マドン監督はなぜラッキーを投入したのか
2017.10.17 11:32 Tuesday
クローザーはセーブ機会が巡ってくるまで温存すべきと主張する人がいれば、クローザーはチームでベストのリリーバーなのだから同点の場面でも出し惜しみすべきでないと主張する人もいる。ドジャースとのリーグ優勝決定シリーズ第2戦。カブスのジョー・マドン監督はなぜクローザーのウェイド・デービスではなく、ジョン・ラッキーを9回裏に投入したのだろうか。
1対1の同点で迎えた9回裏二死二塁の場面でマドン監督が投入したのはデービスではなく、38歳のベテラン右腕・ラッキーだった。ラッキーはクリス・テイラーに四球を与えると、続くジャスティン・ターナーにサヨナラスリーランを被弾。カブスはクローザーのデービスを起用することなく、1対4でドジャースに敗れてしまった。
リーグ優勝決定シリーズはドジャースの連勝スタートとなったが、デービスはここまでの2試合でまだ登板していない。「今夜はセーブ機会で起用する必要があったんだ」とマドン監督はデービスを投入しなかった理由を説明した。「デービスは球数を制限していた。1イニング限定だったんだ。あのような状況では準備をさせることも、登板させることもできなかったんだよ。もし我々がリードを奪っていたら彼は登板していたよ。ただそれだけのことさ」
地区シリーズ第5戦で今季最多の44球を投げ、2回1/3を投げ抜いたデービス。カブスはデービスのコンディションについて慎重な姿勢を見せており、マドン監督はデービスと話し合った結果、1イニング限定で起用することを決めたという。9回裏の1イニングをデービスに任せることもできたはずだが、「セーブ機会まで待つ」というのがマドン監督の決断だった。この試合を見てクローザーのザック・ブリットンを使わずに敗退した2016年ワイルドカード・ゲームのオリオールズを思い出したファンも少なくないはずだ。
今季リーグ最多の36本塁打を浴びたラッキーをあの場面で投入したのは正しかったのか。マドン監督は「何よりも彼の経験に賭けたんだよ。ラッキーならあの雰囲気に影響されることはないと思ったんだ」とラッキー投入の意図を説明した。一方、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「マドン監督のほうがカブスの選手のことをよく知っているんだから、私がとやかく言う問題ではないよ」としつつも、「残っていた投手の中でデービスがベストの投手だったことは間違いない。ラッキーが出てきたのはありがたかったよ」と本音も垣間見せた。
ターナーがラッキーから劇的なサヨナラ弾を放ち、ドジャースは連勝スタートとなった。デービスでなくラッキーを投入したマドン監督の決断は、今後のシリーズの行方にどのような影響を与えていくのだろうか。
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