ってきた甘いスライダーを見逃さなかった。打球はレフトの左を襲い、走者一掃の同点タイムリーツーベース。一塁走者のゴードンが前のめりになりながら生還し、ロイヤルズがついに同点に追い付いた。

     9回表、ロイヤルズは4番手マイク・マイナーが二死から7番ユリエスキー・グリエルにヒットを許したものの、無失点に抑え、これでリリーフ陣は5.1回無失点という見事なパフォーマンス。あとは味方のサヨナラ劇を待つのみとなる。

     9回裏、アストロズはジャイルズが続投。3番ロレンゾ・ケインを三塁ゴロ、4番エリック・ホズマーを二塁ゴロに打ち取り、3球でツーアウトを取ったものの、5番サルバドール・ペレスにライト前ヒットを打たれて二死一塁。そして、ここで打席に入った6番マイク・ムスターカスがカウント0-1からの2球目、甘く入ったスライダーを見事に捉え、15号サヨナラツーランを豪快にライトスタンドへと叩き込んだ。

     試合後、ロイヤルズのネッド・ヨスト監督は「2-7になったときもベンチの雰囲気は悪くなかった。試合が決まったなんて思ってなかったよ」と語り、見事な逆転劇を演じたチームに満足げ。リリーフ陣の頑張りに打線が応え、まさにチーム一丸となって手にした会心の勝利となった。一方、敗戦投手となったジャイルズは「必要なときに自分の投球ができなかった。僕がチームを負けさせてしまったんだ。全部僕のせいだ。今日は勝てたはずの試合だった。打線はしっかり仕事をした。僕のせいだよ」とガックリ肩を落としていた。

     ロイヤルズの劇的な逆転勝利により、アストロズの連勝は11でストップ。明日の第3戦ではロイヤルズが今季好調のジェイソン・バルガスで連勝を狙う一方、アストロズはエース左腕のダラス・カイケルに連敗阻止を託す。

  • 【戦評】首位攻防3連戦の初戦をレッドソックスが制す

    2017.6.7 12:53 Wednesday

     久しぶりにヤンキースとレッドソックスによる首位争いが繰り広げられているア・リーグ東部地区。日本時間6月7日からヤンキー・スタジアムにて首位攻防の3連戦が始まった。レッドソックスが3連勝すれば首位が入れ替わるこの3連戦。大事な初戦のマウンドはドリュー・ポメランツ(レッドソックス)と田中将大(ヤンキース)に託された。

     1回表、レッドソックス打線は本調子でない田中を攻め立て、1番ムーキー・ベッツと2番アンドリュー・ベニンテンディの連打で無死一、三塁のチャンスを作る。ここで3番ザンダー・ボガーツがしっかり右方向へゴロを転がし、レッドソックスが幸先よく1点を先制する。一方のポメランツは3番アーロン・ジャッジにライトへのヒットを許したものの、3三振を奪う上々の立ち上がりを見せた。

     2回裏、ヤンキースは一死から6番アーロン・ヒックスが四球を選んで出塁すると、続く7番ディディ・グレゴリウスがライトへのヒットを放ち、ベッツの悪送球が絡んでヒックスが生還。1-1の同点に追い付く。

     同点に追い付いてもらった田中だが、3回表こそ三者凡退に抑えたものの、4回表、先頭の3番ボガーツを四球で歩かせると、4番ミッチ・モアランドと5番ハンリー・ラミレスに連続本塁打を許し、一挙3失点。続く5回表にも二死から2番ベニンテンディにソロ本塁打を浴び、結局、今日の田中は5回を投げて3本塁打を含む5安打5失点。またしても先発の役割を果たすことができず、防御率は6.55へと悪化した。

     ヤンキースはその後、5回裏に9番クリス・カーターがソロ本塁打を放って3点差に迫ると、6回裏には併殺打の間に1点を返して2点差。さらに8回裏には振り逃げの間に1点を返し、ついに1点差に迫る。

     しかし、最終回はレッドソックスの守護神クレイグ・キンブレルの前に1番ブレット・ガードナー、2番ゲーリー・サンチェス、3番ジャッジが三者連続三振に倒れ、万事休す。キンブレルは振り逃げの間に1点こそ与えたものの、アウトを全て三振で奪い、1.1回5奪三振の見事なリリーフでリーグトップの17セーブ目をマークした。

     5回5失点の田中はこれで5先発連続の黒星となり、5勝6敗と負けが先行。速球に威力がなく変化球に頼らざるを得ない場面が目立っており、不振は深刻だ。一方のポメランツは5回2失点(自責点1)の好投で6勝目(3敗)。3番手として登板したジョー・ケリーは今季最速タイとなる102.2マイル(約164.5km/h)を叩き出し、球場を沸かせた。なお、この勝利により2位レッドソックスは首位ヤンキースとのゲーム差を1に縮めている。

  • ドジャースが投手補強へ動く?

    2017.6.7 11:59 Wednesday

     ここまでメジャートップのチーム防御率3.22を記録しているドジャース。しかし、ポストシーズン進出、そしてワールドシリーズ制覇に向けて、投手陣のさらなるアップグレードを目指す可能性があるようだ。

     ドジャースの先発投手陣には実力派がズラリと名を連ねる一方で、コンディションに不安を抱えている投手が非常に多い。リッチ・ヒルは今季すでに2度の故障者リスト入りを経験し、前田健太、ブランドン・マッカーシー、リュ・ヒョンジンも1度ずつ故障者リスト入り。5月の月間最優秀投手に選出されたアレックス・ウッドも左胸鎖関節の炎症で故障者リスト入りしている。また、昨季鮮烈なデビューを果たしたフリオ・ウリアスは制球難に苦しみ、現在はマイナー中で調整中だ。これらの投手たちは実力こそあるものの、決して計算できる投手ではなく、先述の6人を合わせてもシーズン200投球回以上は僅か1度しかない(2014年のマッカーシー)。今後、複数の先発投手を同時に欠くという事態も十分に考えられるだけに、大黒柱クレイトン・カーショウを支える一流先発投手の獲得に動く可能性はある。

     また、カーショウは来年3月に30歳を迎える。ペドロ・マルティネス(元レッドソックスなど)が最後のサイ・ヤング賞を獲得したのが28歳のシーズンであるように、今後はカーショウにも衰えや成績悪化の恐れがつきまとう。昨季のポストシーズンでは大車輪の働きを見せたカーショウだが、カーショウ頼みの投手陣ではポストシーズンを勝ち抜けないことはすでに証明された。カーショウが選手生活のピークにいるうちにワールドシリーズ制覇を成し遂げるためには、やはりカーショウとダブル・エースを形成できるような投手の獲得が不可欠だろう。

     ドジャースが一流投手の獲得を可能にするだけの若手有望株や資金的余裕を抱えていることも投手補強を後押しする。今年7月のトレード市場ではダルビッシュ有(レンジャーズ)やジェイソン・バルガス(ロイヤルズ)、さらにはゲリット・コール(パイレーツ)、クリス・アーチャー(レイズ)、アービン・サンタナ(ツインズ)、ソニー・グレイ(アスレチックス)といった有力投手獲得の可能性が取り沙汰されることになりそうだ。

     さらに、信頼できるリリーフ左腕が不足していることもあり、トニー・ワトソン(パイレーツ)やブラッド・ハンド(パドレス)の獲得に動く可能性もある。ワトソンにはアストロズやナショナルズが興味を示しているという噂もあり、トレード市場が7月末のデッドラインに向けてどのように動いていくのか、今後の動きから目が離せない。

  • 【速報】ジェネットが史上17人目の1試合4本塁打

    2017.6.7 11:13 Wednesday

     日本時間6月7日のレッズ対カージナルス戦で史上17人目となる大記録が飛び出した。

     「5番・レフト」で先発出場したスクーター・ジェネットは1回裏の第1打席でカージナルス先発のアダム・ウェインライトから先制タイムリーを放つと、3回裏の第2打席で4号グランドスラム、4回裏の第3打席で5号ツーラン、6回裏の第4打席で6号ソロ、8回裏の第5打席で7号ツーランを放ち、2012年5月8日のジョシュ・ハミルトン(当時レンジャーズ)以来メジャー史上17人目となる1試合4本塁打を達成。レッズの選手としては初の快挙となった。

     また、同時に史上15人目となる1試合10打点以上を記録。1試合10打点は今年4月30日にアンソニー・レンドン(ナショナルズ)が記録しており、今季2人目となった。ジェネットは昨日のカージナルス戦で決勝2点タイムリーツーベースを放ち、19打数連続無安打のスランプから脱出したばかり。今年3月にウエーバーでブリュワーズからレッズへ放出された男が、誰も予想しなかった大爆発を見せた。

     試合はジェネットの歴史的な活躍もあってレッズが13-1と大勝。5連敗のカージナルスを抜いてナ・リーグ中部地区3位に浮上した。

  • コローンDL入りでニューカム昇格の可能性?

    2017.6.7 10:59 Wednesday

     今季12先発で2勝7敗、防御率7.78と苦しんでいるバートロ・コローン(ブレーブス)。チームはこの現役最年長選手を故障者リストへ登録することを決断した。

     昨日のフィリーズ戦で3.2回8失点と滅多打ちを喰らったコローンは、左腹斜筋痛のために今日、10日間の故障者リストに登録された。ブライアン・スニッカー監督は「彼は腹斜筋の治療を受けている。大きな問題ではないと思うよ。彼本来のピッチングではなかったし、何かあるんじゃないかと思っていたんだ」と語り、長期離脱にはならないことを示唆。チームは故障者リスト入りの期間を利用してコローンが心身ともに本来の姿を取り戻してくれることを期待しているようだ。

     コローンの枠を埋めるために、AA級ミシシッピからリリーフ右腕のジェイソン・ハーシュが昇格。コローンは日本時間6月11日のメッツ戦に先発する予定だったが、その試合ではAAA級グウィネットからマット・ウィスラーを昇格させて今季初先発を任せるようだ。また、同日はダブルヘッダーが予定されており、もう一方の試合では若手有望株のショーン・ニューカムあるいはルーカス・シムズが先発に抜擢される可能性が出てきた。両者とも今季は開幕からAAA級グウィネットでプレイしており、23歳の左腕・ニューカムは11先発で防御率2.97、23歳の右腕・シムズは11先発で防御率4.13をマーク。どちらが抜擢されてもメジャー初登板初先発となる。

     「選手を守るために決断しなければならないときもあるんだ」と語り、ベテラン右腕の故障者リスト入りを決断したスニッカー監督。その右腕と20歳以上離れた若手有望株にメジャー初登板初先発の機会を与えるのか。スニッカー監督の次なる決断に注目したい。

  • 第2回中間発表 ジャッジが全体トップに

    2017.6.7 10:20 Wednesday

     日本時間6月7日、第88回オールスター・ゲームのファン投票第2回中間発表(ア・リーグ)が行われ、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が故障離脱中のマイク・トラウト(エンゼルス)を抜いて全体トップに浮上した。

     ジャッジは外野手部門1位の125万1543票を獲得し、外野手部門2位のトラウト(115万5356票)を上回った。なお、現時点で100万票を超えたのはこの2人のみとなっている。外野手部門以外にトップが入れ替わったのは二塁手部門と三塁手部門。二塁手部門ではホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)が99万8107票を集め、前回トップのスターリン・カストロ(ヤンキース)を抜いてトップに浮上。また、三塁手部門では今季なかなか調子が上がらないマニー・マチャド(オリオールズ)が3位に後退し、前回2位のミゲル・サノー(ツインズ)と前回3位のホゼ・ラミレス(インディアンス)がそれぞれ1つずつ順位を上げた。

     捕手部門はサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)、一塁手部門はミゲル・カブレラ(タイガース)、遊撃手部門はフランシスコ・リンドーア(インディアンス)、指名打者部門はネルソン・クルーズ(マリナーズ)がトップの座をキープ。外野手部門では前回4位のマイケル・ブラントリー(インディアンス)が前回3位のムーキー・ベッツ(レッドソックス)を抜いてファン投票選出圏内に名を連ねている。

     一塁手部門はトップのカブレラですら47万5826票にとどまっており、2位のヨンダー・アロンゾ(アスレチックス)とは4万票ほどしか離れていない。圧倒的な実績を誇るカブレラだが、今季はここまで打率.274、5本塁打、OPS.811と冴えない数字が並んでおり、他の選手の活躍次第では今後順位が大きく入れ替わる可能性もありそうだ。

     投票締め切りは日本時間6月30日(金)午後12時59分。どの選手が夢の球宴への切符を手にするのか、今後の順位変動に注目だ。

  • チャップマンの復帰は6月中旬頃の予定

    2017.6.7 09:45 Wednesday

     野球にとって「守護神」はチームを勝利に導く重要な存在だ。ヤンキースには以前まで球界最多652セーブの記録をもつマリアノ・リベラがいたが、2013年を最後に引退し、現在はアロルディス・チャプマンがその役を務めている。しかし、日本時間5月15日に左肩の負傷で故障者リスト入りしているものの6月中旬に復帰するメドが立ったという。

     チャップマンは今季、カブスから出戻りという形でヤンキースに復帰し14試合に登板して1勝7セーブ 防御率3.55の成績を残していた。8セーブ機会で7回のセーブ成功とその成功率は88%だ。数字だけをみると昨年の87%とほぼ変わらない。彼がいない間はデリン・ベタンセスが守護神を担っている。

     チャップマン本人によると日本時間6月10日に2Aのトレントン・サンダーでリハビリ登板を果たす予定。体の状態も良いようで彼は通訳を通じ「調子はとてもよいよ」と話している。

     復帰時期は日本時間6月17日からのアスレチックス戦からとのこと。10日間の故障者リスト入りをしながらも約1ヶ月の間、戦列を離れていたチャップマンは再び守護神としてチームに復帰する予定だ。現在、ヤンキースは東地区1位であり彼が帰ってくれば2012年以来の地区優勝に向けて大きな力となることだろう。

  • 球速ランキングに異変?最速王は誰だ

    2017.6.6 19:03 Tuesday

     2015年から集計が始まったStatcastによる各種データ。MLB公式サイトからStatcastのリーダーボードへと飛び、「Fastest Pitches」の項目を選択すると各シーズンの球速トップ50を確認することができる。過去2年はアロルディス・チャップマン(現ヤンキース)の独擅場。しかし、今季はその球速ランキングに異変が起きている。

     チャップマンがエンジン全開になる前に故障離脱してしまったこともあり、今季の球速トップ50には様々な名前が並んでいる。昨季までは「チャップマン・フィルター」を使ってチャップマンをランキングから排除しなければ他の投手の名前が出てこなかっただけに、様々な名前が並ぶランキングを見るのは非常に新鮮な感覚だ。

     日本時間6月6日時点で今季最速の投球はジョー・ケリー(レッドソックス)が4月28日のカブス戦でアンソニー・リゾーに投じた102.1マイル(約164.3km/h)のツーシームとなっている。他にチャップマンが102マイル以上のフォーシームを2球投げており、今季のメジャーリーグで102マイル以上の投球はこの3球だけ。ちなみに、101マイル以上まで範囲を広げると投手別の投球数は以下のようになる。

     

    チャップマン 14球(最速102.1マイル)
    ケリー 9球(最速102.2マイル)
    トレバー・ローゼンタール(カージナルス) 9球(最速101.7マイル)
    フェリペ・リベロ(パイレーツ) 5球(最速101.6マイル)
    フランキー・モンタス(アスレチックス) 4球(最速101.3マイル)
    エニー・ロメロ(ナショナルズ) 2球(最速101.5マイル)
    デリン・ベタンセス(ヤンキース) 1球(最速101.0マイル)

     

     やはり流石チャップマンといった結果になってしまうのだが、「Average Pitch Veocity」、要するに球種別の平均球速ランキングを見ると話が少し変わってくる。こちらのランキングではチャップマンのフォーシームは平均98.2マイルで7位。チャップマンより上の顔ぶれは以下のようになっている。

     

    1位 ローゼンタール フォーシーム(平均99.2マイル)
    2位 ケリー ツーシーム(平均98.9マイル)
    3位 ノア・シンダーガード(メッツ) フォーシーム(平均98.7マイル)
    4位 ライン・スタネック(レイズ) フォーシーム(平均98.5マイル)
    5位 ケリー シンカー(平均98.4マイル)
    6位 ホゼ・アルバラード(レイズ) フォーシーム(平均98.3マイル)

     

     ケリーが2球種でランクイン。また、ローゼンタールのフォーシームが平均球速ランキングではトップに立っている。そして、基本的に救援投手ばかりがランキングに名を連ねる中、シンダーガードのフォーシームが平均球速3位にランクインするという衝撃の結果となっている。

     チャップマンがまだ本領を発揮しておらず、昨季台頭してきた新世代の速球王マウリシオ・カブレラ(ブレーブス)も今季まだメジャーでは1球も投げていないため、暫定的なものにはなってしまうが、今季のメジャーリーグの「最速王」は先発投手がシンダーガード、救援投手がローゼンタールまたはケリーということになりそうだ。

     今後、シーズン終了までに「Fastest Pitches」と「Average Pitch Velocity」のランキングがどのように変化していくのか。Statcast導入によってより身近になった球速ランキングにもぜひ注目してみてほしい。

  • 【戦評】サマージャ復活!10奪三振無四球で今季2勝目

    2017.6.6 18:03 Tuesday

     ナ・リーグ西部地区の「本命」ドジャースの対抗一番手と目されながら、開幕から不甲斐ない戦いが続くジャイアンツ。大黒柱のマディソン・バムガーナーがバイク事故で長期離脱し、昨季18勝のジョニー・クエイトもなかなか調子が上がらない中、左のエース・バムガーナー、右のエース・クエイトに続く「3番目の男」がいよいよその類稀なる才能を本格開花させようとしている。

     その男の名はジェフ・サマージャ。エース級のポテンシャルを持つと評価されながら、2012年の先発転向後、5年連続2桁敗戦で白星先行は僅か1度(2016年:12勝11敗)とポテンシャルをフルに開花させることができずにいる本格派右腕だ。今季は初登板となった4月6日のダイヤモンドバックス戦で3本塁打を浴び、5.1回6失点でKOされると、そこから開幕4連敗。4月は5先発で0勝4敗、防御率6.32という惨憺たる成績に終わってしまった。

     しかし、5月3日のドジャース戦で8回3安打11奪三振1失点(自責点0)という見事なピッチングを見せると、徐々に風向きが変わり始める。この試合を含め、とにかく四球を与えないのだ。5月は結局6先発で1勝どまりだったものの、40.2回を投げて49個の三振を奪った一方、与えた四球は僅か1つだけ。月間K/BB49.00という驚異的な数字をマークした(K/BBは四球1つに対する奪三振の数を表し、今季の現時点でのメジャー平均は2.54)。

     そして迎えた今日のブリュワーズ戦。サマージャは立ち上がりに連打を浴び、犠牲フライにエラーが絡んで2点を失ったものの、2回から6回まで1人の走者も許さない完璧なピッチングを披露。試合終盤にはやや疲れが見え始めたが、追加点は許さず、7.2回6安打10奪三振2失点(自責点1)という見事なピッチングで今季2勝目(7敗)をマークした。

     約1ヶ月ぶりとなる2桁奪三振を記録した一方、もちろん今日も与えた四球はゼロ。これで5月以降は59奪三振に対して僅か1四球、その間K/BB59.00という奇跡的な数字をマークしている(シーズン通算のK/BBは8.55でリーグ1位)。「彼は素晴らしいピッチングを見せてくれたね」とジャイアンツのブルース・ボウチー監督。「彼のコマンドは優秀で、球速も素晴らしい。優れたチェンジアップとカットボールも持っている。あまり得意としていなかった球場で上手くやってくれたよ」

     サマージャは「俺はとても興奮しやすい男で、とにかく強いボールを投げたいんだ。でも、強いボールを投げたいところへ投げるためには身体を正しく使わなきゃいけないということを学ぶのに時間が掛かってしまった」と語る一方、デーブ・リゲッティ投手コーチとともに取り組んだメカニクスの調整についても語り、「今はそれをしっかり実行できているんだ」と自身のピッチングに手応えを感じている様子。

     タイ・ブラックが必死でバムガーナーの穴を埋めており、あとはクエイト、マット・ムーア、マット・ケインといった「実績組」が本来のピッチングを取り戻すだけ。大黒柱不在で苦しい先発投手陣を引っ張っていくことが、覚醒しつつあるサマージャに与えられた使命である。

  • 【戦評】アストロズ11連勝 2位と14ゲーム差に

    2017.6.6 15:24 Tuesday

     アストロズの本拠地ミニッツメイド・パークでは、試合開始時やアストロズの選手が本塁打を放った際に左中間スタンド後方を蒸気機関車が走る。その蒸気機関車さながらに「アストロズ特急」が止まらない。

     本拠地でのオリオールズ3連戦、敵地でのツインズ3連戦とレンジャーズ3連戦をいずれもスイープして10連勝で敵地カンザスシティに乗り込んだアストロズ。4連戦の初戦はアストロズがマイク・ファイヤーズ、ロイヤルズが開幕5連敗中のイアン・ケネディの先発で始まった。

     試合が動いたのは2回表。一死から7番ブライアン・マッキャンがレフトへのツーベースを放ち、続く8番ユリエスキー・グリエルが四球を選んで一死一、二塁のチャンスを作る。ここで打席には日米通算2000安打まであと5本に迫っている9番・青木宣親。カウント3-1からのツーシームを捉えた痛烈な打球がライトの右を襲い、二塁からマッキャンが生還。1番ジョージ・スプリンガーもセンター前タイムリーで続き、アストロズが2点を先制した。4回表には7番マッキャンが真ん中に入った甘いツーシームを逃さず捉え、ライトへの7号ツーランで4-0。10連勝中の勢いそのままに、アストロズが試合を優位に進めていく。

     ロイヤルズは4回裏に7番ブランドン・モスのタイムリーツーベースと8番アルシデス・エスコバーのタイムリー内野安打で2点を返し、7回裏には新人の2番ホルヘ・ボニファシオが8号ソロを放って1点差に迫る。さらに8回裏には二死から6番マイク・ムスターカスがライトへのツーベースを放って同点のチャンスを作ったものの、アストロズの4番手ウィル・ハリスが7番モスから空振り三振を奪い、アストロズ1点リードのまま試合は9回へ。

     9回表、ロイヤルズのネッド・ヨスト監督は9回裏の逆転を信じて守護神ケルビン・ヘレーラを投入したが、これが大誤算。途中出場の6番アレックス・ブレグマンにライトへのヒットで出塁を許すと、味方のエラーが絡んで無死一、二塁のピンチを背負ってしまう。ここで8番グリエルが甘く入ったスライダーをレフトスタンドへ豪快に叩き込んで勝負あり。ア・リーグ西部地区首位を快走するアストロズが中部地区最下位のロイヤルズに力の差を見せつけた試合となった。

     試合後、アストロズのA.J.ヒンチ監督は「言うまでもなく、グリエルがヘレーラから打った一発が大きかったね」と試合を決めたグリエルの一発を称賛。一方、開幕から6連敗となったロイヤルズの先発ケネディは「1番から9番まで、あの打線は休むヒマを与えてくれないんだ」とアストロズ打線に完敗といった様子。なお、この試合でロイヤルズのウィット・メリーフィールドの19試合連続安打がストップした。

     11連勝となったアストロズはこれで42勝16敗となり、勝率は.724へと上昇(シーズン117.3勝ペース)。試合のなかった2位エンゼルスとの差は14ゲームに広がり、ア・リーグ西部地区には早くも「終戦」の雰囲気が漂い始めている。

  • 状況改善に自信を見せるモゼリアックGM

    2017.6.6 13:08 Tuesday

     21世紀の常勝軍団・カージナルスが苦しんでいる。4月を12勝12敗の勝率.500で終え、5月2日からの11試合で6連勝を含む9勝2敗と一気に勢いに乗って地区首位へ浮上したところまでは良かったのだが、その後の19試合で5勝14敗と急失速。3つの借金を抱え、地区3位に低迷している。「赤い鳥」が再浮上するためには何が必要なのか。

     好調マイク・リーク(5勝4敗、防御率2.64)を中心にメジャー屈指の安定感を発揮している先発投手陣に対し、カージナルスの救援投手陣は開幕から不安定な投球が続いている。開幕直後に安定感を欠いたオ・スンファン(23試合、13セーブ、防御率2.77)は徐々に本来の姿を取り戻し、昨季絶不調に陥ったトレバー・ローゼンタール(22試合、防御率2.53)も頼れるセットアッパーとして復活。しかし、左のセットアッパーであるケビン・シーグリスト(24試合、防御率4.79)や4年契約で加入したブレット・シーセル(28試合、防御率4.05)はなかなか調子が上がらず、開幕直後にチーム内で最も安定していたマット・ボーマン(28試合、防御率4.91)も打ち込まれる試合が増えつつある。

     「出れば打たれる」状態が続いていたジョナサン・ブロクストン(20試合、防御率6.89)を5月31日にリリースし、敗戦処理の仕事すらままならなかったミゲル・ソコロビッチ(15試合、防御率8.68)もDFAを経てマイナー送りとするなど、ブルペン再建に着手してはいるものの、思うような成果は得られていない。サム・トゥイバイララ(10試合、防御率3.27)、ジョン・ブレビア(3試合、防御率0.00)といったフレッシュな戦力を上手く活用することが必要だろう。また、ここにきて調子を落としているマイケル・ワカ(2勝3敗、防御率4.67)をブルペンに回し、AAA級で安定したピッチング(5勝1敗、防御率2.08)を見せているルーク・ウィーバーを抜擢するオプションも今後、検討されるかもしれない。

     打線は主力選手の復調待ちといった状況で、特に打線の核となるべきマット・カーペンター(打率.213、9本塁打、OPS.752)、デクスター・ファウラー(打率.225、8本塁打、OPS.747)あたりの調子が上がってこないことには話にならない。スティーブン・ピスコッティ(打率.243、3本塁打、OPS.754)、アレドミス・ディアス(打率.257、5本塁打、OPS.688)ら若手打者にも元気がなく、ジェッド・ジョーコ(打率.311、8本塁打、OPS.898)が孤軍奮闘している状況だ。

     また、正二塁手のコルテン・ウォン(打率.278、1本塁打、OPS.792)が故障者リストから復帰間近ということもあり、ジョニー・ペラルタ(打率.189、0本塁打、OPS.434)の処遇にも注目が集まっている。複数ポジションを守れるうえに打撃でもまずまずの結果を残している新人ポール・デヨング(打率.290、1本塁打、OPS.742)をロースターに残す場合にはペラルタのDFAないしリリースが現実味を帯びてくる。さらに、Aアドバンス級での再調整を続けているランドール・グリチック(打率.222、4本塁打、OPS.653)を正左翼手としてメジャーに復帰させる場合、チームトップのOPSを記録しているトミー・ファム(打率.295、5本塁打、OPS.913)がスタメンから外れることになり、このあたりの選手起用に関してもマイク・マシーニー監督は頭を悩ませることになりそうだ。

     余剰戦力となっていたマット・アダムス(打率.292、1本塁打、OPS.735:在籍時のみの成績)をブレーブスへ放出するなど、戦力の整備を進めているカージナルス。ジョン・モゼリアックGMは自身が整えたロースターに自信を持っており、現時点では外部からの補強に動くつもりはないようだ。外野手不足により緊急昇格したマグネウリス・シエラ(打率.375、0本塁打、OPS.804)が結果を残したように、マイナー組織もそれなりには充実しており、球団内部の戦力で十分に補えると判断しているのかもしれない。

     伏兵ブリュワーズに先を行かれ、宿敵カブスも徐々に調子を上げる中、モゼリアックGMはいつまで主力選手の復調を待ち続けるのか。先発投手陣の頑張りをフイにし続けるブルペンを立て直すプランはあるのか。「現在と未来」を両立させ、常勝軍団を築いてきたモゼリアックGMの次なる一手に注目したい。

  • レッドソックスの苦労人 ロビー・スコット

    2017.6.6 11:43 Tuesday

     ロビー・スコット。この男の名前を聞いたことはあるだろうか。熱心なレッドソックスファンなら今季何度もこの男の名前を耳にしていることだろう。しかし、他球団のファン、ましてやナ・リーグの球団を応援しているファンの中にはこの男の名前を一度も聞いたことがないという人も多いかもしれない。

     ロバート・ジョン・スコット。フロリダ州マイアミ生まれの27歳。2011年にフロリダ州立大学で16試合にリリーフ登板し、9.1回を投げて防御率4.82という冴えない成績に終わったサウスポーはドラフト指名を得ることができず、独立リーグでプレイすることを決めた。独立リーグで7試合に登板し、11回を投げて無失点、19個の三振を奪ったパフォーマンスが評価され、2011年8月10日にレッドソックスと契約。ここからスコットのマイナー生活が始まった。

     AA級以下のレベルではスコットのピッチングは十分に通用し、2014年にはAA級で1先発を含む35試合に登板して8勝2敗3セーブ、防御率1.96の好成績をマーク。ところが、翌年AAA級に初昇格したスコットは13試合で防御率7.67、被打率.341と滅多打ちを喰らい、プロ入り後初めて大きな壁にぶち当たる。

     しかし、この時スコットは新たなチャレンジの真っ最中だった。好成績を残した2014年シーズン終了後、アリゾナ秋季リーグに参加していたスコットは、マリナーズ傘下で投手コーチを務めていたアンドリュー・ローレイン(2017年WBCイスラエル代表の投手コーチ)と出会う。「腕を下げることを考えたことはあるか?」と尋ねられたスコットは「一度もないです」と答えた。「よし、君のチームの投手コーディネーターに明日連絡するよ」とローレインは言った。

     長年レッドソックスで投手コーディネーターを務めているラルフ・トレウエルは、数日後にスコットら若手有望株を視察するためにアリゾナ秋季リーグを訪問する予定だった。そして、トレウエルとの議論の末、スコットの挑戦が始まる。

     2015年から2016年にかけてAAA級ポータケットの投手コーチ、ボブ・キッパーのもとで腕を下げた投球をマスターしたスコットは2016年、AAA級で32試合に登板して防御率2.54、被打率.202の好成績をマーク。9月2日には27歳にして初のメジャー昇格を勝ち取った。「簡単なプロセスではなかったよ。一夜のうちに解決するようなことではなかったからね」とスコットは振り返る。

     今季、スコットはここまで23試合に登板して防御率1.42、WHIP0.63、被打率.122の好成績をマーク。開幕ロースターの最後の1枠を勝ち取り、ロビー・ロスJr.、フェルナンド・アバッドに次ぐ「リリーフ左腕3番手」からスタートしたスコットは、ジョン・ファレル監督の信頼を勝ち取り、すでに「リリーフ左腕1番手」の座を手中に収めている。試合終盤、ロビンソン・カノー(マリナーズ)やクリス・デービス(オリオールズ)といった左の強打者に打順が回ってくる際には真っ先にスコットの名前が呼ばれるのだ。

     Statcastのデータによると、今季左打者に対して10度以上の打球がある全投手の中で左打者による初速72.7マイルは最も低い数字。速球の優れたコマンドが成功の要因であることは間違いないが、カーブは左打者に対して被打率.083(12打数1安打)、29度のスイングで12度の空振りと非常に効果的に機能している。投手コーチ補佐のブライアン・バニスターも「打者にとってはかなりやりにくい相手だろうね」と語る。

     ドラフト指名漏れの「落ちこぼれ」からブルペンに欠かせない「リリーフ左腕1番手」へと登り詰めたスコットのサクセス・ストーリー。その物語はまだ始まったばかりだ。

  • 第2回中間発表 ジマーマンがトップに浮上

    2017.6.6 10:36 Tuesday

     日本時間6月6日、第88回オールスター・ゲームのファン投票第2回中間発表(ナ・リーグ)が行われ、一塁手部門でライアン・ジマーマン(ナショナルズ)がアンソニー・リゾー(カブス)を抜いてトップに浮上した。

     全体トップは外野手部門1位のブライス・ハーパー(ナショナルズ)で変わらず、145万9235票を獲得。二塁手部門1位のダニエル・マーフィー(ナショナルズ)もすでに114万9130票を集め、現時点で100万票を超えたのはこの2人のみとなっている。一塁手部門以外にトップが入れ替わった部門はなく、捕手部門はバスター・ポージー(ジャイアンツ)、三塁手部門はクリス・ブライアント(カブス)、遊撃手部門はコリー・シーガー(ドジャース)がトップの座をキープ。外野手部門の2位チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)と3位ジェイソン・ヘイワード(カブス)も前回発表時から変わっていない。

     一塁手部門では前回5位だったエリック・テームズ(ブリュワーズ)が圏外(=6位以下)に落ち、マット・カーペンター(カージナルス)が5位にランクイン。二塁手部門では前回4位のコルテン・ウォン(カージナルス)と同5位のDJレメイヒュー(ロッキーズ)が入れ替わり、レメイヒューが4位に浮上した。同様に三塁手部門でも前回4位のジェッド・ジョーコ(カージナルス)と同5位のアンソニー・レンドン(ナショナルズ)が入れ替わり、レンドンが4位に浮上。遊撃手部門では今季好調のザック・コザート(レッズ)がアディソン・ラッセル(カブス)を抜き、前回の3位から2位に浮上している。

     外野手部門では前回6位のマット・ケンプ(ブレーブス)がカイル・シュワーバー(カブス)を抜いて5位に浮上。ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)やデクスター・ファウラー(カージナルス)らが順位を上げ、アダム・デュバル(レッズ)が新たに13位に名を連ねた一方、ライアン・ブラウン(ブリュワーズ)らが順位を落とし、前回15位のカルロス・ゴンザレスは圏外(=16位以下)に転落した。

     投票締め切りまでまだ3週間以上の期間が残されており、どの選手がファン投票で選出されるのか、今後の順位変動から目が離せない。

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