7選手が絡む大型トレード フレイジャーらがヤンキースへ
2017.7.19 14:41 Wednesday
ヤンキースが昨年のドラフト1巡目指名選手であるブレイク・ラザフォードら4選手を放出してホワイトソックスからトッド・フレイジャー、デービッド・ロバートソン、トミー・ケインリーの3選手を獲得する大型トレードを成立させた。
レッドソックスへのトレードが噂されていたフレイジャーは一転、レッドソックスのライバルであるヤンキースへ移籍。今季は打率.207とキャリアワースト(昨年の.225)を下回る低打率に苦しんでいるが、過去2年で75本塁打を放ち、今季も16本塁打を記録している長打力は大きな魅力である。今季は四球が大幅に増加し、低打率にも関わらず出塁率.328は自己最高に匹敵する数字。本職は三塁だが、メジャーでは一塁手としても94試合に出場しており、一塁が大きな穴となっているヤンキースでは一塁手としての出場も増えそうだ。
ホワイトソックスでの2年半で84セーブをマークしたロバートソンは2014年シーズン以来の古巣復帰となった。今季終了後にFAとなるフレイジャーとは違ってロバートソンは来季まで契約が残っており、デリン・ベタンセス、アロルディス・チャップマンとともに強力ブルペンを形成することになる。
また、今季ブレイクを果たしたケインリーは時速100マイルを超えるフォーシームが魅力の速球派リリーバーである。今季は36イニングで60奪三振(奪三振率15.00)とハイペースで三振を奪っており、少なくとも2020年まで保有できる点も大きな魅力。ケインリーは2010年のドラフトでヤンキースから5巡目指名を受けてプロ入りしており、2013年12月にルール5ドラフトでロッキーズに移籍したとき以来の古巣復帰となった。
ヤンキースのジョー・ジラルディ監督はリリーフ右腕2人の加入について「2人のリリーバーが加入してくれるのは本当に助かるよ。2人とも三振を奪う能力が高いパワーピッチャーだからね」と語り、ベタンセスとチャップマンが安定感を欠く中、ブルペンの戦力アップを喜んだ。
ホワイトソックスが獲得したのはラザフォード、ティト・ポロの両外野手とイアン・クラーキン、タイラー・クリッパードの両投手の計4名。メジャー通算598登板、57セーブの実績を誇るクリッパードはケインリーないしロバートソンの穴埋めとしてセットアッパーまたはクローザーを任されることになるだろう。ラザフォードは昨年のドラフト1巡目指名選手(全体18位)。今季はA級で71試合に出場して打率.281、OPS.733をマークしている。クラーキンは2013年のドラフト1巡目指名選手(全体33位)。今季はAアドバンス級で14試合に登板して4勝4敗、防御率2.61をマークしている。また、ポロは今年3月のワールド・ベースボール・クラシックでコロンビア代表の一員としてプレイし、印象的な活躍を見せた俊足好守の外野手。今季はマイナー2階級で計72試合に出場し、打率.298、25盗塁と俊足巧打ぶりを存分に発揮している。
なお、ホワイトソックスはこのトレードが成立した直後に球界No.1プロスペクトであるヨアン・モンカダと右腕ブラッド・ゴールドバーグのメジャー昇格を発表。WBCイスラエル代表の一員としてプレイしたゴールドバーグはケインリーの代役としてブルペンの一角を担うことになる。そしてモンカダはフレイジャーの放出により空席となった三塁、あるいは本職である二塁での起用が濃厚。昨季はメジャーでの20打席で12三振を喫したが、今季こそ本領発揮に期待がかかっている。
ホワイトソックスはクリス・セール(レッドソックス)、ホゼ・キンターナ(カブス)、フレイジャー、ロバートソンと主力選手を次々に放出し、対価として各球団からトップ・プロスペクトを獲得。現在はMLB Pipelineのプロスペクト・ランキングで全体トップ100選手のうち10人を抱える状況となっている。彼らが順調に成長すれば、数年後のホワイトソックスは他球団にとって大きな脅威となりそうだ。
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