【戦評】決めたのはブレグマン!アストロズが死闘を制して王手
2017.10.30 15:14 Monday

勝ち越したと思えば追い付かれ、逆転したかと思えば追い付かれ、両軍が驚異の粘りを見せて終盤まで目の離せない展開が続いたワールドシリーズ第5戦。まさに死闘と呼ぶべきこの試合を制したのは、今ポストシーズン、ホームで7勝1敗という圧倒的な強さを誇るアストロズだった。
4回裏にユリ・グリエルが同点スリーラン、5回表にコディ・ベリンジャーが勝ち越しスリーラン、5回裏にホゼ・アルトゥーベが同点スリーランを放ち、7対7の同点で試合は終盤に突入。疲労が見えるブルペンを総動員しての総力戦が始まった。
7回表、ドジャースはこの回からマウンドに上がったブラッド・ピーコックを攻め、ベリンジャーのタイムリー三塁打で1点を勝ち越し。ところがその裏、アストロズは同じくこの回から登板したブランドン・モローを攻略し、ジョージ・スプリンガーの同点弾、アルトゥーベの勝ち越しタイムリー二塁打、カルロス・コレアのツーランで一挙4点を奪って逆転に成功した。
8回表、ドジャースは再びピーコックを攻め、一死一、二塁のチャンスを迎える。ここでアストロズはウィル・ハリスを投入したが、コリー・シーガーがタイムリー二塁打を放って9対11。しかしその裏、アストロズはブライアン・マッキャンに一発が飛び出し、再び3点差とした。なお、アストロズはこの一発によりグリエル、アルトゥーベ、スプリンガー、コレア、マッキャンと異なる5選手が本塁打を放ったことになり、ワールドシリーズ史上初の快挙となった。
9回表、アストロズは8回表二死から登板したクリス・デベンスキーを続投させたが、ドジャースは先頭のベリンジャーが四球を選んで出塁し、一死後にヤシエル・プイーグがツーランを放って1点差。さらにオースティン・バーンズの二塁打で一死二塁のチャンスを作り、二死三塁からクリス・テイラーがセンター前へのタイムリーを放って土壇場で同点に追い付いた。
そして10回裏。ドジャースは9回裏を無失点に抑えたケンリー・ジャンセンが2イニング目に突入したが、二死走者なしからマッキャンに死球、スプリンガーに四球を与えて二死一、二塁。ここでA.J.ヒンチ監督は二塁走者のマッキャンに代走のデレク・フィッシャーを送り、一打サヨナラに賭けた。そしてこのチャンスでアレックス・ブレグマンがレフトへのヒットを放ち、フィッシャーが二塁から一気に生還。ヒンチ監督の代走起用がズバリと当たり、アストロズが13対12で死闘を制したのだった。
なお、9回表のプイーグの本塁打が今ポストシーズン101本目、今ワールドシリーズ22本目となり、ともに歴代最多記録を更新。レギュラーシーズンでは6105本塁打が飛び出し、17年ぶりの記録更新となったが、本塁打量産のシーズンに相応しく、ポストシーズンでも新記録が誕生した。
試合時間5時間17分という死闘を制したアストロズが対戦成績を3勝2敗とし、球団史上初のワールドシリーズ制覇に王手。舞台をドジャー・スタジアムに移して行われる第6戦では、アストロズは世界一をかけてジャスティン・バーランダー、ドジャースは世界一阻止をかけてリッチ・ヒルが先発予定となっている。
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