ドジャースの歴史的な強さを物語る15の数字
2017.8.9 10:49 Wednesday
昨季まで4年連続地区優勝を果たしているドジャースにとって、ナ・リーグ西部地区の首位を走っていることは決して珍しいことではない。しかし、今季のドジャースはその強さがとにかく異常なのだ。ここまで79勝32敗、勝率.712を誇るドジャースはシーズン115勝という驚異的なペースで勝ち続けている。メジャー記録は1906年のカブスと2001年のマリナーズが記録した116勝。歴代最多勝利記録に迫ろうとしているドジャースの強さを物語る15の数字に迫る。
ドジャースは6月7日からの51試合で44勝。今季44勝以下のチームは3つもある(ホワイトソックス、フィリーズ、ジャイアンツ)。50試合スパンで43勝という、実に105年ぶりの大記録も打ち立てた(1912年のニューヨーク・ジャイアンツ以来)。今季のドジャースはクレイトン・カーショウ、ケンリー・ジャンセン、コリー・シーガー、ジャスティン・ターナーといった主力選手のほか、クリス・テイラー、コディ・ベリンジャー、ブランドン・モロウといった伏兵や有望株が好成績を残してチームに貢献し、さらにチームのトップ・プロスペクト3人を失うことなくダルビッシュ有、トニー・ワトソン、トニー・シングラーニを獲得。地区優勝はほぼ間違いなく、悲願のワールドシリーズ制覇を見据えた豪華なロースターを築くことに成功したのだ。
では、今季のドジャースはなぜこれほどにも強いのか。彼らは様々な部門において極めて優れた数字を残しているのである。ここでは歴史的なシーズンを送るドジャースの強さを物語る15の数字を紹介する。なお、これらの数字のほとんどがダルビッシュなしで成し遂げられていることに注意していただきたい。ダルビッシュはまだドジャースで1勝しか挙げていないのだから。
①ホームでの47勝は両リーグ最多
今季のホームでの勝率は.783という驚異的な数字。これを上回るチームは1913年以降、わずか6チームしか存在しない。
②メジャー平均より25%も優秀なチーム防御率
ドジャースのチーム防御率3.07は2位ダイヤモンドバックスの3.53に大差をつけて両リーグトップ。メジャー平均の4.34と比較すると25%も優秀で、これは1920年以降では4番目という驚異的な水準である。
③ハードヒット率27.7%は両リーグで最も低い数字
点を取られたくなければ三振を奪うとともに、強い打球を打たれないのが一番だ。強い打球の割合を占めるハードヒット率27.7%は両リーグで最も低く、2位ブリュワーズの31.4%に大差をつけている。
④四球率10.6%は両リーグ最高、⑤ゾーン外スイング率27.4%は両リーグで2番目に低い数字
これらの数字はドジャース打線の選球眼の良さを示している。彼らはボール球に手を出さず、多くの四球を選んでいる。
⑥ゾーン外をスイングさせる率34.2%は両リーグ最高
逆に、ドジャース投手陣は相手打者に多くのボール球を振らせている。ゾーン内コンタクト率83.3%は両リーグで最も低く、ゾーン内のボールに当てさせず、ボール球を振らせるという完璧なコンビネーションが実現している。
⑦ポップフライを打たせる率12.9%は両リーグ最高、⑧ポップフライ率7.8%は両リーグで2番目に低い数字
ドジャース投手陣が多くのポップフライを打たせている一方、ドジャース打線はポップフライを打ち上げない。
⑨故障者リスト入り延べ34人は両リーグ最多
この数字はドジャースの選手層の厚さを物語っていると言えるだろう。同時に多数の主力選手が離脱していないことも事実だが、これだけの故障者を出しながらも7割を超える勝率をマークしているのだ。
⑩打者3巡目と対する率13.4%は両リーグで3番目に低い数字
先発投手が長いイニングを投げることに固執する時代は終わった。先発投手の被OPSは打者1巡目が.625、2巡目が.675、3巡目が.670、リリーフ投手は.626であり、疲れている先発投手を無理に続投させるよりリリーバーを投入する方が理にかなっているのだ。
⑪DRAA(平均と比較した守備得点)+44は両リーグ3位
DRSやUZRといった指標にポジション補正を加えたものがDRAAだ。ライトのヤシエル・プイーグを筆頭に、各ポジションで各選手が優れた数字を残している(センターのジョク・ピーダーソンを除く)。
⑫左腕に対するwRC+116は両リーグ3位
昨季は左腕にめっぽう弱かったドジャース打線だが、今季はその弱点を完全に克服している。
⑬フレーミング得点+25は両リーグ最多
これには正捕手ヤスマニ・グランダルの貢献が非常に大きい。2番手捕手のオースティン・バーンズも両リーグトップ10に入る好成績を残している(グランダルが2位、バーンズは8位)。
⑭傘下マイナー球団の勝率.556は両リーグ3位
ドジャースが強いのはメジャーにおいてだけではない。傘下のマイナー組織にも優秀な選手を揃え、両リーグ3位の勝率を叩き出している。
⑮1988年以降ワールドシリーズ制覇なし
そして最後にこの数字だ。ドジャースはメジャー最高勝率を誇るロースターにダルビッシュらを加え、本気で29年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指している。
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