史上最高のWS第6戦 2011年のワールドシリーズを振り返る
2017.10.31 14:52 Tuesday
日本時間11月1日に行われるワールドシリーズ第6戦に向けて、MLB.comでは過去のワールドシリーズ第6戦を「平均レバレッジ・インデックス」を基に順位付けし、TOP10を発表している。ここではそのランキングで1位となった2011年のワールドシリーズ第6戦を振り返る。
「レバレッジ・インデックス」とは各打席が勝敗に与えた影響を数値化したものであり、値が大きければ大きいほど、その試合が大きく動いたことを意味する。要するに「平均レバレッジ・インデックス」の値が大きければ、その試合は勝敗の行方が大きく変動した劇的な試合であるというわけだ。
2011年のワールドシリーズはア・リーグ王者のレンジャーズとナ・リーグ王者のカージナルスが対戦。2勝2敗となったあとの第5戦をレンジャーズが制し、球団史上初のワールドシリーズ制覇に王手をかけた。そして迎えた第6戦。舞台は再びカージナルスの本拠地ブッシュ・スタジアムへ移された。
ホームのカージナルスはハイメ・ガルシア、アウェイのレンジャーズはコルビー・ルイスが先発。1回表、レンジャーズはジョシュ・ハミルトンのタイムリーで先制するが、カージナルスはその裏、ランス・バークマンにツーランが飛び出して逆転。しかし直後の2回表、レンジャーズはイアン・キンズラーのタイムリー二塁打ですぐさま同点に追い付いた。
4回表にはレンジャーズがマイク・ナポリのタイムリーで勝ち越しに成功するが、カージナルスはその裏、ヤディアー・モリーナの内野ゴロの間に同点。レンジャーズは直後の5回表にマイケル・ヤングのタイムリー二塁打で再び1点を勝ち越したものの、カージナルスは6回裏に一死満塁からモリーナが押し出しの四球を選び、再び同点に追い付いた。
ところがレンジャーズは7回表、先頭のエイドリアン・ベルトレイとネルソン・クルーズが二者連続本塁打を放ち、さらに二死二塁からキンズラーにタイムリーが飛び出して3点を勝ち越し。カージナルスは8回裏にアレン・クレイグのソロで2点差としたものの、試合は7対5とレンジャーズが2点をリードした状態で9回裏を迎えた。
球団史上初のワールドシリーズ制覇まであと3アウトに迫ったレンジャーズは、この年のポストシーズンで6セーブを挙げていたクローザーのネフタリ・フェリースを投入。しかし、一死からアルバート・プーホルスに二塁打を浴び、バークマンを歩かせて一死一、二塁のピンチを背負ってしまう。カージナルスはこのチャンスでクレイグこそ見逃し三振に倒れたものの、デービッド・フリーズが右翼クルーズの頭上を越える同点タイムリー三塁打。敗退まであと1ストライクに追い込まれたカージナルスが土壇場で同点に追い付いた。
しかし10回表、レンジャーズはハミルトンにツーランが飛び出して2点を勝ち越し。カージナルスが土壇場で追い付いた直後の一発だけに、これで勝負ありかと思われた。ところがその裏、カージナルスは連打と犠打で一死二、三塁のチャンスを作り、ライアン・テリオーの内野ゴロの間にまず1点。プーホルスが敬遠されたあと、バークマンのタイムリーでまたしても同点に追い付いた。
そして11回裏。カージナルスはこの回先頭のフリーズがこの回から登板したマーク・ロウから一発を放ち、熱戦に終止符を打った。カージナルスがリードしていたのはバークマンに逆転ツーランが飛び出した初回だけ。その後は常に追う展開を強いられながらも4回、6回、9回、10回と4度も追い付き、最後はフリーズが劇的な一発で試合を締めくくったのだった(カージナルス10-9レンジャーズ)。
第6戦を制したカージナルスは続く第7戦も6対2で制し、球団史上11度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げた。なお、ワールドシリーズMVPにはリーグ優勝決定シリーズに続いてフリーズが選出されている。
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