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【戦評】アレナードの逆転打でグレインキーを撃破

2017.6.21 15:58 Wednesday

 クアーズ・フィールドに鳴り響く「MVP!」の掛け声が現実になる日はそう遠くないのかもしれない。今日から始まったロッキーズ対ダイヤモンドバックスのナ・リーグ西部地区上位対決3連戦。大事な初戦の行方を決めたのはノーラン・アレナード(ロッキーズ)の一打だった。

 ザック・グレインキー(ダイヤモンドバックス)と新人ヘルマン・マルケス(ロッキーズ)の両先発で始まったこの試合。両投手の好投により、「打者天国」クアーズ・フィールドらしからぬ投手戦が展開された。暴投に捕手ジェフ・マシスの悪送球が絡んで不運な形で先制点を与えたグレインキーだったが、その後は5番カルロス・ゴンザレスに6号ソロを浴びたものの、7回まで7奪三振無四球2失点としっかり試合を作り、味方の援護を待つ。一方のマルケスも6回を投げて打たれたヒットは僅か4本。ダイヤモンドバックスの反撃を5番クリス・オーウィングスの犠牲フライによる1点のみに抑え、好投手グレインキーに勝るとも劣らない見事な投球を見せた。

 試合が動いたのは8回だった。1点を追うダイヤモンドバックスは8回表、先頭の2番デービッド・ペラルタが左腕クリス・ラシンから7号ソロを放って同点に追い付くと、代わったアダム・オッタビーノから3番ポール・ゴールドシュミットが17号ソロを放ち、逆転に成功。好投を続けていたグレインキーに勝利投手の権利が発生した。そしてグレインキーは8回裏のマウンドへ。

 しかし、グレインキーは8回裏一死から1番チャーリー・ブラックモンと2番DJレメイヒューに連打を浴び、一死一、二塁のピンチを背負ってしまう。ここで打席には3番アレナード。前の試合で「サヨナラ弾でサイクル達成」という離れ業をやってのけ、現在最も勢いのある打者の一人だ。グレインキーの投じたこの試合の99球目。低めへのスライダーだった。アレナードが捉えた打球はライトのフェンスを直撃し、一気に二者が生還。試合を再びひっくり返す、2点タイムリーツーベースとなった。

 「三塁に立ったとき、観客の声が本当によく聞こえたよ。とても興奮した。ちょっと身震いしたよ」とアレナードは自身の一打を振り返ったが、前の試合で放ったサイクル達成の逆転サヨナラ弾といい、今日の逆転打といい、ここぞの場面で大きな一打を放つ勝負強さはまさに「Most Valuable」にふさわしい。クアーズ・フィールドに鳴り響く「MVP!」の掛け声は、決してその場の勢いだけによるものではないはずだ。

 ダイヤモンドバックスの7連勝をストップさせたロッキーズは6連勝で地区首位をキープ。5連勝中のドジャースが0.5ゲーム差で追っているものの、主砲の勝負強さがここ一番で発揮され続ける限り、ロッキーズの勢いはまだまだ衰えないだろう。


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