6月の各賞受賞者が発表
2017.7.4 11:14 Tuesday
メジャーリーグの月間最多記録を更新する1101本塁打が飛び出した今年6月。日本時間7月4日に、6月の各賞受賞者(月間最優秀選手、月間最優秀投手、月間最優秀新人、月間最優秀リリーバー)が発表された。受賞者の活躍を簡単に振り返ってみたい。
ア・リーグ月間最優秀選手:アーロン・ジャッジ(ヤンキース)
打率.324、10本塁打、25打点、OPS1.167という新人離れした好成績をマークし、自身初となる月間最優秀選手に輝いた。30得点、30四球、出塁率.481はいずれもリーグトップの数字であり、ジャッジの強打を恐れて相手投手が勝負を避けるようになりつつある様子がうかがえる。10本塁打はリーグ2位タイ、長打率.686はリーグ3位、25打点はリーグ5位タイと、勝負をしてもらえない場面が増えたなかでもしっかり結果を残しているのは見事である。リーグ最多得票でオールスターに選出され、ホームラン・ダービーへの出場も表明したジャッジ。ヤンキース新時代を象徴するスラッガーの勢いがどこまで続くか注目だ。
ナ・リーグ月間最優秀選手:アンドリュー・マカッチェン(パイレーツ)
打率.411、6本塁打、23打点、OPS1.193という見事な成績を残し、2015年8月以来自身5度目となる月間最優秀選手に輝いた。月間最優秀選手を5度受賞したのは球団史上初、リーグでも2003年8月に5度目の月間最優秀選手に輝いたブラディミール・ゲレーロ(当時エクスポズ)以来の快挙である。打率.411と出塁率.505はリーグトップ、長打率.689はリーグ3位、37安打はリーグ3位タイ、22得点はリーグ5位タイ、23打点はリーグ6位の好成績だった。一時は限界説が囁かれたものの、それを跳ね返すかのように好調を維持しているマカッチェン。昨季の不振を脱し、4年連続でOPS.889以上をマークした本来の姿が戻ってきた。
ア・リーグ月間最優秀投手:コリー・クルーバー(インディアンス)
6先発で43イニングを投げ、4勝0敗、防御率1.26、64奪三振という圧倒的なパフォーマンスを披露して昨年8月以来自身3度目の月間最優秀投手に選出された。43イニングと64奪三振は両リーグの全投手中トップ、防御率1.26はリーグトップの数字だった。最大の武器であるカーブを積極的に使うようになったことが功を奏し、6度の先発で5度の2桁奪三振をマーク。なかでも日本時間6月20日のオリオールズ戦では3安打11奪三振で無四球完封という圧巻のピッチングを見せた。腰痛での故障者リスト入りを経て、2014年のサイ・ヤング賞受賞者が完全復活。リーグ連覇、そしてワールドシリーズ制覇を目指すインディアンスに頼もしい男が帰ってきた。
ナ・リーグ月間最優秀投手:マックス・シャーザー(ナショナルズ)
5先発で3勝2敗ながら、36.1イニングを投げて防御率0.99、51奪三振という見事な数字をマークし、2015年6月以来自身3度目の月間最優秀投手に輝いた。36.1イニングで自責点はわずか4、14安打しか許さず、防御率0.99は両リーグの先発投手の中でトップの数字だった。日本時間6月12日のレンジャーズ戦では歴代3番目に少ないイニング数で通算2000奪三振に到達。登板試合数で見ても歴代3位タイとなるスピード達成だった。日本時間5月27日の登板から6試合連続で2桁奪三振を記録するなど、今季ここまで防御率1.94と驚異的なパフォーマンスを披露しており、クレイトン・カーショウ(ドジャース)とのサイ・ヤング賞争いにも注目だ。
ア・リーグ月間最優秀新人:アーロン・ジャッジ(ヤンキース)
初の月間最優秀選手に輝いた一方、月間最優秀新人は4月から3ヶ月連続の受賞となった。1シーズンで3度の月間最優秀新人に輝くのは2014年のホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)以来3年ぶり、3ヶ月連続受賞となると2012年5~8月に4ヶ月連続で受賞したマイク・トラウト(エンゼルス)以来5年ぶりの快挙である。ヤンキースの新人選手がオールスターで先発出場するのは2003年の松井秀喜以来であり、ジョー・ディマジオ(1936年)ら名選手に肩を並べたことになる。また、25歳でリーグ最多得票となったのは1994年に24歳のケン・グリフィーJr.(マリナーズ)がリーグ最多得票に輝いて以来23年ぶりの年少記録となった。
ナ・リーグ月間最優秀新人:コディ・ベリンジャー(ドジャース)
打率.286、13本塁打、27打点、OPS1.104というメジャー1年目の新人らしからぬ驚異的な打棒を発揮し、満票で2ヶ月連続となる月間最優秀新人に選出された。2ヶ月連続受賞はリーグでは昨年8~9月のトレイ・ターナー(ナショナルズ)以来となる。また、2001年の表彰開始以来、ドジャースの選手が1シーズンに2度、月間最優秀新人に選ばれたのはベリンジャーが初めてである。30安打、9二塁打、13本塁打、27打点、長打率.743など各部門で新人リーグトップの数字をマーク。月間13本塁打は新人ではメジャー歴代3位タイとなる好成績だった。史上初となる「両リーグでの新人本塁打王誕生」に期待したいところだ。
ア・リーグ月間最優秀リリーバー:ロベルト・オスーナ(ブルージェイズ)
12試合に登板して8セーブ(セーブ成功率100%)、防御率0.79、被打率.105とほぼ完璧なピッチングを披露し、自身初となる月間最優秀リリーバーに選出された。日本時間4月30日から18セーブ機会連続成功を継続中であり、これは球団史上3位タイの記録となっている(1位はトム・ヘンキーの25連続、2位はビリー・コッチの21連続)。さらに、メジャー史上最年少で通算75セーブに到達。開幕当初こそやや苦しんだものの、22歳の若きクローザーはすっかり本来のピッチングを取り戻している。20歳からクローザーを務めているため、故障さえなければ通算セーブ記録の更新も狙える存在。今後のオスーナの活躍に注目したい。
ナ・リーグ月間最優秀リリーバー:ケンリー・ジャンセン(ドジャース)
12試合に登板して10セーブ(セーブ成功率100%)、防御率0.00、被打率.085という完璧なパフォーマンスで自身初となる月間最優秀リリーバーに輝いた。日本時間6月12日のレッズ戦では史上49人目の通算200セーブに到達。通算セーブ数(207)と通算奪三振数(685)はすでに救援投手による球団記録となっている。また、日本時間6月26日のロッキーズ戦で今季初の四球を与えたが、それまでに51三振を奪い、「開幕からの無四球での奪三振数」でメジャー記録を更新。従来の記録は2013年にアダム・ウェインライト(カージナルス)が記録した35であり、大幅な記録更新となった。イニング跨ぎも厭わないジャンセンは「現役最強クローザー」に相応しい存在だ。
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