ブロンソン・アローヨ「最後の登板は終わった」
2017.6.27 11:22 Tuesday
長髪と膝を曲げずに足を高く上げる独特のフォームで一世を風靡したブロンソン・アローヨ(レッズ)。メジャー生活16年で148勝を挙げたベテラン右腕の雄姿をマウンド上で見ることはもう二度となさそうだ。
ダイヤモンドバックス時代の2014年7月にトミー・ジョン手術を受けたアローヨは当初、ダイヤモンドバックスとの2年契約が満了した時点で現役を引退することを示唆していた。しかし、毎年のように200イニング前後を投げていたワークホースが、右肘を故障して2014年6月にキャリア初の故障者リスト入り。結局、トミー・ジョン手術を受けることになり、「このままでは終われない」とアローヨは現役引退の意思を撤回して再びメジャーのマウンドに立つことを目指すようになった。
その後、ブレーブス、ドジャース、ナショナルズに在籍したものの、メジャーのマウンドに立つことはなく、今年2月に全盛期を過ごした古巣レッズとマイナー契約。オープン戦では3先発で防御率4.70と微妙なパフォーマンスに終わったものの、投手陣の層の薄さも手伝って、開幕直後に先発ローテーションに加わることに。そこから先発ローテーションの一員として14試合に先発したものの、71イニングで23本塁打を浴びるなど、往年の姿が蘇ることはなく、3勝6敗、防御率7.35という惨憺たる成績に終わってしまった。そして、日本時間6月20日に右肩の張りによって10日間の故障者リスト入り。1週間後には60日間の故障者リストに移された。
アローヨは今後もう一度メジャーで投げたいという希望を持っていないようだ。日本時間6月19日のドジャース戦がキャリア最後の登板だったのかと問われたアローヨは、「うん、そうなると思うよ。おそらくあれが僕の最後の登板だろう。ファンに挨拶するために、9月に1イニングだけ投げる機会を得られる可能性はあるけど、たぶん僕は投げない。肩の状態がどれだけ悪いかは自覚しているし、肘の状態も悪化しているんだ」と自身の右腕が限界を迎え、悲鳴を上げていることを明らかにした。「シーズンの残り3ヶ月はチームの戦いを見守りながら楽しむよ」
レッドソックス時代の2004年にワールドシリーズ制覇を経験し、レッズ時代には2006年にオールスター出場、2010年にゴールドグラブ受賞を果たした一方、ミュージシャンとしての顔も持つアローヨ。個性的な名選手がまた一人、メジャーの舞台から去っていく。
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