コリー・クルーバー 復調の理由とは?
2017.6.26 12:04 Monday
コリー・クルーバー(インディアンス)のカーブボールは彼のベストピッチであるだけでなく、球界における最高級のボールの一つである。6先発で防御率5.06という低調なスタートを切った後、腰痛で故障者リスト入りし、復帰後の5先発で防御率1.29という見事なピッチングを見せているクルーバー。どうやらこの復調には、カーブボールの投球割合を増やしたことが大きく影響しているようだ。
まずは戦列復帰後のクルーバーの投球成績を見てみよう(日付はいずれも日本時間)。
6月2日 対アスレチックス 6回2安打10奪三振1四球0失点
6月9日 対ホワイトソックス 6回7安打8奪三振2四球3失点
6月14日 対ドジャース 7回4安打10奪三振1四球2失点
6月19日 対オリオールズ 9回3安打11奪三振0四球0失点(完封勝利)
6月24日 対ツインズ 7回3安打13奪三振2四球2失点(自責点0)
合計5先発 35回19安打52奪三振6四球 防御率1.29
上記の5先発のうち、4試合はカーブボールが最も投球割合の高い球種だった。それ以前の140先発では、カーブボールの投球割合が最も高かったのは僅か1試合だけだったにもかかわらず、である。
「彼は投手として進化したんだと思うよ」とインディアンスのミッキー・キャラウェイ投手コーチは語る。「数年前は打者1巡目はとにかく速球で押していた。それが2巡目以降への準備になっていたんだ。だから、我々も速球のコマンドを重視していた。でも、相手チームが違うアプローチを取るようになってきた。彼らは試合の早い段階から、早いカウントから、どんどん振ってくるようになったんだ。そこで、我々はベストピッチを試合の後半まで温存しておくことは得策ではないと考えた。そして、カーブボールの投球割合が増えたんだ」
Statcastによると、クルーバーのカーブボールは今季、被打率.086、被長打率.123とほとんど打たれていない。2015年以降というスパンで見ても被打率.114、被長打率.171という素晴らしい数字になっている。右投手のメジャー全体におけるカーブボールの平均は今季が被打率.219、被長打率.363、2015年以降では被打率.215、被長打率.350であり、クルーバーのカーブボールがいかに優れているかがわかるだろう。
クルーバーの離脱中、キャラウェイ投手コーチはクルーバーの登板試合を分析した。離脱前後でクルーバーの投球割合はツーシームが41.6%から24.5%へ下落した一方、カーブボールは19.9%から30.1%、カットボールは18.5%から24.7%へと上昇している。「我々は様々な数字を調査したよ。それぞれの先発投手がより良い投球をできるようにね。クルーバーの数字を見ていたときに気付いたんだ。カーブボールを温存しておく必要はない、ってね」
自分のベストピッチを試合の組み立てを考えて温存するのではなく、積極的に使っていくことで復調したクルーバー。不振に苦しむ他の投手たちにとって、このアプローチは復調のヒントになるかもしれない。
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