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次に動くのは誰だ!?トレード市場の投手事情

2017.7.14 11:52 Friday

 ホゼ・キンターナ(ホワイトソックス)がカブスへ放出された。シカゴに本拠地を置く2球団でのトレードは今世紀に入って2度目だという。トレード市場がオープンし、今後は7月末に向けてトレードの動きが活発化していく。ここではトレード市場の投手事情について簡単にチェックしてみよう。

 一般的に、野手に比べて投手は獲得に動きやすいと言われる。なぜなら、一流の投手だけでロースターを埋めている球団など1つもないからだ。他球団から一線級の先発投手を獲得できれば、自軍の先発5番手に替えて先発ローテーションに入れることができる。リリーバーにしても同様だ。しかし、たとえばヤンキースがライトにスター選手を2人置くことはできないのだ。

 そうした理由から、投手の獲得に動く球団は多い。それでは、エース級の先発投手、その他の先発投手、中継ぎ投手、クローザーの4つに分けて、トレード市場の投手事情をザッと眺めていこう。

エース級の先発投手

 ダルビッシュ有(レンジャーズ)のほか、ゲリット・コール(パイレーツ)、ジャスティン・バーランダー(タイガース)、ソニー・グレイ(アスレチックス)らの名前がトレード候補として挙げられている。彼らを獲得するためには多大な対価を支払うことになるが、ワールドシリーズ制覇を目指すチームにとって大一番で安心して先発を任せられる一流投手は喉から手が出るほど欲しい存在だ。昨季のクレイトン・カーショウ(ドジャース)のように、絶対的な先発投手が1人だけいてもポストシーズンは勝ち抜けない。カーショウとアレックス・ウッドの両左腕に次ぐ右腕が欲しいドジャース、絶対的なエースを必要としているヤンキースやアストロズなどがトレード競争に参戦すると見られている。

その他の先発投手

 ジェレミー・ヘリクソン(フィリーズ)、マルコ・エストラーダ(ブルージェイズ)、ランス・リン(カージナルス)、ハイメ・ガルシア(ブレーブス)といった、先発ローテーションの1番手・2番手を任せるほどではないものの、ある程度安心して試合を任せることのできる投手がこのグループに属する。エース級の先発投手を獲得するには多大な対価が必要となるため、こちらのグループに属する先発投手の獲得を目指す球団も少なくない。コリー・クルーバーとカルロス・カラスコの両輪に次ぐ存在が欲しいインディアンスや、先発4番手・5番手の戦力アップを目指すナショナルズなどは、こうした投手の獲得に動くことになるだろう。

中継ぎ投手

 右腕ではパット・ニーシェック(フィリーズ)やトレバー・ローゼンタール(カージナルス)、左腕ではブラッド・ハンド(パドレス)やトニー・ワトソン(パイレーツ)らが注目株。信頼できる中継ぎ投手はどの球団も不足しており、何人いても困らない存在であるため、最も活発にトレード交渉が行われる部門の一つである。昨季のポストシーズンを見てもわかるように、短期決戦において信頼できるリリーバーの存在は極めて重要。ブルペン崩壊に苦しむナショナルズはもちろん、左腕が不足気味なドジャースやアストロズ、その他にもブリュワーズやヤンキースなどもリリーバーの補強に動くと見られている。

クローザー

 ナショナルズへのトレードが盛んに噂されているデービッド・ロバートソン(ホワイトソックス)のほか、ライセル・イグレシアス(レッズ)、ザック・ブリットン(オリオールズ)、ジャスティン・ウィルソン(タイガース)らがトレード候補として挙げられてる。イグレシアスは極めて優秀な成績を残しているが、2020年まで契約が残っている。2020年までにはレッズも再建を終え、「勝負モード」に突入しているはずであり、貴重な戦力になるべきイグレシアスの獲得にはかなりの対価を要求されることになるだろう。クローザー不在のナショナルズはもちろん、フェルナンド・ロドニーが安定感を欠くダイヤモンドバックスなども一線級のクローザーを欲しているに違いない。

 来季以降を見据えた補強を目指すチームもトレード市場に参戦するため、来季以降の契約を残す有力選手がポストシーズン進出やワールドシリーズ制覇を目指すチーム以外へ流出する可能性も十分にある。どのチームがどのような思惑でどの選手を手に入れるのか。トレードの情報は日本時間の深夜に入ってくることが多いため、日本のメジャーリーグファンはしばらくの間、眠れない夜を過ごすことになりそうだ。


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