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三振率50%超 キンブレルのずば抜けた三振奪取能力

2017.9.20 07:21 Wednesday

 レッドソックスのクローザー、クレイグ・キンブレルが歴史的なシーズンを過ごしている。62試合に登板して5勝0敗33セーブ、防御率1.41というのはキンブレルにとっては特別優れた数字ではないかもしれないが、64イニングで120奪三振。なんと対戦した打者の過半数から三振を奪っているのだ。

 キンブレルは今季ここまで236人の打者と対戦し、120人から三振を奪っている。三振率は実に50.8%。もしキンブレルが50%以上の三振率をキープしたままレギュラーシーズンを終えれば、60イニング以上の投手としては史上2度目の快挙となる。ちなみに、史上初の三振率50%超えを2012年に成し遂げたのもキンブレルである。この年、キンブレルは231人の打者と対戦して116三振を奪い、三振率50.2%をマークした。

 60イニング以上ではキンブレルしか達成していない「三振率50%超え」だが、イニング数の制限を50イニングまで下げると2014年のアロルディス・チャップマン(当時レッズ)が三振率52.5%(打者202人から106奪三振)を記録している。しかし、イニング数の制限をさらに下げて30イニングとしても、三振率50%超えは現れない。2015年にカーター・キャップス(当時マーリンズ)が三振率49.2%(打者118人から58奪三振)を記録したのが惜しかった唯一のケースである。

 キンブレルの登場前、三振率のメジャー記録を持っていたのはエリック・ガニエだった。ガニエは55度のセーブ機会をすべて成功させ、2勝3敗55セーブ、防御率1.20という驚異的な成績を残してサイ・ヤング賞を受賞したドジャース時代の2003年に三振率44.8%(打者306人から137奪三振)を記録。ガニエはこの年82.1イニングを投げていたが、80イニング以上ではもちろんガニエの数字が歴代トップ。年々打者の三振率が上昇しているメジャーリーグだが、50イニング以上までハードルを下げてもガニエを上回るのはキンブレルとチャップマンだけである。

 今季のキンブレルは対戦した236人の打者のうち184人を2ストライクに追い込んでいる。割合にすると78.0%という高率になるが、これはカウントの記録が残されるようになった1988年以降で最高の数字である。また、キンブレルは対戦した打者の35.2%をカウント0-2に追い込んでいる。2012年の43.3%には劣るものの、昨季の26.4%から大きく上昇。投手有利のカウントを作り、高めのフォーシームないし低めのカーブで仕留めるというパターンで三振の山を築いている。

 球界屈指の三振奪取能力を誇るキンブレル。最終的にどのような数字を残して今季を終えるのか楽しみだ。


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